サイト更新には乗らない短いSS置き場

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2013年06月

通販申込みを受理致しました

  • 2013/06/25 02:22
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2013年6月20日~25日間にご注文を頂きました、通販の申し込みを受理しました。
受理完了のメールを送信しましたが、届いていらっしゃらない方がおられましたら、拍手かkryuto*hotmail.co.jp(*を@に変換して下さい)にてご連絡をお願いします。

携帯電話からメールを送られる方は、迷惑メール防止を設定されていると、此方からの返信メールが拒否されてしまう可能性があります。
kryuto*hotmail.co.jpを受信可能に設定するよう、お願いします。

また、Gmailを使用している方に、注文直後に送信される筈の注文確認のメール(自動返信)が送られない現象が起きているとご連絡を頂きました。
当方所有のGmailから確認した所、送信されている筈の自動返信メールがサーバーに届く事なく消滅しているようです。
今年の3月までは受信できていたので、セキュリティ強化か、恐らくGmail側から何かしらの変更があったのではないかと推測しています。
自動ではない、手動のメールは受信する事が出来ましたので、平時通りに受理完了メールを送っています。
ですが、6月20日~25日間に注文して頂いた方で、完了メールを受信できていないと言う方がいらっしゃいましたら、鍵付きで必要事項を記したページを掲載しますので、kryuto*hotmail.co.jpにて、「受理完了メールが届かない」と旨と、希望のパスワード(英数字、文字数制限なし)を書いて送って下さい。
不便を強いて真に申し訳ありませんでした。

 

[レオン&子スコ]ホッとみるく

  • 2013/06/13 22:57
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子スコと二人暮らしなサラリーマンレオンさんの一コマ。




休憩する暇が勿体ない────とは言え、人間は全くの不眠不休で活動できるようには創られていない。
消費した体力やエネルギーを再度確保する為には、食事等の栄養補給は必要であるし、集中力や情報処理能力の精度を維持する為には、睡眠は不可欠だ。

しかし、そうは言っても、やはり寝る間も惜しくなる事もある。

色々なミスが重なり重なって、予定よりも大分送れてレオンの下に到着した書類は、明後日の午前中には先方に届いていなければならない。
だと言うのに、書類の中身はまだ半分も出来上がっていない。
今晩中にせめて三分の二は書き上げておかなければ、先方への到着は更に遅れ、信用を失う事にもなり兼ねない。
今日が踏ん張り所なのだと、自分自身に言い聞かせ、レオンはパソコンと向き合い続けていた。

疲労の所為だろう、じんじんとした偏頭痛を感じながら、レオンは席を立つ時間も惜しいと、ひたすら液晶画面を睨み、キーボードを叩き続けていた。
常の倍以上の集中力で作業に没頭するレオンは、時刻がいつの間にか夜の十一時を越えていた事にすら気付かない。
きぃ、と寝室とリビングを隔てるドアが、小さな音を鳴らした事にも気付かなかった。
だから、とてとてと小さな足音を立てて、小さな子供が眠たげに目を擦りながら寝室から出てきた事にも、レオンは気付いていなかった。


「おにいちゃ……」


自分を呼ぶ声に、レオンはよくやくパソコン画面から目を放した。
振り返ってみると、小さな弟────スコールが、こしこしと小さな手で目元を擦りながら、テーブルの端からひょっこりと顔を出して、此方を見ている。

レオンはピントが合い難くなっていた目を擦り、小さく笑みを浮かべた。


「目が覚めたのか?スコール」
「うん……のどかわいたの」
「そうか。じゃあ、ミルクでも作って────」
「んーん」


椅子から腰を上げようとしたレオンに、スコールは小さく首を横に振った。
おや、とレオンが首を傾げていると、


「お兄ちゃん、忙しいもん。ぼく、自分でできるよ」


そう言ったスコールの目には、兄を気遣う色がありありと伺えた。

スコールはテーブルから離れると、小走りでキッチンへと向かう。
大丈夫だろうか、と小さな影を目で追っていると、スコールは足場用の小さな木イスを運び出して、よいしょ、と上る。
背の高い冷蔵庫の蓋をぱかりと開けると、スコールは小さな足場の上で背伸びをして、牛乳パックを取り出した。
牛乳パックを調理台に置くと、足場を食器棚の下へと運んで、もう一度よいしょと上り、食器棚の上に置いていたマグカップを手に取った。

調理台に立って、ゆっくりとマグカップに牛乳を傾けていくスコールに、レオンは大丈夫そうだな、と浮かせかけていた腰を椅子へと下ろす。
さて、と仕事の続きを再開させようと液晶画面に向き直ったレオンだったが、其処に映り混んだモニターは、ぼんやりとしていて明瞭としない。
目疲れか、とレオンは目頭を抑え、軽くマッサージして、血行の流れの改善を試みる。


(目薬を買っておけば良かったな。効率も落ちてるし、少し休憩を挟んだ方が良いか?しかし……)


眉間に深い皺を刻み、作業を続行するか、効率の回復を図る為に休憩を挟むか思案する。
ミスを起こさない為にも、一度休憩を挟むのが無難かとは思うのだが、今は三十分程度の空き時間さえも惜しい。
早く終わらせてしまえば、それだけ後に余裕が出来るのだから。

キッチンから、ピーッ、ピーッ、と言う電子レンジの音が聞こえた。
スコールが自分でホットミルクを作っているのだろう。
いつもなら、それもレオンが作ってやって、甘いミルクにふにゃりと頬を綻ばせる弟の姿に和んでいるのだが、今日はそんな余裕もない。
小さな弟が、自分で出来るよ、と気遣うように言ってくれた事は、幼い彼の成長を感じることもあって嬉しかったが、甘えん坊の彼が我慢しなくちゃと思う程、自分が忙殺されている事には辟易としてしまう。

ふう、と溜め息を一つ吐き出して、レオンはもう一度パソコンと向き合った。
休憩するのはもう少し後にして、今書いている部分だけでも片付けてしまおう。
カタカタとキーボードを叩く音が再開され、静かなリビングの中に響く。

没頭するように文章に集中しようとしていたレオンだったが、ことり、と小さな音と共に、テーブルの端に白いものが置かれた事に気付いて、顔をあげる。
すると、白いマグカップが置かれたテーブルの端から、ひょっこりと小さな弟が顔を出していて、


「これ、お兄ちゃんの分ね」


スコールはそう言った後、キッチンでピーッピーッと鳴る電子レンジの音に気付いて、ぱたぱたとそちらへ駆けて行った。

リビングに残されたレオンは、少しの間、呆然としたように、キッチンに入っていったスコールの背中を見つめていた。
その姿がキッチンの影に完全に見えなくなって、ようやくテーブル端に置かれているものに目を移す。
ちょこんと置かれたマグカップは、まだ六歳になったばかりのスコールが使うには、少々大きい。
つまり、このマグカップはレオンが普段使っているもので、スコールもレオンが使うものだと認識しているものだった。

ほこほこと暖かな湯気を上らせるマグカップを手に取る。
其処へ、両手に小さなマグカップを持ったスコールが、溢さないようにそろそろとした足取りで戻ってきた。
マグカップをテーブルに置くと、スコールは椅子に上ってちょこんと座り、落とさないように両手で持ったマグカップを傾ける。


「……んぅ」


一口ミルクを飲んだスコールは、困ったように眉毛をハの字にして首を傾げる。
変だなあ、と首を傾げるスコールに、レオンもまた首を傾げ、


「どうした?」
「んぅ……なんか違うの」
「違う?」
「これ。いつもと違うの」


これ、と言ってスコールが差し出して見せたのは、マグカップに入ったミルク。
レオンは少しの間考えた後で、スコールが言わんとしている事を察して苦笑した。

スコールがいつも飲んでいるホットミルクは、レオンが鍋を使って温め、蜂蜜を入れて、手作りしているものだった。
今日はスコールが自分で作ったので、火を使う鍋は使えず、電子レンジで牛乳を温めていた。
その所為で、いつも自分が飲んでいるホットミルクとは、舌触りや味が違って感じられたのだろう。

むぅ、と唇を尖らせてホットミルクを睨むスコールに、レオンは苦笑を漏らして、自分のミルクに口をつけた。
ほんのりと蜂蜜の味と甘い匂いが感じられ、その温かさと共に、疲労し切ったレオンの体にゆっくりと染み渡っていく。
その様子を、スコールが固唾を飲むように真剣な表情で見つめている。
レオンはそんな弟に小さく微笑んで、


「美味しいよ、スコール」


兄の言葉に、ぱああ、とスコールの表情が明るくなる。
まろい頬をほんのりと桜色にして、スコールはにこにこと嬉しそうにミルクを飲み、もう先程のようにいつもと違うミルクの味に首を傾げる事もしない。

レオンはもう一口、ミルクに口をつけた。
確かにいつも自分が作っているホットミルクとは、味も舌触りも僅かに違うが、レオンにはこのホットミルクがとても甘く美味しいものに思える。
スコールが自分の為に淹れてくれたものだと思うと、尚更。



急がなければと思っていた仕事の事は、ほんの少しの間、忘れてしまおう。

レオンは、くすぐったそうに笑いながらミルクを飲むスコールを見つめ、一時の癒しの時間に浸る事にした。





徹夜が続いて、甘いものと癒しが欲しかったので、子スコにお願いしてみました。
休息って大事。

[ティナスコ]貴方の夢を守りたい

  • 2013/06/08 23:36
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初めは、聞き間違いだと思った。
そんな言葉が彼の口から紡がれると、思ってもいなかったから。

それを聞いたのは、聖域に近付いていたイミテーションの大群と戦った翌日であった。
戦闘中、重傷を負ったも関わらず、前線で戦い続けていたスコールは、無理が祟って夜半に発熱し、運良くそれを発見したジタンによって、急いでセシルが呼ばれた。
ケアルとエスナで処置を施した後は、バッツが一晩つきっきりで看病する事となった。
朝になると、スコールの苦しげに喘いでいた呼吸は落ち付いたものの、発熱は如何ともならない状態が続き、彼の意識がようやく戻ったのは、その日の夜になってからだった。

────“あの言葉”をティナが聞いたのは、スコールが熱を出している、日中の事。
束の間驚いたティナであったが、その時、微かに開いた瞼の隙間から、酷く頼りない青灰色を見て以来、彼女はずっとあの言葉と色を忘れられずにいる。




じぃ、と見詰める藤色の瞳に、スコールは気付いていた。
それに対して眉根が寄るのは、スコールにとっては致し方のない事である。

目は口ほどに物を言う、と言うが、スコールはその目の物言いとやらを正確に測る事を苦手としている。
そもそも、人と目を合わせる事が好きではないから、物言いを読む為に、相手と目を合わせる、と言う事が、彼には相当なハードルの高さを誇っていた。
では此方から聞いてみてはどうか、となると、それも更にハードルが上がるだけ。
結局、スコールは、突き刺さるようにじぃと見詰める視線をどうする事も出来ず、眉間に深い皺を寄せて、静寂の中でまんじりともしない時間を過ごすしかない。


(……どうして、こうなってるんだ?)


現在、秩序の聖域には、スコールとティナ以外のメンバーがいない。
スコールはローテーションの待機番、ティナは昨日混沌の戦士と戦った事に因る疲労からの回復の為、聖域に構えられた屋敷に居残る事になった。

居残り自体に、スコールに不満はない。
聖域はコスモスの結界によって庇護されているが、秩序の戦士達にとって重要な拠点となるホームを無人にするのは、余りにも無防備すぎる。
昨日の疲労を引き摺るティナに、一人で留守を預けるのも不安だし、念の為にもう一人────魔法を得意とするティナとは逆となる、接近戦を主とする者が残るのも、無難な配置だと思う。
単独行動云々で問題視される事が多いスコールだが、戦術の重要性は理解しているから、今日の決定に文句を言う気はなかった。

だが、どうにも気まずい。
と言うか、突き刺さる視線が気になって仕方がない。


(言いたい事があるなら言えよ…)


屋敷の広いリビングダイニングルームの一角。
普段、食卓に使っているテーブルの端に座っているスコールと、其処から二席空けて座っているティナ。
ティナの前には、ジタンが出掛ける前に淹れて行った紅茶がある。
因みに、スコールの前には、ミネラルウォーターが入っていたグラス(今は空)。

モーグリの絵が描かれたティーポットは、ティナのお気に入りの食器だ。
さっきまでティナは、その絵を白い指先でなぞって遊んでいた。
その時は、スコールは特に何を気にする訳でもなく、書庫から持って来ていた本を読んでおり、沈黙は今と変わらないものの、気まずさや息苦しさと言うものは感じていなかったように思う。

スコールの視線は、手元の本を見詰めている────が、最早其処に記された文章を読んではいない。
そうするだけの集中力がないからだ。
スコールの意識は、完全に、傍らで自分を見詰める少女へと傾いている。

何か用か、とこっちから聞く所、なのだろうか。
しかし、以前同じような状況になった時、見詰める視線に「なんだ」と聞いたら、ティナは怯えたように首を横に振って「なんでもない」と言った。
明らかになんでもないようには見えなかったが、そう言われてしまえば、スコールがそれ以上言及出来る訳もなく、より一層気まずい雰囲気に襲われる事となった。

またあの時みたいな空気は御免だ、とスコールが溜息を零しかけた時、


「ねえ、スコール」


思いも因らない方向から声が聞こえて、スコールは一瞬、その声が誰のものか判じ兼ねた。
首を巡らせてみれば、当然、其処にはティナがいる。

まさか、彼女の方から自分に声をかけてくるとは、思っていなかった。
そんな驚きから、顔を上げたまま固まっていたスコールに、ティナは尋ねた。


「スコールって、お姉さんがいるの?」


────何処で訊いた。
そんなスコールの胸中を知ってか知らずか、ティナは続ける。


「この間ね、スコールに言われたの。何処に行ってたの、お姉ちゃんって」
「…………は?」


ティナの言葉に、スコールはぱちぱちと瞬きを繰り返す。
何の話だ、と言うスコールを見て、ティナは更に続けた。


「探してたのに、待ってたのにって。そう言ってたの」
「……知らない。そんな事は言った覚えがない」
「うん、そうだと思う。あの時、スコール、熱があったから」


熱────と言われて、数日前に確かに酷い高熱に魘されていた事を思い出す。
怪我に因る発熱で、まる一日意識が戻らない程の重症だった。
熱が下がるまでの間、セシルやバッツ、そしてティナが自分の看病をしてくれていたと、後でジタンから聞いた。

その時、何か言ったのだろうか。
しかしスコールは、高熱に魘されていた時の記憶が全くない。
一度として目を覚ましたような覚えもなく、ティナが自分の看病をしていた事さえ、ジタンから聞かされなければ知らなかっただろう。


(いや、今はそんな事より────)


何か言った、何を言ったと言う事への確かな情報については、後で考えるとして。


「スコールがちょっとだけ目を覚ました時、看病していたのが私で。スコール、私を見て、お姉ちゃんって言ったの」
「……知らない」
「それからね、小さな子供みたいに、ぽろぽろ泣き出して」
「……」
「怖い夢を見たみたいに、泣き止まなくって。バッツを呼んだ方が良いかなって思ってたら、私の手を握って、もう何処にも行かないでって言ってたの」
「……」
「それで、こうやってね、ぎゅってスコールの手をぎゅって握ってあげたら、」


ティナは席を立つと、スコールの隣の椅子に移動した。
途端に近くなった距離に、スコールが微かに椅子を引いたが、それ以上逃げる前に、ティナの白い手がスコールの手を捉まえる。

ぎゅ、と柔らかな力が、スコールの手を包んだ。


「スコール、凄く嬉しそうだった。でも、手を離そうとすると、また不安そうな顔をするの。だから私、スコールが眠るまで、ずっとスコールの手を握ってた」


ティナは、握り締めたスコールの手を見詰めながら言った。

彼女の手が、今自分の顔に向けられていなくて良かったと、スコールは思う。
自分がどういう顔をしているのかは判らなかったが、額やら頬やら首やらが酷く熱い。
掌も熱いような気がするので、もしもグローブを嵌めていなかったら、ティナの手にもその熱さが伝わっていたかも知れない。


(…なんだ、これ。なんの拷問だ?)


ティナに触れられているとか、こんなにも距離が近いとか、それもスコールには少々顔が引き攣りそうになるのだが、今は距離感云々よりも、彼女が滔々と語る話が何よりもスコールに甚大なダメージを被る。

ティナが嘘を吐けない性格である事は判っている。
そもそも、嘘でこんな事をスコールに言おうとするような人物ではないし、他人を揶揄って貶めようとするような性質の悪さも持ち合わせていない。
だが、それはつまり、彼女が今スコールに話して聞かせている事が、事実であったと裏付けるようなもので。

高熱を出したのも、それで仲間達に酷く迷惑をかけたのも事実だ。
しかし、熱を出したのはあれきりだし、無理をするなとジタンとバッツに散々言われたので、最近は単独行動も控えるようにしている。

─────だと言うのに、これは一体、何に対する罰なのか。


「ね、スコール」


きゅ、と柔らかく手を握られて、スコールの意識が現実へと浮上する。
はっと我に返ってみると、藤色の瞳が触れそうな程近くにあった。


「……っ!?」
「あのね、」


思わず息を飲んだスコールを、ティナはじっと見詰めている。
スコールの手を握る彼女の手は、振り払おうと思えば出来るような力しか入っていないのに、どうしてか、そうする事はタブーであるように思えてならない。

ティナは、藤色の瞳をそっと細め、微笑んだ。
それはまるで、不安に泣く小さな子供を安心させようとする、母親のような笑顔。


「また怖い事や不安な事があったら、いつでも言ってね。お姉ちゃんが守ってあげるから」


助けて貰うとか。
守られなければいけないとか。
そう言う事は、もっとそれが必要な誰かに言えば良いと、スコールは思う。

思うのに、その言葉は、何一つ音にはならない。



黙ったまま、何も言わないスコールに、ティナもそれ以上何も言わなかった。
ただ、握った手から伝わる温もりと、もう少しだけ離れたくないと思った。





6月8日でティナスコ!……の筈。
どうしてもティナママが好きです。そんなティナママに無意識に甘えるスコールがいい。

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