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2018年01月

[ウォルスコ]この温もりが何よりも

  • 2018/01/08 21:25
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[幸福の朝]と同じ設定の現パロウォルスコ。





予期せぬトラブル等が起こると、否応なく仕事は詰まってしまうものである。
そうした時に人手を借りる事が出来れば、幅広くカバーし合う事で早期解決も出来るのだが、良くない事は重なる運命とでも言うのか、中々そう上手くはいかない。
結果として全て解決に導ければ良しと言いたい所だが、これに手を取られた為に、本来の仕事が終わっていないと言う事案も起こる。
トラブルによって蓄積された疲労を労わる暇もないまま、元の仕事に取りかかるのは、存外と気力を使う。

元の仕事も片付け、週明けに手を付ける予定のものを仕分けして、ウォーリアの仕事は終わった。
いつもなら週明けの仕事も少し片付けて行くのだが、今日はそんな余裕もない。
パソコンを睨み続けて重くなった目頭を摘みつつ、ウォーリアは同僚達に挨拶をしてオフィスを出た。

人の少なくなった電車に揺られながら、携帯電話を確認する。
少しだけ期待した着信記録は其処にはなく、最新のものは昨日付けのものだけ。
メールはと言うと、夕方にウォーリアが自宅で待っているであろう恋人に対して送ったメールに対し、「分かった」と言う簡素な返信があったのみ。

ウォーリアの恋人であるスコールは、ウォーリアが住んでいるマンションの近くで一人暮らしをしている。
彼は週に一度はウォーリアの家を訪ねており、食生活に感心のないウォーリアの食事管理を担っていた。
土日を跨ぐ時には泊まる事も多く、そのまま休日を共に過ごす事もある。
しかし、スコールは17歳である為、定期試験などがある時には、学業に専念する為、ウォーリアの家にも来れなくなる。
今日は晴れて試験期間が開けた為、久しぶりにスコールが家に来て食事を作ってくれる事になっており、そのまま食事の席を共にする事も考えていた。
明日も平日なのでスコールが家に泊まる事はないだろうが、それでも約十日ぶりに彼の顔が見れるとあって、ウォーリアは今日の夜を楽しみにしていた。

しかし、自宅の最寄り駅に着いた時点で、時計は23時を指している。
ウォーリアとスコールがそれぞれ一人暮らしをしているマンションは、然して遠くもなく、スコールが日常的に通って来れる位置にある。
とは言え、流石にこの時間となれば、スコールも自宅に帰っているだろう。
高校生なのだから夜間の出歩きは控えるようにとウォーリアが釘を差している事、そうでなくとも父が心配性で過保護な事もあって、スコールは外で過ごしていても、22時には自宅に帰るようにしている。

久しぶりに彼が作った、温かい食事が食べられる筈だったのに、きっとそれも冷めてしまっている事だろう。
試験明けで決して疲れていない訳ではない彼が、折角作ってくれたと言うのに、勿体ない事をした。
仕事をしている以上、其処でトラブルが起きた以上、止むを得ない事であるとは思うが、それが余計にウォーリアの罪悪感を煽る。
傍目ばかりは聞き分けの良い態度を取りつつ、本当は人一倍寂しがり屋な恋人を知っているから、尚更。


(私に、何か詫びに出来る事でもあれば良いのだが)


北風の吹く街を歩きながら、落胆している少年の顔が浮かび、申し訳なさからそんな事を考える。
彼の為に出来る事なら、ウォーリアはどんな事があっても叶えたいと思うのだが、何をすれば彼が喜んでくれるのか、未だにウォーリアは判らない。
子供の頃は率直に訊ねてみたりもしたものだが、そう言う時スコールは、「ウォルお兄ちゃんとご本が読みたい」「一緒にお昼寝がしたい」と細やかな願いばかりを口にした。
それは嘘ではなく、彼の本心からの事だったから、ウォーリアもそれを叶えて来たつもりである。
しかし、成長するに従い、幼年の頃の素直さに変わって天邪鬼がよく顔を出すようになったスコールは、そうした願い事も口にしなくなった。
物欲に関しては昔から無いようなもので、時折シルバーアクセサリーを見ている事があるので恐らく好きなのだろうとは思うのだが、これが欲しい、とウォーリアに強請った事はない。
ウォーリアが自分で見繕って贈る、と言うのも良いのだろうが、スコールが贔屓にしているアクセサリーブランドは、そこそこ値が張るものらしい。
誕生日のような時ならともかく、夕食を一緒に食べられなかった詫びに───と言う理由で贈ったら、反って彼を困惑させてしまいそうだった。

難しいものだな、と考えている間に、ウォーリアの足はマンションの玄関ロビーに辿り着いていた。
エレベーターで自宅フロアまで昇っている内に、ふう、と溜息が漏れる。
それだけで一日の疲労がどっと襲ってきたような気がして、気を抜くとこのまま寝落ちてしまいそうだ。
ウォーリアがそれだけ疲労を自覚する事は珍しく、其処には恋人と過ごす時間がふいにされてしまった事への落胆も混じっていた。

自宅玄関の鍵を開けたウォーリアは、ふう、と二度目の溜息を吐きつつ、違和感に顔を上げる。
誰も人がいない筈のリビングから、明かりが零れていた。


(消し忘れて行ったのか)


几帳面なスコールにしては珍しい事だ、と思いつつ、ウォーリアは靴を脱ぐ。
スーツジャケットを脱ぎ、ネクタイを緩めながら、彼もきっと疲れていたのだろうと心中で労いながら、リビングへと入った。

リビング兼ダイニングには煌々と明かりが灯っており、食卓テーブルには一人分の食事が並んでいる。
温められるものと生サラダと皿も分けられており、全てきちんとラップで綴じられていた。
冷蔵庫に鍋に入ったスープもあると言うメモも置かれ、忘れずきちんと食べるようにと釘も差してある。
疲れて帰って来るであろうウォーリアに対し、眠りたい気持ちもあるだろうが、最低限何か口にしてからにしろと言う事だろう。
放って置けば簡単に食事を忘れてしまうウォーリアを知っているからこそ、スコールはこのメモを残したに違いない。

取り敢えず、食事の準備をしなくては、と手に持ったままだったスーツジャケットをテレビ前のソファに置こうとした時だった。


「……スコール?」


ソファの肘掛から食み出て見える、濃茶色の髪。
ウォーリアの家を訪れる人物で、その色を持つ人は一人しかいない。

呼びかけて見たが返事がなかったので、ウォーリアはソファを覗き込んだ。
其処には、肘掛を枕にし、すぅ、すぅ、と穏やかな寝息を立てている少年が横になっている。

稀有な光を宿す蒼灰色の瞳は、瞼の裏に隠れており、薄淡色の唇は無防備に緩んでいた。
人の気配の彼には珍しく、全く起きる様子はなく、深い眠りの中にる事が判る。
服装はジャケットだけを脱いだ制服のままで、ソファ前のテーブルにはノートや教科書、プリントが並べられており、課題をしている内に休憩に横になって眠ってしまったのだと言う事が感じられた。


「君は───待っていてくれたのか?」


返事がない事は判っていつつ、眠る少年に問う。
当然ながらスコールは答えなかったが、声は聞こえたのか、ふるり、と長い睫毛が揺れたのが見えた。

見詰めていると、ゆっくりと瞼が持ち上がり、茫洋とした瞳が揺れる。
リビングの明かりが眩しいのだろう、嫌がるように眉間に皺を寄せて相貌を細めるスコールに、ウォーリアはそっと手を伸ばす。
外気の冷たさが残る手で頬を撫でると、「ん……」と小さく声を漏らして、スコールの目がもう少し大きく開かれた。


「………うぉ、る……?」


確かめるように名を呼ぶスコールに、「ああ」とウォーリアは頷く。

スコールは猫のように目を細めながら、ウォーリアの手に頬を擦り寄せた。
冷たい手で嫌ではないだろうか、と思ったが、スコールの表情は柔らかく、


「おかえり……」
「ああ。ただいま」


今日は聞けないと思っていたスコールの言葉に、ウォーリアの唇も緩む。

スコールは起き上がる程に眠気が晴れている訳ではないようで、ベッドに横たわったまま、ウォーリアへと手を伸ばした。
ウォーリアが膝を折って顔を近付けると、まだ幼さの残る滑らかな手が頬に触れる。
誘われるようにウォーリアが顔も寄せれば、スコールも少しだけ頭を持ち上げて、ウォーリアに顔を寄せる。


「ん……あんた、冷たい……」
「外が寒かったからな」
「……んん……」


ウォーリアの言葉に、スコールは暖を分け与えるように、ウォーリアに頬擦りした。
これだけ抵抗なく密着してくれるのは、睡魔に捕まっている故だろう。
そんなスコールを余り悪戯に刺激しないように努めつつ、ウォーリアはそっと頭を撫でてやる。


「君は、帰らなかったのだな」
「……んぅ…」
「今日は遅くなると言っただろう。もう直に日付も変わる。家に帰っているとばかり思っていた」


ウォーリアの頬を撫でるスコールの手が滑り、銀色の髪に絡まる。
ぼんやりとした瞳がウォーリアを捉え、小さな唇がゆっくりと動き、


「あんたの顔…見てから…帰る……」


試験期間に入ってから、スコールはウォーリアの家を訪れていない。
逢う事を避けていた、と言う訳ではなかったが、勉強に集中する為にも恋人との逢瀬は後回しにしていたのは確かだ。
本当は一瞬でも良いから逢いたかった───とスコールは決して口にはしないが、試験明けの今日と言う日を密かな楽しみにしていたのも事実。
仕事の所為でウォーリアの帰りが遅くなると判っても、その気持ちは強かった。

帰りが遅くなる、と言っても、ウォーリアの事だから直に帰るだろう、と言う気持ちもあった。
だからそれまで課題でもして過ごしていよう、と待っていたのだが、試験と言う学生にとって一種のボスとも言えるイベントを終えた事で、スコールも気が緩んでいたのだろう。
集中を邪魔する睡魔に負け、少しだけ、と横になった所で、そのまま眠ってしまった。
束の間に目を覚ました今、自身が眠ってから既に数時間が経っている事にも気付かないまま。

スコールが、自分と逢いたいが為に待っていてくれたのだと知って、ウォーリアは胸の奥で熱が灯る。
ウォーリアがスコールと共に過ごす事を密かな楽しみにしていたように、スコールも逢瀬の時間を求めてくれていた。
それを聞いてウォーリアが唇を緩めている間に、彼の体からは力が抜け、


「ん……ぅ……」
「スコール?」


ウォーリアに抱き着いた格好で、寄り掛かるように体重を預け、スコールの瞼がまた閉じられる。
スコール、と名を呼んでみるが反応らしい反応はなく、すぅ、すぅ、と言う寝息がウォーリアの耳朶を擽った。

腕にかかる重みが愛おしい。
ウォーリアはその感触を記憶するように確かめながら、そっとスコールを抱き上げた。
横炊きにした体からは力が抜けており、その分体重もウォーリアの腕にかかってくるが、ウォーリアは難無くスコールの体を持ち上げる。
振動でスコールが目を覚ます様子もなく、とすん、とウォーリアの胸に頭を乗せたのみ。

ウォーリアはスコールを寝室へと運び、綺麗に整えられているベッドへと下ろしてやった。
明日も学校がある彼が体調を崩さないように、首元まで布団を被せてやる。

スコールを寝室に残し、ウォーリアはリビングダイニングへと戻り、忘れかけていた遅い夕食の準備を再開させる。
出来たてを食べる事は出来なかったが、わざわざ彼が作ってくれたのだから、有難く頂かなければ。
冷蔵庫の中に入っていたスープの鍋を取り出し、コンロに置いて火をつける。
香りの良いコンソメスープを温め、その間にメインのチキンソテーも電子レンジで温め、食事の用意を整えた。

食事を済ませ、風呂も終えた頃には、日付が変わっている時間になっていた。
するべき事がすっかり終わった気分で寝室に入れば、ベッドでスコールが丸くなって眠っている。
起こさないように気を付けながらそっとベッドに入ると、ベッドの傾きを感じたか、ころりとスコールが寝返りを打つ。
暖を求めるように身を寄せて来る少年の体を抱き寄せて、ウォーリアは目を閉じる。



おやすみ、と囁いて、返事の代わりに聞こえる心音が心地良い。

翌日、腕の中で目を覚ました恋人が困惑するとも露知らず、ウォーリアの意識は夢の中へと溶けて行った。





1月8日と言う事でウォルスコ!
遅くなって家に帰ったら、もういないとばかり思っていた恋人が待ってた、と言うのが好きです。

スコールは別に寝るつもりはなくて、こんなに遅くまで帰って来ないと思ってなかったし、ウォーリアが帰って来て顔を見たら帰ろうと思ってた。
でもちょっとだけ目を覚ましたら本人がいて、やっと顔見れたと思ったら安心してまた寝落ち。
目が覚めてから、(なんでこうなってるんだ…!?)って混乱したまま固まるんだと思います。

[8親子]ディア・マイ・ダディ 1

  • 2018/01/03 21:00
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サプライズをするのが好きな人だから、される事も好きなのだ。
レインは、夫であるラグナをそう分析している。


新年を迎え、家族揃っての初詣も済ませ、息子娘の手伝いを貰いながら作ったお節も、そろそろ品が尽きて来る。
正月前にたっぷり買い溜めした冷蔵庫の中身も、少々心許なくなって来て、買い物に行かなくちゃ、と呟いたら、真っ先に長男が「俺が行くよ」と言った。
その瞳が意図している所を感じ取りながら、じゃあお願いね、と言うと、長男は直ぐにコートを羽織って出掛けて行った。
それから十分と経たない内に、ラグナがレインに「映画でも見に行かないか?」と言った。
珍しい申し出もあるものだと思っていると、どうやら娘からクジ引きで当てたと言う映画のチケットを貰ったらしい。
ついでに「おうちでゴロゴロしてばっかりだとだらけちゃうのよ」と言われ、母と一緒に出掛けるようにと促されたそうだ。
娘がくれたと言うチケットを見せて貰うと、クジ引きで当てたにしては妙で、指定の映画館で新春特別上映されるもので、見れる映画も座る席も決まっており、子供達が見たがるようなタイトルは含まれていなかった。
ラグナは娘の見たいものがないから、勿体ないからと言う理由で譲られたと思っているようだったが、レインは、いやこれは───と、娘が意図している所を感じ取り、何も言わずにじゃあ行きましょうか、と腰を上げた。
母にいつも抱かれている5歳の末っ子はと言うと、甘えたがるかと思いきや、姉と手を繋いで「いってらっしゃい!」と良い子で見送り。
そんな末っ子の意図する所もまた読み取って、レインは久しぶりに夫と二人きりで外出する事になった。

映画館が併設されているショッピングモールは、新春の福袋やらセールやらで大賑わいだ。
レインとラグナは、福袋目当てに並んでいる長蛇の列を素通りし、映画館へと向かう。
特別上映の映画を観ようと集まった客は多かったが、娘に貰ったチケットのお陰で、チケット売り場に並ぶ必要もなかった。
上映時間までの暇をグッズ売り場で潰して、子供達の土産にシャーペンやキーホルダーを買う。
その傍ら、ラグナはショッピングモールで擦れ違う人々の影を思い出しては、


「皆で来ても良かったなあ」


と、呟いた。

ラグナは家族揃って過ごす時間を愛している。
妻と二人きりでデートをするのも、勿論嬉しかったが、そんな時でも子供達の事は忘れない。
あいつらに見せてやりたいなあ、きっと喜ぶだろうなあ、といつも言うのだ。
その度レインは、そうね、今度は皆で来れたら良いわね、と答えている。

買ったグッズを忘れないようにと鞄に仕舞い、ロビーで五分ほど待っていると、開場時間になった。
席は指定なので慌てる必要もないと、のんびりと中に入って、指定席を見付けて年甲斐もなく赤らんだ。
カップルシートなんて、よくもまあ取ってくれたものだ。
良い年をして、と少々赤くなる顔を自覚する隣で、夫もまたカチコチと固まっている。


「これは、はは……なんか、うん。不思議って言うか、面白いって言うか」
「もう、あの子達……」
「仕方ないよな、クジ引きだもんな」


娘の狙いには相変わらず気付いていない様子の夫に、鈍いわねえ、と思いつつ、レインは緩む口元を隠す。

映画は十年以上も前に作られたタイトルで、当時の世代から絶大的な指示を得ているものだった。
レインは映画に殆ど興味がなかったのでよく知らないが、多趣味だったラグナはよく見ていたようで、この映画も知っていた。
他の世代でも有名である為、レオンとエルオーネも大まかな内容は知っている。
少々過激なアクションシーンがあるので、アクションヒーローものでも怖くて泣いてしまうスコールは、まだ見られないか。
子供達が大きくなったら一緒に見たいなあ、とラグナは言った。

カップルシートに座った事を強く意識していたのは、初めの内だけだ。
上映がスタートし、物語が大きく動き出すに連れて、ラグナとレインの距離は埋められて行った。
家のリビングでテレビを見ている時のような、子供達がいない為に一緒に暮らし始めたばかりの頃のような距離感で映画に没頭した。
お喋りなラグナが小声で「此処からが凄いんだ」「ほら、あそこ。窓に映ってる奴が」「今のシーンは前にあいつが言ってた台詞で」と解説するのを、レインは黙って聞いている。
時々「俺、煩いかな」と唐突に心配するラグナに、レインは「まあまあね」と言った後で、「それで、今のシーンはどう言う意味になるの?」と訊ねると、直ぐ嬉しそうに話し始めた。

大人向けのラブロマンスとアクションを織り交ぜた映画が終わった後は、ショッピングモール内のカフェに入った。
夫と二人きりでカフェなんて、何年振りだろう。
デザートセットを前に、見てきたばかりの映画について語る夫を眺めつつ、レインはそんな事を考えていた。


「───それで最初の台詞に繋がるんだよ。父親の言葉が、ちゃんと息子に受け継がれているって判るシーンになるんだ」
「ふぅん。思春期の時には受け入れられなかった言葉が、年を重ねて、父親の気持ちも判るようになったって言う事なのね」
「そうそう。ああ、あんな父親になりたいなーって思ったよ。父親も渋くて良い奴だし。こう、言葉で語らず、背中で語るって凄いよな!でも俺には難しいな~」
「言葉ばっかりだもの、貴方は。でも良いじゃない。レオンもエルも、スコールも、貴方のお喋りな所が好きだから。急に黙ってる事が増えたりしたら、病気にでもなったんじゃないかって心配されるわよ、きっと」


ラグナのお喋り好きは、生来からのものだ。
彼がいるから、一家はいつも賑やかで笑い声が絶えない。
時にレオンが呆れたり、エルオーネが怒ってイタズラしたり、スコールがテンションについて行けずに泣いたりする事もあるが、皆父の明るい性格を愛している。
確かに、不言の背中は男として憧れるのかも知れないが、お喋りな背中であっても良いだろう。
それだからこそ、子供達は父を好いているのだから。

デザートセットのプリンはとろりとした甘さで、コーヒーとよく合った。
デザートのラインナップは、プリンやヨーグルトの他にケーキもあり、基本のショートケーキやチョコレートケーキの他にも、フルーツタルト等種類が豊富で、コーヒー類も多様。
子供の用のチェアもあったので、今度は皆で来るもの良いかも知れない。


「エルはケーキ好きだよなあ。スコールも」
「そうね」
「此処に来たら喜ぶだろうな。レオンは最近、あんまり甘いもの食べないよな?」
「昔よりはね。でも、食べてない訳でもないわよ」
「ケーキを買う時、レオンは何が良いかなあっていつも迷うんだよ」
「見た目が可愛いものとかは、エルやスコールに譲っちゃうしね」
「うんうん。良いお兄ちゃんしてるよな~。でも、もうちょっと甘えてくれても良いのにな」
「あら、意外と甘えて来る事も多いのよ。私には、だけどね」
「えっ、そうなのか。ずるいぞ、レイン。エルもスコールもレインが一番だし、俺寂しいよ」


よよよ、と泣いて見せるラグナ。
レインはそれに対し、そう言う所の所為じゃないかしら、と揶揄った。


「───それは冗談だけど。仕方がないわよ、もう13歳だもの。思春期よ」
「うっ。そうかあ…そうだよなあ……俺、レオンに嫌われたりしないかな」
「大丈夫、大丈夫。きちんと節度を持って接すれば───多分。ね」


不安そうな夫に断言出来ないのは、レインとて同様の不安や戸惑いもあるからだ。
何せレオンは二人が初めて授かった子で、何をするにも、彼から始まる所がある。
それはレオンの成長に欠かせない事であると同時に、両親にとっても一つの試練であった。

ニュースで報道される事件や、ドラマで度々描かれる家族間の衝突に、ラグナは非常に敏感だ。
特に最近は、中学生になって良くも悪くも繊細な時期になる長男と照らし合わせる事が多いようで、見えない不安が尽きない。
しかし、焦り不安になるばかりでは、どうにもならない事も事実。


「ちゃんと向き合って、ちゃんと話し合えば、きっと大丈夫よ。レオンも貴方の事が好きだから」
「そうかなあ。そうだと良いな。うん、そうなるように頑張ろう」
「そうそう。それに、レオンの後にはエルがいて、それからスコールもいるのよ?しっかり心構えしていかなくちゃ」
「心構えか。よし、頑張ろう。………でも嫌われる心構えなんて出来ねえよ~」
「何も嫌われる前提で考えなくても良いんじゃない?」


子供達の事になると、妙にセンチネルになる夫に、レインは眉尻を下げながら言った。


「大丈夫よ。ケンカになる事だってあったりもするかも知れないけど……あの子達が貴方を嫌いになる事なんて、きっとないから」
「……そっか?」


確かめるように問うラグナに、レインはしっかりと頷いた。
そうでなければ、今日と言う日は────とは口にせずに。

ラグナが少し安心した表情を浮かべた所で、二人はカフェを後にした。
ショッピングモール内は、新年で子供を連れて里帰りしている家族の姿も増え、一層賑わっている。
折角なので少し二人でぶらついて、子供達の土産にイベントフロアで売られていた菓子を買った。
クリスマスにも何か買っていたような、とレインは思ったが、気にするまい。
きっと今頃、頑張っているであろう子供達へ、労いにでもなれば良い。

午後をたっぷりとショッピングモールで過ごし、そろそろ夕飯の準備の時間が気になる所で、二人は帰る事にした。


「途中でどっか寄って帰るか?」
「そうね……」


レインは携帯電話を取り出して、時間を確認しつつ、メールを開く。
其処には、息子から一通のメールが届いており、それを流し見ながら、


「少しスーパーに寄ってくれる?」
「晩飯か?レオンが買いに行ったんじゃなかったっけ」
「そうなんだけど、買い忘れてたものがあったみたい」
「珍しいな。いつものスーパーの当たり、ちょっと混みそうだけど、大丈夫か?」
「ええ。ゆっくりで良いわ」


寧ろ、ゆっくりでお願い、とレインはこっそりと思う。
その方が、子供達も焦らずに準備を済ませる事が出来るだろう。



ドアを開けた時、子供達はどんな顔で迎えてくれるだろう。
その時、ラグナはどんな顔をするだろう。

楽しみだなあ、と思いつつ、レインは鈍感な夫に隠れてくすりと笑った。




≫2

ラグナ誕生日おめでとう!
妻とのデートの傍ら、子供達が何をしていたのかは、続きにて。

[8親子]ディア・マイ・ダディ 2

  • 2018/01/03 21:00
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母が買い物が必要だと言ったので、自分からそれを引き受けた。
それは平時からよく見られる光景ではあるのだが、頼まれるより先に挙手をした事には、理由がある。

行き付けのスーパーは、正月三が日の内、二日目まで休みだった。
今日が開いてて良かった、と思いつつ、レオンは頼まれた商品を一通り買い物籠に入れ、最後に自分の目的のものを手に取った。
母には後で代金を渡すとして、取り敢えずはまとめてレジを通し、帰路を急ぐ。

マンションまで戻ると、レオンはぽかりと空いた駐車場を見て、両親が予定通りに出掛けた事を知る。
駆け足で階段を上り、幼い妹弟が留守番をしているであろう家の玄関を開けると、


「レオン、お帰り!」
「おにいちゃん!」


玄関で待っていたのかと言うタイミングで、エルオーネとスコールの声が重なった。
どん、と抱き着いて来た弟を受け止めつつ、「ただいま」とレオンも応える。

ドアに鍵を掛け、冷える玄関先からいそいそと逃げて、レオンは買い物袋をキッチン台に置いた。
先ずは母に頼まれたものを冷蔵庫に入れる作業を済ませる事にする。
その間に、エルオーネが学校の家庭科の課題で作ったエプロンを取り出して身に着けた後、今日の為にとレオンが購入して置いたスコール用の子供用エプロンも取り出す。
自分ではまだ上手く出来ないであろうスコールに、エルオーネがエプロンを着せてやった。

隙間が増えていた冷蔵庫がまた埋めた後、レオンも自分のエプロンを取り出す。


「よし。準備は良いか?」
「うん!」
「はい!」


兄の確認に、両手を握って気合を入れる妹と、手を上げて張り切る弟。
そんな二人を見て、レオンもよし、と頷いた。


「先ずは材料の確認だな。これがスポンジ。ケーキの土台だ」
「どだいって何?」


レオンが買って来たばかりのスポンジケーキを見せると、スコールがきょとんと首を傾げる。


「ケーキの中にあるものだよ」
「ケーキの中……?」
「いつも食べてるケーキ、中に黄色いのがあるでしょ。ふわふわしてる所。あれがコレなんだよ」


知らない事ばかりの弟に、エルオーネが説明した。
スコールは、ふえー、と不思議なものを見る顔で、スポンジ生地を見詰める。

レオンはスポンジの入った袋をキッチン台に置いて、ホイップクリームの箱を開けた。
中には既にデコレーション用に固められたホイップが絞り袋に詰めて納められている。


「これが生クリーム」
「生クリーム!あまいの!」
「これでスポンジをケーキにして行くんだぞ」
「やりたい、やりたい!」
「まだだよ、スコール。材料の確認が先なの」


ちゃんと全部確認しなくちゃと言う姉に、スコールは待ち遠しそうな顔で兄を見る。
レオンはくしゃくしゃとスコールの頭を撫でて、ホイップクリームは箱に戻して冷蔵庫へ入れる。
なんでしまっちゃうの、と言うスコールに、冷やして置いた方が良いんだよと答えた。

それから野菜室に入れていたイチゴのパックと、蜜柑の缶詰を取り出す。


「イチゴと蜜柑。ケーキの中に挟むのと、上に乗せるのに使うぞ」
「いちご、いちご!」
「えーっと、最初は……イチゴを洗う?」
「ああ。それから、蜜柑の水切りか。エル、蜜柑は頼んで良いか?」
「うん」
「ぼくは?ぼくは?」
「スコールは一緒にイチゴを洗おう」


キッチン上の棚からボウルを三個取り出しながら、レオンは言った。

エルオーネが蜜柑の缶詰とボウルを二つ受け取り、缶詰の蓋を開ける。
プルタブ付きの缶詰なので、エルオーネでも簡単に開けられた。
指を切らないように注意しつつ、エルオーネは蜜柑をボウルの一つに移して、箸を使って蜜柑とシロップを分ける作業を始める。

その隣で、レオンは水を張ったボウルにイチゴを入れて、食卓テーブルへと移動した。
キッチン台は四歳のスコールにはまだ高いので、食卓テーブルの方に踏み台を使って作業するのだ。


「いちご……」
「食べちゃダメだよ、スコール」
「んぅ」


ちゃぷちゃぷと水の中でイチゴを泳がせながら、じっと見詰めるくりくりとした瞳に、エルオーネがすかさず注意した。
スコールはむぅと唇を尖らせつつ、つまみ食いは良くない事と思ってもいるので、我慢してイチゴを洗い続けた。


「水つめたいー」
「指先、痛いか?無理しなくても良いぞ」
「んーん、へいき」
「そうか?じゃあ……水から上げて。こっちのザルに移して」


水受け用の深皿の上にザルを乗せて、レオンが促すと、スコールは小さな手でイチゴを落とさないように掬い拾いながら、ザルへと移していく。

スコールがイチゴのヘタを取る傍ら、レオンはキッチンへと移動して、エルオーネと場所を交代して貰った。
キッチン台にまな板と包丁を並べ、スコールがヘタを取ったイチゴを運び入れ、数個を薄くスライスする。
残りはヘタのあった所だけを少し切り落として、空のボウルに移しておいた。

蜜柑を実とシロップで分け終えたエルオーネが、二つのボウルを持ってキッチンへ戻って来る。


「レオン、これ、どうしよう。シロップって使わないよね?」
「そうだな……うーん……カップか何かに移して、冷蔵庫に入れておこう。後で母さんに相談してみる」
「はーい」


勿体ない精神も相俟って、捨てる気にはなれないのは、エルオーネも同じだった。
母は昔から菓子を作るのが得意で、シロップを使った菓子やジュースも作ってくれた。
子供達だけでは使い道のないものでも、何かに活用してくれるかも知れない。
美味しい物に化けてくれる事を祈りつつ、エルオーネはシロップを陶器のカップに移して、ラップで閉じた。

イチゴのヘタを取ってから、出来る事がなくて眺めているだけだったスコールが、うずうずとした様子でレオンのエプロンの端を握る。
見上げる瞳が「ぼくは何をしたらいいの?」と期待を込めているのを見付け、レオンはくすくすと笑って、


「これで飾りに使うものは準備できたし。ケーキの飾りつけを始めるか」
「かざり!ぼくやりたい!」
「リビングでやろう、レオン。まな板、向こうに持って行っていい?」
「ああ」


スコールも作業が出来るように、リビングの食卓テーブルを使おうと言うエルオーネ。
テーブルを汚さないようにまな板を持って行くエルオーネと、それを追って行くスコールを見送りつつ、レオンはキッチンの引き出しを開ける。


(ええと、確か……これを使っていたような)


レオンが取り出したのは、レインが使っているパレットナイフだ。
普段の料理で使う所は殆ど見ないが、子供達の為にケーキを作っている時に使っているので、恐らくこれで良い筈。
始めて使う道具なので自信はないが、多分、なんとかなるだろう、と自分に言い聞かせる。

冷蔵庫で冷やしていたホイップクリームの絞り袋を取り出し、リビングへ。
そわそわとしているスコールと、そんなスコールに落ち着いて待つように言いつつも此方も楽しみなのであるエルオーネの様子に、レオンの口元に笑みが浮かぶ。

スポンジ生地の袋には、「ケーキのデコーレションの仕方」とイラストつきの解説が書かれている。
レオンはそれを参考にし、先ず一番下になる一枚目にクリームを絞り出し、パレットナイフでクリームを塗り拡げた。


「これで、此処にイチゴを挟んで」
「ぼくやりたい!」
「じゃあ、スコール。頼んだぞ」
「うん!ねえ、ミカンも使って良い?」
「ああ」


レオンはまな板ごとスポンジ生地をスコールの前に移動させる。
スコールは兄がスライスしたイチゴを、端から順に均等に並べて行く。
丸いケーキに対し、縦横綺麗に並べられるイチゴと蜜柑の列を見ながら、中央から並べると良いんだったかな…とレオンは思うが、黙っていた。
スコールは楽しそうだし、その横で上下の隙間に小さなイチゴを並べて行く妹も楽しそうにしているので、一々止めるような事でもないだろう。

イチゴを並べ終わると、その上に生クリームを絞り出して、またパレットナイフで塗り拡げる。
二段目を乗せ、同じ作業を繰り返しつつ、蓋をするように三段目を乗せた。
平らな表面に生クリームを塗り終えた所で、側面を塗ろうとするレオンであったが、


「おにいちゃん、ここ生クリームない」
「ん、何処だ?」
「ここ」
「これ、生クリーム足りるかな?」
「どうだろう。結構難しいな……」


上手く埋まらない隙間を塗り足ししていく内に、絞り袋の中身が減って行く。
あまり使ってしまうと、上部のデコレーションに使うクリームが足りなくなってしまう。

デコボコとしている側面の不格好さに眉根を寄せていたレオンであったが、仕方ない、と割り切る事にした。
母ならきっと綺麗に埋められるのに、と思いつつ、彼女は父と一緒に出掛けているのだから頼る訳にも行かない。
第一、子供だけで頑張ろうと決めたのは、他でもない自分たち自身なのだから。


「上の方は、えーと……生クリームが先かな?」
「あっ。あのね、レオン。私、デコレーションの絵、描いてたんだ。持って来るね」


何処から手を付けようかと首を捻るレオンに、エルオーネが思い出したと言ってテーブルを離れた。
寝室へ駆け込んだ彼女は、しばらくすると戻って来て、一枚の紙をテーブルに置く。
其処には、ケーキのデコレーションデザインが描かれていた。

相当大きなケーキを想定していたのか、描いている内に楽しくなったのか、デコレーションは隙間なく細かく描かれている。
流石にこれ全てを再現するのは難しい───と言うのはエルオーネも判っているようだ。


「えっとね、真ん中がチョコのハッピーバースデーの奴で。イチゴとミカンで、ぐるっと円にして囲んで」
「ふむふむ」
「外側がツンツンってしてる、生クリームので。出来るかな?」
「やってみよう。真ん中は……目印つけても大丈夫かな」


レオンは凡その中心を、パレットナイフの先端で軽く撫でた。
薄らと筋が入っている其処を中心に、三人でイチゴと蜜柑を交互に並べて円を作る。


「ケーキっぽくなってきた!」
「イチゴ足りる?」
「なんとか……よし。次は縁を生クリームで」
「あっ、レオン。私もそれ絞るのやりたい!」
「ぼくも、ぼくも!」


ねだる妹弟に、そう言えば自分が絞ってばかりだなとレオンも思い出す。

じゃあ軽く手本だけ、と縁を一ヵ所デコレーションすると、エルオーネもスコールもじっとそれを見詰めて観察する。
失敗したら格好がつかないな、と思いつつ、なんとか崩れない程度には均一なツノを作る事に成功した。


「じゃあ、まずエルオーネだな」
「はーい。ん……しょ。こうかな」
「おねえちゃん、上手ー」
「んふふ」


弟に拍手ですごいすごいと言われ、エルオーネはほんのりと頬を赤くした。
頑張らなきゃ、と気合を入れ直して、エルオーネは縁の半分までデコレーションを進めて行った。
レオン程均一なツノではないものの、それも味と言うものだ。

絞り袋がスコールへとバトンタッチされる。
握り方も覚束無いスコールに、レオンは自分の手を重ねて、掴む所と使い方を教えてやった。


「このまま右手でちょっとずつ押して」
「ん、ん」
「もうちょっと強くて良いぞ」
「んん……んひゃっ」


おっかなびっくりと言う様子で絞り袋を押していたスコールだったが、兄に促されて入れた力が、思いの外強かった。
びゅっ、と出てきた生クリームぼ塊に、ひっくり返った声を上げる。
兄と姉が綺麗に作ったツノの横で、ぽっこりと膨らんだツノに、あうあうと泣きそうな顔をしているスコールに、レオンはくすくすと笑って宥める。


「大丈夫だ、スコール。こうやってゆっくり離せば、……ほら」


隣のクリームとは二回りほど大きな小山に、ツンとツノが立つ。

二度、三度とスコールはより慎重になって、クリームを絞り出して行く。
スコールがその作業に集中しているのを見て、レオンはそっと添えていた手を離した。
スコールは自分の作業に一所懸命で、兄に手が離れた事には気付いていないらしく、そのまま四分の一まで埋めて行く。

生クリームもなんとか足りてくれて、最後はレオンが絞り、縁のデコレーションは終わった。
均一なツノ、少し歪なツノ、バラつきのあるツノと、誰が何処で作業を請け負ったのかがよく判る。
皆で作った、と言う事が判る証のようで、レオンはそれが嬉しかった。

最後に買っておいたチョコレートのメッセージプレートを乗せて、完成。


「出来た」
「できたー!」
「たー!」


ふう、と安堵も混じる息を吐いて言ったレオンに、エルオーネとスコールが万歳で続く。
喜ぶ二人がハイタッチして、兄にも手を向ける。
少し気恥ずかしさを感じつつ、レオンも二人の手にそれぞれ自分の手を重ね合わせた。


「えへへ~。お父さん、喜んでくれるかな?」
「絶対喜ぶよ!ね、レオン」
「ああ。いや、それよりびっくりするかも知れないな」
「びっくり!びっくりしてほしい!」


スコールは興奮した様子で、レオンのエプロンに抱き着き、きらきらと瞳を輝かせる。
今から父の驚いた顔を想像しているのだろう、幼子の顔は興奮と期待に満ちていた。

レオンは弟の頭を撫でて、エルオーネとスコールに片付けを促した。
ケーキは買っておいた箱に移して───デコレーションで重くなっており、包丁で持ち上げ動かすのが大変だったが、なんとか出来た───、冷蔵庫に納めて置く。
後は両親の帰りを待つのみ、と母の携帯電話に「色々終わった。今片付けしてる」と言うメールを送る。
直ぐに「分かりました」と言う簡素な返事が届き、レオンは携帯電話をズボンのポケットに締まって、洗い物をしている妹弟へと合流した。



洗い物も終わり、エプロンも全て洗濯機に入れて、一段落していた頃。
母からのメールで、今から上に上がります、とマンションの駐車場からと思しきメールが到着した。

玄関のドアが開くのを今か今かと待つ子供達の手には、クラッカーが握られていた。





ラグナ誕生日おめでとうで子供達の様子。
うちの地域は年始に開いているケーキ屋があまりないので、子供達に頑張って貰いました。

まずクラッカーとお誕生日おめでとうに。
それから映画のチケットが兄妹がお金を出しあって買ったと聞いて。
最後にケーキを皆で作ったと聞いて。
ついでに、察していたけど子供達の気持ちを汲んで黙っていた妻に。
びっくりの連続+子供達の成長に泣きながらケーキを食べるラグナでした。

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