フェイクサインにご注意を


「もう一度、上半身からマッサージしますね」
(まだ……やるの、か……?)


 オイルの蓋を開ける男性の姿を、ぼんやりと見上げながら、スコールはちらりと時計を見る。
此処に来た時から数えて、もう随分と時間が経っているのに、施術はまだ終わりではないと言う。
マッサージってこんなに時間を取ってやるものなのか、と他例を知らないスコールは、中断を進言する事も出来ずに横たわっているだけだった。


(体が……熱い……)


 はあ、はあ、と絶えず熱のこもった呼吸を繰り返すスコール。
その胸の上に、とろりと冷たい液体がかけられた。


「ふぅっ……!」
「冷たいですが、少しだけ我慢してくださいね。たっぷりとオイルを使いますので」
「あ……あ……っ!」


 逆様にしたビンから、とろぉ〜……とオイルが流れ落ち、スコールの胸を濡らしていく。
体温に対してどうしても冷たい液体の感触に、スコールは頭を僅かに仰け反らせていた。
更にオイルの着地点が、スコールのぷくりと膨らんだ乳首に集中し、


「あふっ……!ん……っんん……っ!」


 また自分のものと思えないような声が出て、スコールは恥ずかしさに唇を噛んだ。
息を詰まらせ、ふるふると体を揺らし、垂れ落ちる液体の感触から逃げようとするスコールに、


「じっとして下さいね。我慢して」
(そん、な……っ)


 動くなと言われ、スコールはきゅうと眉を八の字にする。
眉間に皺を寄せ、施術台の端を掴んでふるふると体を強張らせるその様子に、見下ろす男の笑みが深くなる事など知らず。

 オイル塗れになったスコールの胸を、男の手が滑る。
ぬるぬるとオイルを胸全体に塗り広げ、また乳肉を揉むように指が波打って動く。
脇から肉を持ち上げた指が、胸の中心へと滑るに連れ、肉に柔く食い込んだ指がスコールの乳首を引っ張った。
更に、乳首に指を押し付けた状態で、ぐりぐりと押し揉まれる。


「んっ、んっ……!」
「肩とか背中とか、よく凝るんでしょう。それと同じでね、悪いものが溜まっていると、よく凝るんですよ。此処も、ね」
「んくぅんっ!」


 押し潰されていた乳首を、突然、ぎゅうっと摘まみ抓られた。
急な刺激の代わりように、くぐもった悲鳴がスコールの喉から上がる。
痛みに近いその刺激に仰け反ったスコールに構わず、その指は摘まんだ乳首を上へと強く引っ張った。


「ひぅうっ!」
「ほら、こんなに固くなっているでしょう」


 そう言って男は、スコールのぷくりと膨らんだ乳首を、摘まんだ指先でクニクニと転がし捏ね始めた。
これはもうマッサージじゃない、とスコールは頭を振る。


「な、何してっ、あっ!やめ、あぁっ!」
「何って、マッサージですよ」
「違う、こんなの、はううっ!」


 幾ら他に経験がなくても、これは絶対に違う、とスコールは頭を振る。
しかし男は構わず、表情も変えず、スコールの乳首を強く摘まんで見せた。

 固くなった乳首の先端を、男の指先がピンッピンッと弾いて弄ぶ。
たったそれだけの事なのに、スコールの胸には痺れるような官能が駆け抜けて、細身の肢体がビクンビクンと痛みが由来ではない反応を示す。


「あっあっ、あっ、あっ!やだ、胸が変に……あぁっ!」


 爪弾くような刺激が乳首に与えられる度に、喉から抑えられない音が溢れ出す。
一体どうして、こんな刺激でこんな声が出るのか、スコールにはまるで判らなかった。
唇を噤もうとしても、ぎゅうっと強く引っ張られると、電気を撃たれたような痺れが胸全体に迸って、呆気なく口を開けて悲鳴を出してしまう。


「ん、んぅ……、ふぁあっ!やめ、むね、胸を……ああっ!離せ、あっあっ!あっ!」
「固くなった所は良く揉んで、そうそう、捏ねるのも良いんですよ」
「はふ、はぅう……!うぅ、ぅうんっ!」
「こうやって乳首の根本を挟んで、ゴシゴシと」
「くふ、ふっ、ふぅう……っ!」
「そうするとね、先っぽに悪いものが集まって行くので、そこを爪で」
「やめ、」
「こう、カリカリとね」
「ああっ!やめあっあっあっ!ひっ、だめ、引っ掻くな、あっ、ああっ♡」


 乳首と乳輪の間の皺を、親指と中指で挟んで細かく扱くように擦られ、ビクビクと震える乳頭を、人差し指の爪先で穿るように引っ掻かれる。
最初に胸を揉まれていた時から、丹念に焦らして育てられていた其処は、籠った熱を長時間抱えた事で、すっかり熟れた果実になっていた。
そんな事など露とも知らず、スコールは与えられるマッサージと言う名の初めての官能に、逃げる事も出来ずに体を捩る。


「やめ、やめろ、離せぇ……っ!」
「ん?」


 もがくスコールの手が、乳首を摘まむ男の両腕を掴む。
ジャンクションした力を以てすれば、スコールが男を投げ飛ばす事など造作もない───筈だった。
男の指が、スコールの乳首をより一層強く、摘まんでこなければ。


「ひくぅううっ♡」


 ぎゅううっ、と強く摘まんだ乳首を、胸が持ち上がる程に引っ張られて、スコールは悲鳴を上げた。
その鳴き声は痛みを訴えるだけのものではない。
その事にとうに気付いていた男は、スコールの粒のように固くなった乳首全体を、捏ね回すようにゴシゴシと激しく擦り上げた。


「あああぁっ♡やめ、やめぇっ!胸が、乳首が、あぁっ!おっ、おかしくなるぅうっ!」
「良い事ですよ、老廃物を出そうとしているんですからね。ほら、もう少しだ」
「ああっ、ああっ、あぁあっ♡嫌、いやだ、あぁあんっ♡」


 乳首を満遍なく擦り上げられ、じんじんと響くような快感が乳首全体を包んで行く。
感覚神経が剥き出しになって行くような気がして、スコールは恐怖で頭を振るが、男の指は止まらなかった。
それ所かスコールの弱点となった乳頭の先端を、爪先を食い込ませながら摘まみ、カリカリカリカリ、と微弱な振動を与えるように引っ掻き苛める。


「あっあっあっあっ♡ああっ♡あぁああっ♡」


 最早完全に言葉を忘れて、スコールは音を漏らすだけの道具になっていた。
高くなって行く声に合わせ、背中を弓形に撓らせて、スコールは首を仰け反らせ、


「ああっ、ああっ♡ああぁぁーーーーーっっ♡♡」


 一際甲高い悲鳴を上げて、スコールの頭は真っ白に焼き切れた。
強張った手が、乳首を苛める男の手に縋るように食い込み、薄い腹筋が波打つように跳ねる。
そして、既に零れていた蜜を吸い込んで色が変わっていたパンツの中に、どぴゅうっ、と熱い迸りが吐き出された。

 乳首を摘まみ上げられ、四肢を仰け反らせた格好で、ビクンッ、ビクンッ、と強張り震える躰。
開きっぱなしの口から、あ、あ、と意味のない音が漏れるばかり。
施術台の上にいる少年は、世間で持て囃される傭兵としての面影もなく、蕩け切った瞳を宙に彷徨わせていた。

 パンツの中に吐き出したものが、紙製のパンツに染み込んで行く。
吸い込み切れなかった水分は、短パンの内側にまで溢れ出し、其処の色をすっかり変えてしまった。
それを見て、男はくつくつと笑いながら、全く固さを失わない乳首をまた引っ張る。


「あぁ……っ!」


 ツンとした刺激を感じて、悩ましい声を上げるスコール。
伸ばした乳首をぱっと離してやると、ようやくスコールの背中は施術台に落ちた。
強張っていた体が弛緩して、ぐったりと沈むスコールの乳首を、男の指がピンッピンッと爪弾いて遊ぶ。


「あっ、あっ……んあっ…♡」
「まだまだ凝っているようですね。これは念入りに施術する必要がありますよ」


 そう言って男は、スコールの乳首を乳輪ごと挟んできゅうと締め付けてやる。
その刺激に対し、スコールは弱々しい声を上げるしか出来ない。


「やぁ……あ……っ」
「特別コースと行きましょう。さあ、俯せになって」


 指示をしながら背中を抱き起こされたスコールだが、これ以上なんて、と首を横に振る。
すると、後ろから伸びてきた手がスコールの両乳首を摘まむ。


「いあぁっ♡」
「構わないですよ、このまま続けるでも。その場合、此処をより重点的に刺激する事になりますが」


 カリカリ、カリカリと、乳首の先端を爪で引っ掛かれ、スコールは乳首からの絶えない甘い電流にはくはくと唇を開閉させる。


「あっ、あっ♡や、あぁっ……!」
「此処以外で施術を続けるのなら、俯せに」
「はくぅぅ……っ♡」


 ぎゅうっ、と乳首を強く引っ張られ、スコールは泣く泣く頷いた。

 乳首を苛められ続けながら、のろのろと体を起こす。
施術台に伏せると、ようやく胸から男の手が離れ、刺激から解放された。
ほうっと息を吐いたスコールであったが、散々苛められた乳首には、与えられた官能の名残が残り、じんじんと疼いてスコールを苛む。


(何、だよ、これぇ……♡こんな、のが……流行って、るのか……?)


 色々と噂話や情報収集に詳しいシュウが、こんなものを流行っていると信じているのだろうか。
それとも、何処かで何か間違いがあったのだろうか。
こんな所で考えている場合ではないと言うのに、思考の優先順位も狂っている事にも気付けず、スコールは疼く胸を両手で抱える。
そうしないと、施術台に敷かれたタオルの生地に乳首が擦れて、堪らないのだ。

 俯せになり、身を護ろうとするように胸を抱え、ふぅふぅとくぐもった息をしているスコール。
その腹の下では、蜜を吐き出してとろとろに濡れた淡色のペニスが、まだ膨らみを保っていた。
俯せになって体の下敷きにしている為に、それが直接人目に晒される事はなかったが、足の間から覗く陰嚢が、ひくんひくんと戦慄いて精を作り送り出そうとしているのは明らかだった。


「背中の方に乗りますのでね、ちょっと失礼します」


 ぎしりと施術台が軋む音を立てて、男が膝立ちでスコールの背中を跨ぐ。
背中越しに感じる人間の気配、その重量の気配に、スコールは圧力のようなものを感じていた。
ゆっくりとその重みがスコールの背中に重ねられて、男の足がスコールの両脇を固める。

 男はスコールの太腿をぐっと掴んだ。
その感触にビクッと少年の体が震えるが、構わず足を左右に開かせる。
短パンと下着がずらされて、臀部が空気の感触を感じたかと思うと、とろりとオイルが垂らされた。


「ふう……あ……っ!」


 体中がどこもかしこも熱いのに、流れ落ちて来るオイルの感触だけが冷たい。
とろみのある液体が、ゆっくりと肌を滑り舐めていく感覚に、スコールの細腰がふるふると戦慄いた。


「んあ……う……」
「広げていきますよ。結構ね、際どい所も触りますので、じっとして。特別コースの施術ですので……」


 そう言った男の足が、ぐっと押さえ付けるように、スコールの躰を挟む。
動くな、と命じるかのような感触に、スコールの躰がふるりと震えた。

 尻にたっぷりと垂らされたオイルが、これまでと同じように、男の手で塗り広げられていく。
余す所のないように、尻の谷間にも指が滑り込み、尻肉を揉むように掴んでは、拡げるように五指を大きく開いてオイルを伸ばす。
足の付け根の皺の隙間も忘れず、股間にぶら下がる玉袋の際も、指先を使って細かく擦りながらオイルを塗って行った。

 男の言葉通り、その指はスコールの際どい場所に触れていく。
脚の付け根や、尻たぶは当然のこと、性のシンボルであるその根本にも。
更には陰嚢を柔く握り揉みしだかれ、体の下にあるスコールのペニスがビクビクと反応してしまう。


(あっ、あっ……!そ、そこはダメ……あっ……!)
「どうです?悪いものは出そうですか?」
(そんな…っ、わるい、もの、なんて……んんっ♡に、握られてる……っ!)
「出る時には我慢せずにどうぞ。施術ですのでね、普通のことですから」
(ちが…ぜ、ったい、普通じゃな……んんぅうっ♡)


 くりゅ、くりゅん、と玉を転がすように陰嚢を揉まれて、スコールの腰がビクビクと弾んで逃げを打つ。
しかし、刺激から逃れようにも、背中の重みがしっかり乗っている所為で、スコールは施術台から起き上がる事も出来ない。

 二つの玉袋の間の小さな小さな凹凸部を、両手の中指が小刻みに擦る。


(あっ♡あっ♡あぁっ♡そ、そんな所っ♡だめ、来るっ♡来ちゃ……っ!)


 血管が集合している場所をピンポイントに責められて、スコールはぶんぶんと頭を振った。
だが、背中に乗っている男が見ているのは、スコールの下半身だ。
幾らスコールがいやいやと頭を振って訴えても、男には全く見えていない───見えていたとて、その訴えを男が聞いてくれる筈もなかっただろうが。


(はあ、来る、来る……!うぅっ、苦し……んんん……っ!)


 二つの玉袋の丁度中央を、カリカリとしつこく引っ掛かれ、スコールは其処で作り出されるものがどくどくと先端に集まって来るのを感じていた。
腹の下で窮屈にしているペニスがヒクヒクと震え、精を吐き出したがっている。
それを必死で堪えているスコールは、小ぶりな尻をぷるぷると可哀想な程に震わせていた。

 息を詰まらせ、我慢し続ける事、何分か。
スコールにとっては酷く長い時間を使った後、男の手は尻たぶをするりと撫でた。
薄い肉をむにゅうっと押しながら、一番盛り上がっている尻肉を撫で回した後、指が尻の谷間に滑り込む。


「ふぅん……っ!」


 尻の谷間に両手の指が入って来て、谷を割られる。
すぅすぅとした空気が、あらぬ場所に感じられて、曝け出されている事が解った。
嫌だ、と頭の隅で理性と羞恥心が訴えるが、施術の手は当然構う事なく、指を使ってオイルを谷底に塗り込んで行く。


「んっ…、んんっ……!」


 男の指が何度も前後に往復し、谷をずりずりと擦る。
その指が大きくスライドし、指の腹がスコールのアナルの表面を撫でていく度、ぞくぞくとした感覚が下半身に広がった。

 指が前へと進んで、アナルの土手をずるるっと撫ぜる。
慎ましく閉じている孔が、ひくひくっ、と震えた後、きゅう……とその穴口を窄めた。
指は会陰の周りを撫で、鼠径部を揉み、また尻の谷間に滑り込む。
びくっ、びくっ、と震える括約筋が指を挟むように締め付ける中、指は軽く谷間の底を抑えながら、ゆっくりゆっくりと土手を上がって尻の中央へと向かう。

 その指が、アナルの土手周りをなぞるように、ゆっくりと舐めそぞる瞬間、


「んふぅ……っ!」


 菊門の縁を丁寧に沿い舐められて、スコールの足の爪先がきゅうっと縮こまる。
それを見た男は、にやりと笑い、閉じた秘孔にオイル塗れの指の腹を押し付けた。


「んぅっ!?そこ、は、」


 やめてくれ、とスコールは言おうとしたが、男は構わずにぐりぐりと孔口を穿り出す。


「ひっ、ひぃっ!うっ、んっ、んんっ」
「動かないようにして下さいね。今大事な所ですから」


 ぶんぶんと頭を振り、背中に乗る男を振り落とそうと体を揺らすスコールだったが、つぷんっ、と指が穴口を潜り抜ける。


「ひくぅっ!」


 まさかそんな場所に指を入れられるなんて、と目を丸くするスコールに構わず、指は狭い穴口を広げようと、指先を入れたままでぐるぐると円を描き始めた。


「ひぁっ、あっ、あっ!や、やめ、嫌……あっあぁっ!」
「恥ずかしい事じゃないんですよ、これはマッサージですからね」
「そん、こんなの、聞いた事な……やだ、う、動かさな……っあ!」


 くちくちと肉孔を広げようとする指。
スコールはそれを追い出そうと、腹に力を入れて不自由な体を揺らすが、背中に乗った男は全く意に介していなかった。
男はスコールの暴れる尻を片手で上から押さえ付け、埋めた指をずぽずぽと抜き差しする。


「ひあ、あ、あぁっ!なか、中に入れるな、っあ、っあ、んぁ、」
「やっぱり中が相当キツいですねぇ。凝りの一番の原因は此処だな」
「んんぅぅっ!お、押すなぁ……っくふぅう……!」


 ずぷん、と深く入った指が、内肉の天井をぐいぐいと押し上げて来る。
尻が持ち上げられそうな感覚に、スコールは口端から唾液を垂らしながら歯を食いしばっていた。
その頬は火照って赤らみ、眉を寄せた眼には涙が浮かんでいる。


「中をマッサージしますね。呼吸を我慢しないように、声も出して良いですよ」
「ん、んんっ!」


 男の言葉に、冗談じゃない、もうこんなのはマッサージなんかじゃない───と言おうとした唇は、秘内で蠢く指に妨げられた。
ぬぷぬぷと更に深く入ってきた指が、きつく狭い直腸内で、ゆっくりと大きな円を描く。
内肉がビクビクと戦慄いて、其処にある異物を拒もうと絡み付いた。


「良い反応ですね」
(何が……っ、うぅ……!こんなの…絶対、おかし……っいぃ……っ!)


 男の言葉にスコールが苛立ちを募らせる。
その時、彼の秘孔はきゅうう……っと締め付けを増して、男の指に食い付くように肉壁が密着していた。
その壁に男が指を押し付け、指の腹で細かな凹凸のある壁を小刻みに振動させてやると、


「あっ、あうっ、うっ!い、いや……んっ、んくっ……!」


 中が震える感覚に、ビクッビクッとスコールの躰が戦慄く。

 振動を与えるように小刻みに震えていた指が、ずりずりと奥へと這って来る。
いやいやとスコールは頭を振るが、尻を抑えつける手は勿論離れず、侵入した異物も出て行ってくれない。
せめてもの抵抗に腰を揺らせば、小ぶりな尻がもじもじとするばかりで、見下ろす男の目を愉しませるばかり。


「人間の体の中にもね、ツボってのは沢山あるんですよ」
「う、う……んんぅ……っ!」
「例えば、此処とかね」


 そう言って、男の指がぐぅっとある一点を捉えた瞬間、


「んふぅぅっ♡」


 ビクンッ、とスコールの躰が顕著な反応を示し、甘露を孕んだ音が喉から溢れ出す。
投げ出していた膝下が跳ねあがる程の露骨な反応に、男は鼻の孔を膨らませて、同じ場所をぐりぐりと押す。


「うっうぅっ!んんぅうんっ!」
(あぁぁあっ♡何、今……ひっひぃいっ♡し、尻の奥が痺れて……何っ、これぇええっ……!?)


 悲鳴を噤んだ口の中で、スコールは混乱して喚いていた。
男の指が奥の一点を押すだけで、全身を電流のような痺れが駆け抜ける。
息を詰まらせるスコールに、男は尻穴の縁をくぱぁと引っ張り広げながら、露わになる肉壺を掻き回した。


「うふぅうっ!う、んっんんっ!」
「呼吸を止めると苦しくなってしまうんですよ。口を開けて、息を吐けば楽になります」
「ん、んぐ、う……くぅうんっ!」


 そんな事をしたら───と必死に口を噤むスコールを、まるで更なる責め苦に陥れるかのように、指の動きが激しくなる。
直腸全体をぐちゃぐちゃと掻き回されて、爪先が壁を引っ掻いては擦る感覚に、スコールは堪らず根を上げた。


「は、あっ、あぁっ♡あぁっ!」


 息詰まる苦しさが、呼吸の自由化により和らぐよりも早く、ずぷんっと奥に指を突きいれられて、音が喉奥から押し出される。
孔の入り口の皺を延ばすように、親指と人差しで縁を挟み、上下に引っ張る。
縦に口を伸ばされた孔が、指を咥えてきゅうきゅうと締め付けながらヒクついていた。

 男は徐に其処に顔を近付けた。
後ろの様子など見えない、悶えて宙を見上げるスコールは、背中に乗る者の動きに気付いていなかった。
中を乱暴に掻き回される感覚に、訳も分からず声を上げているスコールの尻穴に、ふぅう、と生暖かい風が吹きつけられる。


「ふぅうんっ♡な、何……あっ、あぁっ!」


 これまでと違う感覚に襲われて、スコールは俄かに恐怖した。
しかしそれが拡がる暇もなく、奥をくりゅんっと穿られて高い声を上げる。

 オイルでてらてらと光る秘孔。
指を咥えた其処は、土手を膨らませ、ふくふくと卑しい動きを繰り返している。
男は高い鼻を孔に寄せ、くんくんと匂いを嗅いだ。


「これは溜まっていますねえ。いやらしいものが、この奥に」
「はっ、あぅ、何を……言って、え……っ」
「吸い出してみましょうか」
「はえっ……!?」


 何か不穏な言葉が聞こえた気がして、スコールが肩越しに背中の男を見ようとした時だった。
生暖かいものが尻にめり込むように乗って来て、ぢゅるるるるっ、と言う音と共に尻穴が強い力で吸引される。


「ひぃいいいっ!?」


 水音を混じらせながら、尻穴を啜られる感覚に、スコールはパニックになった。
思わず強張る肢体に釣られて、括約筋も締まり、尻えくぼが浮かぶ。
男はその尻肉を片手でわしりと掴み固定して、埋めた指を使って孔を広げ、其処から唾液を垂らしながらスコールの尻穴に舌を捻じ込んだ。


「あぁあっ!また、何っ……ぬ、ぬるぬるして……んふぅうっ!」
「んっく、んぢゅるっ。んむぉお……!」
「ひっ、ひぃっ、あぁ……!きも、ち…わるいぃ……っ!」


 オイル塗れの指と同じように、ぬるぬると艶めかしい感触のそれ。
しかし指よりも太く、弾力があって、短い。
それが腸壁をぐねぐねと押し退けながら、奥へと入ろうとしている。
ナメクジが入って来るような悍ましさに、スコールは背中を仰け反らせた。

 じゅる、じゅるっ、じゅぅうっ、と何度も啜られ、その度、ビクン、ビクンッ、と体が跳ねる。


「やっ、あっ…!ああっ、んぁあ……っ!」


 涙を浮かべた瞳を宙に彷徨わせ、スコールは魚のように、はくはくと口を開閉させる。
仰け反った上肢を支える、作業台の端を掴む腕が、がくがくと震えていた。


「や、あ……も……やだぁ……っ!こんな、のぉ……っ!」
「んぷ、んれろぉ……っ!」
「あぁああ……奥に、来る、なぁ……っんぁあ……っ!」


 息も絶え絶えのスコールの訴えに構わず、舌は更に中へと入って来る。
指ほど奥には届かなかったが、その半分の場所まで到達すると、器用に舌先を蛇のようにちろちろと動かし始める。
ゴムのような弾力を持った舌の先端が、細かな凹凸のあるスコールの内壁を擽るように何度も舐めた。


「あっ、あっ、あっ♡あう、あっ、あぁ……!」


 指で乱暴に掻き回された事で、スコールの其処は初めの締め付けよりも遥かに柔らかくなっていた。
解された肉を舌先で慰めるように撫でられ、ぞくぞくとした感覚がスコールの腹の底に生まれる。
その感覚から逃げを打って、スコールが腹筋を縮めて体をくねらせていると、奥に入っている指が急に角度を変えてスコールの天井を押し上げた。


「ひぅううっ♡」


 甲高い悲鳴を上げ、太腿を強張らせて爪先をピンと伸ばしたスコールに、男の目がにやりと笑う。
舌で直腸の後ろ側を、指で前側のポイントを集中的に苛めれば、


「あう、あふっ、あぉおっ!そこやめ、おっ、おふっ♡おうぅうんっ♡」


 発見された敏感なポイントを、二点同時に攻められて、スコールは脳がスパークしていた。
強烈過ぎる快感は最早心地良さではなく、恐怖とパニックを呼ぶ。
本能的に体が崩壊を恐れて逃げを打ち、細い腰が腹筋運動をしながらがくがくと上下運動を起こす。

 それを男は上から伸し掛かって押さえ付け、スコールの秘奥の前側───前立腺を指先でカリカリカリと引っ掻いた。


「ああぁぁぁっ♡あーっ、あーーーーーーーっっっ♡♡」


 この雑居ビルのフロア中に響くのではないかと言う程の大きな声を上げて、スコールの躰は一気に登り詰めた。
脳細胞を何万個と破壊する程の官能が若い躰を襲い、膨らんでいたペニスからびゅるるるるるっ!と勢いよく射精する。

 反響した悲鳴が消えても、スコールの躰は絶頂の瞬間から戻ってきていなかった。
股を割り開き、股間を丸見えにさせた格好で、蜜汁塗れの施術台の上で硬直しているスコール。
きゅう、きゅう、と締め付けを増すばかりの秘孔から、男がゆっくりと舌を抜いた。
ぬぽ、と唾液糸を伸ばしながら舌が抜けても、アナルは挿入されたままの指を更に締め付ける。

 ビクッ、ビクッ、ビクッ、と体を痙攣させているスコールを、男はにやにやと笑いながら見下ろしていた。
無表情で「何も可笑しなことなどしていませんから」と言わんばかりだった時とは違い、その目には明らかに劣情と欲望が浮かんでいる。


「ケツ穴を穿っただけでイくとはね。中々どうして、あいつの目も確かなもんだな」


 呟きながら、男はスコールのアナルをくりゅっと引っ掻いた。
「あっ……!」と声を上げたスコールに、気を良くした双眸が細められ、くちゅくちゅと音を立てて秘孔を苛める。


「あ、あっ……んぁ……っ、あ……っ」
「どうです、お客さん。悪いものもしっかり出たようですが」
「ふっ……あっ…♡や……ぬい、抜いて……あっ、あぁっ♡」
「この様子だと、まだ全然足りていないな。こんなにスケベな匂いを撒き散らしてるんだからなぁ」


 そう言って男は、づぷっ、と二本目の指を捻じ込んだ。


「おふっ♡」
「ほら、こんなに孔も広がって」
「ああ……っ!いや、あぁ……っ」


 くぱぁ、と二本の指がスコールの秘孔を広げる。
すぅすぅと風通しが中の肉に伝わって来て、スコールはいやいやと首を横に振った。
そんな少年に、男は腸液塗れの指で肉壁をゆっくりと撫で回しながら言った。


「とっておきの施術としましょう。言いましたよね、人間の体の中にもツボってのはあるんですよ。それを徹底的に刺激するとしましょう」


 ヒクつきながら吸い付く肉から、にゅぽっ、と指が抜ける。
その瞬間、スコールの尻がヒクンッと弾み、栓を失った秘孔からとろりと腸液が零れ落ちた。

 スコールの背中に乗っていた重みが消える。
しかし、スコールは全身の重い倦怠感で、逃げる事は愚か、指一本と動かす事も出来なかった。
熱に溺れた瞳を彷徨わせ、唾液塗れの舌を覗かせて、はひ、はひ、と施術台に伏せているスコール。
男はそんなスコールの後ろに跨ると、オイルやら何やらで汚れたズボンの前を寛げた。

 施術衣のボトムが下着ごと脱がされ、ぐり、と固いものがスコールの尻に宛がわれる。
土手を膨らませたアナルに、それがずりずりと擦り付けられて、スコールの尻がヒクッ、ヒクッ、と反応を示す。


「あっ…あぁ……っ♡」
「狭そうだが、この分なら行けそうだな」
「ふ、あ……っ」


 尻肉をわしりと掴まれ、中心を割るように広げられる。
指と舌で広げられ、色付いたアナルがヒクヒクと疼くように伸縮を繰り返していた。
其処に宛がわれたものが、ずぷぅんっ!と一気にスコールを貫く。


「んぉおおおっ♡」


 指とも舌とも比べ物にならない、太くて逞しいものが、スコールのアナルを限界まで拡げる。
それは一番柔らかくなっていた入り口を潜り抜けると、そのまま一息に奥へと突き進んだ。
ごつん、と行き当たりの壁に先端が当たり、「お゛っ♡」とスコールの喉から鈍い発音が漏れる。


「おっ……あっ……?」
「くぉお……!こいつは良い肉してるじゃないか……!」


 体を襲った突然の圧迫感に、目を白黒とさせているスコールの後ろで、男が感嘆を漏らしていた。
尻を掴んでいた手が、スコールのビクビクと戦慄く腰を捕まえて、中に入ったものがずぽずぽと前後運動を始める。


「おっ、お゛っ♡おふっ♡んぉおっ♡」
「柔らかいのに、きつきつに締め付けて来やがる。男の癖に、なんてまんこしてやがるんだ」
「ほっ、おっ、まんっ……おっ、おほぉっ♡」


 ずちゅっ、ずちゅっ、ずちゅっ!と激しい淫音を立てながら、スコールのアナルは深く強く、繰り返し突き上げられた。
奥壁を固いものがドンと押すように突いた瞬間、腹の奥に重い振動が響く。

 薄暗く、オイルと生々しさのある匂いが充満した部屋の中に、パン、パン、パン、と乾いた音が響く。
音が鳴る度、スコールの尻に固い頬骨が当たり、同じくして直腸の奥を突かれる。
これは、これはまさか、とようやくスコールは理解した。


「これっ、これぇ……っ!セ、セック、うぅんっ♡」
「マッサージですよ、マッサージ」
「そんっ、そんなっ、訳……これ、絶対、」
「ほっ!」
「おほぉっ♡」


 ごちゅんっ!と抉るように奥壁を突き上げられて、スコールの言葉は最後まで形にならなかった。


「こうやって、体の奥の、ツボをねっ!刺激してやるんですよ!」
「おっ、んぉっ、んぁっ!あっ、あっ、あぁっ!」


 男は掴んだスコールの腰を持ち上げ、自身の腰の動きに合わせ、密着させるように引き寄せる。
ずぷぷぷ、と男の侵入が更に深くなり、直腸がその欲望で一杯になる感覚に、スコールはぞおっと怖気を感じた。


「やだ、やっ、あぁっ!あぁんっ!こんな、犯罪、ひぃんっ♡」
「だから、マッサージ、だって!ね!」
「んぁあっ、あぁあっ♡中で、固いのっ、擦れてぇっ♡」


 男が腰を引けば、柔らかく蕩けた肉が硬い強直のカリ首で持ち上げるように擦られる。
スコールが刺激を嫌って無意識に尻を浮かせれば、まるで抜け行くペニスを追うような格好になった。
突き出されたその尻に向かって、男が強く腰を打ち込めば、容易く奥壁を突き上げる事になる。


「んほぉっ♡おっ、はぉっ♡」
「どうです?気持ちいでしょう?ちんぽでケツ穴まんこをマッサージされるのは!」
「ち、ちんっ、ひぃいっ♡いあっ、やぁっ、あっ、あぁっ♡」


 興奮し切った男の発した単語に、スコールはいよいよ現実を理解した。
やはりこれはセックスなのだ、レイプなのだ。
それも、あろう事か同性である筈の男に、尻穴を犯されていると言う、到底信じられない目に遭っている。

 顔から血の気が引いたスコールだったが、男に揺さぶられる体は、どこもかしこも熱い。
たっぷりとオイルを塗りたくられた体からは、珠のような汗があちこちから噴き出し、火照った肌を艶めかしく彩る。
指に舌に性器にと、背後の男に散々良いようにされたアナルは、擦り上げられる感覚を与えられる度に、ビクビクと戦慄いて支配者を締め付けた。
まるで悦ぶような反応を示す少年の躰に、男の興奮は益々昂り、スコールの胎内でペニスが益々固くなって行く。


「はあ、あんっ、ああっ、抜けっ!抜いてぇっ♡ああっ♡」
「そんなに嫌がったふりしても、判ってるんだぜ。ケツ穴ずぽずぽされてる時から、感じまくってたのはよぉ!」
「はんっ、そんなっ♡感じて、感じてなんか、あっひぃんっ♡」


 男の言葉に反論しようとしたスコールだったが、剛直がぐりゅっと弱点を突き上げた瞬間、甲高い悲鳴が上がった。
同時にアナルはきゅうんと切なげに締まり、中にあるものに吸い付くように肉壁を密着させる。


「おらっ、これでもか!これでも感じてないって!?」
「あひっ、あひっ、あっひぃんっ♡そこやめっ、だめっ♡ああっ、痺れるっ、おかしくなるぅっ♡」


 弱点と定められた場所───前立腺を、太いペニスの先端が、ゴツゴツとノックするように早いリズムで突き上げる。
指でそこを集中して苛められた官能の熱は、まだ其処に残っている。
新たな刺激を与えられると、その残り火はあっという間に燃え上がり、スコールの下腹部で濡れそぼっていたペニスがまた膨らんで行く。


「あっ、あっ、やぁっ♡来るっ、そこぉっ♡来るからぁっ!」
「何が来るって、え?ええ?!」
「やぁっ、やだ、あっ、あぁっ!」


 男が言わせんとしている事を、スコールは頭を振って拒絶した。
これ以上、恥の上塗りも何もないが、なけなしに残っているプライドがスコールの矜持を護らんとした。

 すると男はスコールの背中に伸し掛かるように覆い被さり、俯せの躰を羽交い絞めにして起き上がらせた。
かと思うと、スコールの肩を抱えていた手が位置を変え、太い指がぷくりと膨らんでいた乳首を摘まむ。


「ひぃいいんっ♡」
「言わないんなら此処で言わせてやっても良いんだぞ」
「ああっ、あっ♡あんっ、やぁあっ♡そこはぁあああっ♡」


 ぎゅうう、と引っ張られる左右の乳首。
マッサージと、それを逸脱した攻めをたっぷりと味わわされた其処は、晴れたように紅く色付いている。
乳首はすっかり固くなり、空気が触れているだけで熱を持つ程に敏感になっていた。
それを摘ままれ、カリカリと先端を爪で引っ掻かれて、スコールはぶんぶんと頭を振って悶え啼く。


「やめ、やめろ、やめてええっ♡そこは、乳首はもうっ、ああっ、あぁあんっ♡」
「ほれ、こっちもだ!」
「んほぉおんっ♡おっ、おあ、あっ、ああっ、あぁひぃいっ♡」


 ずぷんっ、と尻奥が太いものに打ち上げられる。
ビクンッ、と尻が跳ねて、咥えたものが締め付けられた。
続けて乳首をきゅううっと引っ張ると、アナルがヒクヒクヒクッと痙攣して、男にその振動が伝わる。


「乳首マッサージでまんこが喜んでるじゃないか。こんなに凝ってるんだからな、やっぱり此処をしっかり解してやらなくちゃ」


 此処に来た時にはまるでなかった膨らみを持った乳首。
引っ張って伸ばし、その根本を指先に引っ掛けながら擦られて、スコールの胸には甘い電流が迸る。


「ああ、ああぁ……!ちくびぃ……!あぁ……!」


 悩ましい声を上げて見を捩るスコールの乳首を、男の指が強く挟む。
乳頭の形が変わるほどに強く潰されていると言うのに、スコールを襲うのは官能だけだ。


「はぁああんっ♡」
「お次はこうだ。こんな事が効くんだろう?」
「あっあっ♡あっ♡だめ♡ピンピンッて、あっあっ、そんなっ、あぁっ♡あぁっ♡」


 潰された乳首が解放されたら、今度はしつこく爪弾かれる。
ピシッ、ピンッ、ピシンッ、と微弱な痛みを伴うそれが、痒みのような快感を呼び、スコールはくねくねと上肢を躍らせて悶えた。


「あはっ、あっ、いやぁっ……!」
「一番いいのは、そうだな。こうやって乳首を摘まみながら───」
「あうぅうっ♡」
「ケツまんこを、こうだっ!」
「んほぉおんっ♡」


 乳首の攻めに悶えている所へ、また肉壺を突き上げられる。
ビクンッと背中を竹のように撓らせるスコールを、男は乳首を摘まみながら、胸から抱き込むように抱えた。
そして施術台にスコールを押し倒し、背中を密着させて押し潰しながら、腰を激しく上下に動かす。


「おっ、おぉっ、おぉんっ♡深いっ、ふかひぃいっ♡いやああっ♡」
「ふっ、ふっ、ふっ!これが良いんだよっ、ケツまんこマッサージがなぁっ!」
「いや、いや、ああぁっ!尻っ、尻がぁっ!こわれるっ、ああっ!あひぃいっ♡乳首ぃいいっ♡つぶさないでぇええっ♡」


 ずぽずぽと激しく尻穴を耕され、入り口から奥まで、満遍なくペニスに犯される快感に、スコールは子供のように泣き喚くしかなった。
更に乳首をまた強く摘ままれ、痛みと快感でビクビクと全身が震える。


「はあ、はあ、ああっ、ああっ♡おね、おねが、もうっ♡ああっ♡もうっ、はなしてぇえっ♡」
「何言ってんだ、此処からだぞ。おらっ、此処がお前のメスのツボだ!」
「おほぉおおおっ♡」


 ずぷんっ!と一際強く突き入れられたペニスが、スコールの奥の奥にある壁を貫いた。
内臓まで到達したのではと思うような、鈍重な痺れを伴った官能が駆け抜ける。

 お、お、と音を漏らしながら、白目を剥いて、ビクビクと硬直させた全身を痙攣させているスコール。
アナルは隙間がないほどに男の強直にみっちりとしがみ付き、リズミカルに震えて、根本まで咥え込んだペニスをマッサージしていた。
良い感触だ、と男が呟いて腰を引けば、ずるぅ、と腸液で濡れそぼったペニスが現れ、


「ふんっ!」
「おふぅうんっ♡」


 ずぷんっ!ともう一度、同じ場所を突き上げられる。
男は大きなストロークで律動を再開させ、ずんっずんっずんっ!とスコールの秘奥のスイッチを叩き続ける。


「おっ♡お゛っ♡やめっ♡やめてえっ♡そこぉっ♡おほぉっ♡」


 何度目になるか、やめてと訴えるも、男の動きは全く止まらない。
緩まる所か、ごちゅごちゅとリズムを上げていく攻めに、スコールは成す術もなく喘いでいた。


「おんっ、おっあおっ♡来るっ、来るぅううっ♡来ちゃううぅっ♡」
「何が来るって?ほら、言えるだろっ!」
「はひぃいっ♡乳首はだめってぇええっ♡」


 ぎゅうっ、と乳首を引っ張られ、スコールは蕩けた舌を晒しながら懇願した。
しかし当然、乳首を摘まむ指は離れてくれず、奥壺を突き上げるペニスに壁をぐりぐりと強く押し潰されて、


「いっ、イくっ、イクぅっ♡イくの来るぅううっ♡」
「ケツまんこマッサージされてイくってぇ?ええ!?」
「ああっ、ああっ、いやぁああっ♡おっ、おれっ、ケツまんこ……っ!イくなんて、」
「まんこが嫌なら、こっちでイけよ!」
「ひあぁああんっ♡乳首ぃっ、つねらなっ、ああっ、カリカリだめぇっ♡カリカリひっかかないでぇっ♡ひっひっ、あーっ♡あーっ♡あーっ♡♡」


 男はスコールの乳首を爪先で小刻みに引っ掻きながら、逃げを打つスコールの尻に、腰を強く押し付ける。


「ちくび、ちくび、ちくびぃいっ♡尻がぁっ♡ずぽずぽされてイくっ、出るぅうっ♡あぁあああっ♡♡」


 乳首へと与えられる痛みのような痒い快感と、結腸の壁をゴツゴツと突き上げられて、スコールはのたうつように体を震わせながら絶頂した。
びゅるるううっ、と本日三度目の射精が、スコールの白い腹や太腿に飛び散る。

 絶頂するスコールのアナルが一際強く締まり、咥え込んだ剛直に肉壁が絡み付く。
艶めかしくうねりながら痙攣するその感触に、男も血流が集まって行くのを感じ、


「出すぞ、オラッ!特製エキスだ、受け止めろっ!」
「ひ、ひ♡ああぁああっ♡あつひのっ、ああっ、んぁああああんっ♡」


 男の逞しいペニスから、どぷぷぷぷっ!と大量の精液がスコールの腸内へと注ぎ込まれる。
熱さえ持っているような、粘っこく濃厚なそれを受け止めながら、スコールは続け様に絶頂していた。

 深い場所で、連続で上り詰めた体を、男は休む暇なく攻め立てる。
官能の頂点で全身の性感帯を花開かせたスコールの尻に、男の腰が激しく打ち付けられる。


「ああっ、ああっ、尻がっあぁっ♡ぐちょぐちょしてるよお♡ぬい、ぬいてぇっ、もう、もう終わってぇえ……!」
「メスまんこには特別に効くエキスだぞ。これをしっかり浸透させるまでが、マッサージだっ」
「ふあっ、はぁっ、ああんっ♡メス、メスじゃなひ、あひぃっ♡」
「乳首マッサージでイキ散らすようなまんこが、メス以外の何だってんだ!」


 ぎゅううっ、と乳首を抓られて、「あぁああんっ♡」と甘ったるい悲鳴が上がる。
摘ままれた乳首は、もう元の形が判らない程、首を長く伸ばし、卑猥な色付きをしていた。


「あああ、ああっ♡乳首だめぇっ、もうおかしいのぉっ♡ひっぱるだけでぇっ、しびれてぇっ♡ああっ、奥も、ずぽずぽしないでぇっ♡ちんぽ、ちんぽでケツ穴っ、かきまわひゃないれぇえっ♡」
「ケツ穴じゃねえ、メスまんこだ!おら、言えっ!」


 ずんっ!と奥を突き上げられ、スコールの躰が大きく跳ねる。
ツンと突き出た胸の蕾が主張され、男の指がまたそれを引っ張った。
開発されたばかりの弱点を悉く攻められ、快感に飲まれたスコールがそれに逆らう事など出来る筈もなく。


「め、メスあなっ♡メスあなっ、まんこぉっ♡ああっ、あぁあんっ♡」


 低俗で屈辱的な言葉を、自らの口で言わされる。
その瞬間、酷い羞恥心と悔しさと、ぞくぞくと震えるような熱がスコールの背中に迸る。
ペニスを咥えたアナル───今自らの口で“メス穴まんこ”と言ったその奥から、じゅわりとまるで女陰のような蜜が溢れ出す。


「はあ、はぁんっ、あぁあっ♡まんこが、まんこがぁっ♡ずぽずぽされてぇっ♡びくんびくんするよぉおおっ♡」
「よーしよし。素直になってきたじゃないか。マッサージが効いてきたな!」
「あっ、あっ、あぁんっ♡はひっ、すご、すごいぃっ♡まんこの奥ぅっ、あつくて、はえっ、ちんぽ、ちんぽでぐちょぐちょ、かきまわひゃれてぇえっ♡とろけるぅうっ♡」


 ペニスでアナルの奥を突き上げられる度に、スコールの口からは、とても彼が発するとは思えない、卑猥な言葉が溢れ出す。
理性もプライドも、快感に流され溶けた少年の変貌ぶりに、男の太腿にビキビキと興奮の血管が浮き上がった。


「おらっ、おらっ、どうだっ!メスまんこマッサージはっ!まんこ気持ち良いんだろうっ!?」


 スコールの乳首をまた摘まみ、ぎゅううっ、と捏ね潰す男。
きゅうきゅうと締め付ける雌穴に、すっかり固さを取り戻した肉剣が、ずぽずぽと激しく出入りする。


「おぉっ、おほっ、ほぉおっ♡い、イひっ♡きもひ、いひいぃっ♡メスまんこっ♡ちんぽでずぽずぽっ♡ずぽずぽまっさーじぃっ♡おまんこきもひいいよぉぉぉぉ♡」


 涙と汗と唾液に塗れ、ストイックさも冷静さも忘れ、自らの理想像を保とうとしていた事も忘れ、スコールは告白した。
アナルを犯され、乳首を攻められ、一匹の雌となって快感に溺れていることを認めた。
その瞬間、解放感がドーパミンと一緒に溢れ出して、全身が高揚と熱の沼に突き落とされる。


「はひ、はへ♡もっと、もっとぉ♡おまんこすぽずぽ♡まっさーじしてぇっ♡ちくびもこねこね♡ピンピンしてぇえっ♡ああっ、イく、イくぅぅっ♡メス穴まんこぉっ♡イきまひゅぅぅうううぅ♡♡♡」


 其処にいるのは、最早傭兵でも組織のトップでもない。
快感に溺れた一匹の雌が、背後の男に淫猥なおねだりをしながら、幸福に満ちた表情でイき果てたのだった。




 小さな窓の向こうには、このビルよりも高さのあるビルが並んでいるから、外の光など、昼でも夜でも大して入って来る事はない。
それでも、夜になれば、やはり昼よりも一層暗さが増していた。

 古い電球を、その装飾部だけを取り換えて使っている部屋であるから、元々の光量も知れている。
それが部屋に薄暗さを与えているのだが、リラックスを目的としているなら、煌々としなくても十分と言うのは確かだ。

 その部屋の中、使い古された電球の下で照らされる、艶めかしく濡れた躰があった。
マッサージの施術の為に着替えた服は、オイルだけでなく、白濁した塊のような液体に塗れ、どろどろに汚れている。
脱がされたボトムと紙パンツは、床の上に落ちていて、完全に存在を忘れられていた。

 施術台の上で俯せになり、尻だけを高く掲げた格好になっているのは、スコールだ。
電球に照らされるまろい尻には、彼自身とそれ以外の白濁液が何度となくぶちまけられ、慎ましく閉じていた筈のアナルは、甘い色になってヒクンッヒクンッと伸縮を繰り返していた。
閉じる事を忘れた孔口からは、濃い粘液が泡と糸を引きながら、こぷこぷと溢れ出している。

 日々の労働に対する慰労の為、仲間達の提案の中にあった、最近評判のマッサージを受けに行ってはどうか、と言う案に乗った彼。
それだけの筈だったのに、あられもない姿をしているのは、どういう訳か。
冷静になって思い返し、色々と引っ掛かる所を順に洗い流していけば、答えは簡単に見つかるだろう。
だが、今のスコールに、そんな力も思考回路も残ってはいなかった。

 施術台に伏せたままのスコールの傍らで、下半身を露出させたままの男が、携帯電話で話をしている。
このマッサージ店の店長であり、客への施術も行っている男────彼にスコールは犯されたのだ。
男は、スコールが店に来た時に見せていた、丁寧な態度とは打って変わって、下衆いた笑みを浮かべながら電話に向かって喋っている。


「ああ、今終わった。満足だったよ、お客も、俺もゝゝ


 その言葉に、すぐに返事が寄越される。


『だしょー?やっぱ俺の目って確かなんだって』


 軽薄さを隠さないその声は、スコールをこの店へと案内した青年のものだった。


「男を連れてきた時には、何を考えてるんだと思ったけどな」
『でもヨかったんでしょ?』
「ああ、女でもいない位の具合の良さだ。ちょいと頑固そうだとは思ったんだけどな、そんな奴ほど……って事さ」
『俺の見立てはピッタリだったね。なあ、まだいるんだろ?今から行って良い?気になってさあ、もう今からギンギンなんだよ。溜まってるしさあ』
「今度にしろ。あんまり長居させると、ちょっと厄介そうだからな。なんせバラムガーデンの……おっと」
『え?何何』
「なんでもない。とにかく、まあ満足させてやったからな。お気に召して貰えたし、また来るだろうから、その時お前も呼んでやるよ」
『絶対よ?予約があったら連絡してくれよ、休み取るんだからさ。あ、でもひょっとしたら俺の所にまた来るかも?道順覚えてねーと思うな』
「そうしたらまた連れて来い。休みは……あー、まあ店長には俺から言っといてやろう」
『そうしてくれると嬉しいね。あ、後で写真ちょうだい。オカズにするからさ』
「物好きだな、具合は良かったが男だぞ?」
『イイ顔してそうじゃん。大丈夫、ヌけるヌける。俺、守備範囲広いから』


 けらけらと笑う声に呆れつつ、後でな、とだけ言って、男は電話を切った。
最後まで「よろしく〜」と言う軽薄な声が続くのも、いつもの事だ。

 電話を置いて、男は壁際の棚を開けた。
其処に置いていたカメラを取り出すと、レンズを施術台に向け、其処であられもない姿を曝している少年を撮る。
凌辱されてすっかり雌壺の形になったアナルと、何度も絶頂してドロドロに汚れた性器、熟れた木の実のように色付いて膨らんだ乳首に、涙と汗と精液塗れになって蕩けた貌。

 しっかりと記録に残した後、男はスコールを仰向けにさせて、のツンと勃った乳首を摘まんだ。


「っあ……♡」


 ヒクッ、とスコールの躰が震える。
完全に快感と言うものに支配された少年の躰は、蠱惑的な色に火照り、見るものを誘うようにいやらしい匂いを振り撒いている。

 男は、摘まんだ乳首をコリコリと転がしながら言った。


「今日の施術は此処までです。マッサージは一回で終わるものではありませんのでね、継続的なお越しをお薦めしますよ」
「んっ、あっ、あっ……♡あぁ……っ♡」
「此処もまだまだ凝っているし、ここも────」


 乳首を転がしながら、男の逆の手がスコールの下肢へと延びる。
もう疲れ切ったのだろう、萎えてしまっているペニスの脇を指が滑り、会陰を辿る。
それだけでふるふると震えるスコールの躰を見下ろしながら、男は蜜を溢れさせているアナルに指を入れる。


「あうんっ♡」
「まだまだ解す必要がありますからね」
「はひ……♡はっ、あっ、あぁ……っ♡」


 くちゅっ、くちゅっ、くちゅっ、と音を立てながらアナルを掻き回せば、スコールは甘い声を上げた。
男の手形を残した腰が、くねくねと踊り、背中を仰け反らせて胸を差し出す。
もっとして、もっといじめて、と言わんばかりのポーズに、くつくつと男の喉が嗤う。


「そうですね、次は二週間後は如何ですか」
「あぁん……っ!は、はぁ……あっ、あふっ♡」
「此方で予約表に入れておきますので、是非どうぞ。ああ、学生さんでしたね、」
「あんぅぅ……♡ちくび、ああ、コリコリぃ……♡はっ、おまんこぉ……っ♡」
「土日の方が宜しければ、お気軽にお電話で言って頂ければ。ご都合の良い日があれば、今からでも仰って下さい」


 言いながら、男はスコールの躰を責める手を止めない。
男の言葉に対し、スコールは彼が何を言っているのかも知らず、ビク、ビク、と官能に感じ入るしか出来なかった。


「あっ、あ……♡はひ、ひぃ……♡」
「では一先ずは二週間後の今日と言う事で。……もしお忘れのようでしたら、此方からも連絡をしますのでね。是非、お越し下さい」
「んんぅっ♡ち、ちくびぃ……ひっぱっちゃ……あっ♡」


 乳首を摘ままれる快感に、スコールが身を竦ませていた時だった。
ぱっ、とその指が離れ、刺激から解放された胸に、甘い痺れと切なさが残る。


「本日は以上です。では、ゆっくりとお休みになって下さい。お帰りは、その後で構いませんのでね」


 にゅぷ、とアナルに挿入されていた指も抜ける。
ひくん、と膝を震わせたスコールに構わず、男は「ごゆっくり」と施術台に横たわるスコールに言って、来た時と同じ扉を使って部屋を後にした。

 一人残されたスコールは、熱の余韻と、中途半端に煽られた刺激の感覚を残す躰を捩り、甘い吐息を繰り返すのだった。





エロマッサージされるスコールが見たいなと思いまして。
年齢的にも性格的にも、多分スコールはマッサージの類はしたことないだろうなと。体育の授業とか、訓練の後の筋肉を休ませる程度のことは知っていても、人の手でやって貰う事はなさそう。
そんな訳で、経験がないので可笑しいかどうかも判断もつかず流されて、最終的に堕とされたスコールを書きたかったのです。たのしかった。
後にスコールがまたこの店に来てしまうのかは、ご想像にお任せします。