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2012年10月

[レオン&子スコ]アンフリー・フォトグラフィ 2

  • 2012/10/30 01:04
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「失礼します」


挨拶をしながら、撮影スタジオのドアを開ける。
其処は30坪程の広さで、カーテンやパーテーション等で空間を仕切りつつ、小さいながらも様々なセットが用意されていた。
撮影用のセットの周りには大人達がいて、傍のテーブルに並べた服を見ながらああでもないこうでもないと話し合っている。

此処がレオンの仕事場である、ファッション雑誌の撮影スタジオだ。
一般人の小さな子供には中々縁がないであろう空間に、スコールが緊張したようにレオンの腰に抱き着いた。
見たこともない大きな機械───撮影機材だ───が並び、知らない大人が沢山いて、彼らが皆一様に真剣な顔つきで話し合っているのを見て、空間の緊張感が伝染してしまったようだ。

レオンはスコールの手を引いて、話し合いをしている大人達の元に合流した。
ついて来る弟の足が、少し重そうに感じられるのは、気の所為ではあるまい。


「おはようございます。遅くなってすみません」
「ああ、おはよう。大丈夫、いつも通り、ちょっと早いくらいだよ」


挨拶をしたレオンに、黒縁眼鏡の男性がにこやかな笑みを浮かべて言った。
続いて、他の大人達もレオンに「おはよう」と挨拶をする。

その声を聞きながら、スコールは変だなあ、と思った。
今は朝じゃないし、夕方だし、寝て起きたばかりでもないのに「おはよう」なんて。
「こんにちは」じゃないのかな、と思って兄と大人達の様子を見詰めていると、一人の女性とスコールの目が合った。


「あら。その子ね、電話で言ってた子って」
「ホントだ。やだ、かわいい~!」
「!」


集まってくる女性達に、スコールはびくっと身を固くした。
ぎゅうっと力一杯兄にしがみついて、顔を隠す。


「あら」
「スコール」
「…ふぇ……」


兄が咎めるように名を呼んだけれど、スコールは挨拶どころではなかった。
じわじわと目の周りが熱くなってきて、喉が引き攣って、怖くて怖くて仕方がない。
ぶんぶんと頭を振って、怖い気持ちを訴えるように兄の制服に皺を作って抱き着く。


「…すみません。人見知りが激しくて」
「そうなの。何歳?」
「7歳です」
「二年生?」
「いえ、一年生です」
「いや~ん、かわいい~。抱っこしたいなぁ」
「おいでー、怖くないよー」


女性スタッフは膝を折って、にこにこと柔らかい笑顔でスコールに声をかけるが、スコールはレオンにしがみついたまま離れようとしない。

無心に弟に頼られるのは、兄として嬉しいことだ。
けれど、このままでは仕事にならない。


「スコール、大丈夫だ。怖い人は此処にはいないから、そんなに構えなくて良い」
「………」
「ほら、ちゃんと顔を見てごらん。怖い人、いるか?」


レオンに促されて、スコールは恐る恐る、周りを見回した。
自分達を囲む大人は、皆優しい笑顔を浮かべていて、兄の言う通り、怖い人じゃないんだと判った────が、


「おーい、早く始めようぜ。後が詰まってるんだから!」


撮影セットの前でカメラの調整をしていた男が振り返る。
男は無精髭に磁石式のサングラスをしていて、ミリタリー系のジャケットを着ている。
声は煙草の所為であろう、しわがれた声は余り通りが良いとは言えない為、広いスタジオでは必然的に大きな声を出さなければならない。
ついでにその口調は、お世辞にも品が良いとは言えず。

落ち付きかけていたスコールの目に、大粒の雫が浮かび上がる。
おーい、と男がもう一度声を出し、その声が殊の外スタジオ内に響いたのが決定打になった。


「うえぇぇええぇええん!」
「おい、スコール。大丈夫だ、大丈夫だから。な?」
「ひっ、ふぇ、えっ、おにーちゃ、おにいちゃあぁあん!」
「お兄さんの言う通りよ~、あのおじさん怖いのは見た目だけだから!」
「ほらほら、飴あげる!おいしいよ~」


泣き出したスコールをレオンが抱き上げ、ぽんぽんと背中を叩いてやる。
女性スタッフ達も、テーブルに置いていた飴やジュースを差し出して、小さな子供を慰めようと必死だ。
最早、仕事を始める所の話ではない。

期せずしてスコールを泣かせてしまった原因となってしまったカメラマンは、これにより暫く女性スタッフ総勢から睨まれる羽目となり、後日トレードマークだった髭を剃ってサングラスも外す事となった。



アンフリー・フォトグラフィ 3

[レオン&子スコ]アンフリー・フォトグラフィ 3

  • 2012/10/30 01:02
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カメラのシャッターを切る音と、同時に光る眩しいフラッシュ。
それらを沢山浴びながら、セットの前でリクエストに応じながらポーズを変える兄を、スコールはスタジオの隅からじっと見ていた。

不慣れな環境と、沢山の知らない人に囲まれて泣いていたスコールだったが、兄に慰められ宥められ、若いスタッフ達から飴やクッキー、ジュースなどのお菓子を貰って、なんとか落ち着いた。
泣き止んでしまえば、後は基本的に大人しいスコールである。
スタジオ済のテーブルを囲む椅子にちょこんと座り、ただただ、仕事に没頭する兄の姿を眺めている。

レオンのしている仕事がどういうものなのか、どんな影響力があるのか、スコールは知らない。
けれど、レオンの姿が雑誌に載せられる事は判っていた。
時々帰ってくる父が、兄の姿を掲載した雑誌を持って帰って、スコールやエルオーネに見せているからだ。

雑誌に載っている兄の姿は、見慣れた兄の姿とは少し違っていた。
レオンはファッションに疎くもないが、流行に敏感な程にアンテナを立ててはおらず、外出するのにみすぼらしくない程度の服装で過ごす事が多い。
要するにTシャツにブルージーンズ等のデニムパンツと、ジャケットと言う服装で、殊更にファッションセンスをアピールするようなものは着ていない───と言うか、そもそも持っていない。
そんな兄が、雑誌に載る時は、色々なブランドの色々な服を着て、鞄やアクセサリー等も様々な形のものを身に付けている。
スコールは、いつもの兄も優しくて大好きだけれど、雑誌に載っている格好良い兄の姿も好きだと思った。

その格好良い兄が、今正に、目の前に。


「かっこいい」


ぽろりと零れた言葉は、無意識のもの。
けれど、間違いなく、スコールの素直な心の言葉。

それを聞いた女性スタッフが、テーブルの端に寄り掛かってスコールに笑いかける。


「そうだよねぇ。格好良いよね、お兄ちゃん」
「うん」
「スコールちゃん、格好良いお兄ちゃんは好き?」
「うん。好き!」


嬉しそうに、ほんのりと頬を赤らめて頷くスコールに、女性スタッフは思わずスコールを抱き締める。


「もう、可愛い~!連れて帰りたいっ」
「あ、ちょっとずるい。私も連れて帰りたい!」
「ふぇ、あぅ、あ、」


ぎゅうぎゅうと知らない人に抱き締められて、あちこちから手が伸びて来る。
それは決して悪意を持つ手ではないのだけれど、知らない人の手はやはりスコールには怖かった。

じわぁ、と蒼い瞳に一杯の涙が浮かぶのを見て、スタッフ達が慌てて手を引っ込める。


「あっ、ごめんごめん!怖がらせちゃった」
「びっくりさせたね、ごめんね~」
「はい、クッキーあげる。お詫び、ね?」
「………うゅ……」


差し出されたクッキーを受け取って、スコールはこくんと頷いた。
可愛いひよこの形をしたクッキーを、お尻から食べて行く。
さくさくとクッキーを齧って行く子供の頬が、リスのように丸く膨らむのが、また女性スタッフ達の心をくすぐっていた。


「レオン君たら、こんな可愛い子がいるなら、もっと早く連れて来てくれれば良かったのに」
「うちはキッズ雑誌もあるから、良いモデルになりそうよね」
「二人でコラボとかも良いんじゃない」
「いいね、それ。今度、企画会議に出してみようか」
「でも、年が離れてるのがねえ。高校生向けの雑誌にはあんまり企画的に合わなそうだし、キッズ雑誌にレオン君はちょっと年齢が上過ぎるし。育児って言うのもちょっと違うしなぁ」
「女性一般系とかどう?レオン君と並んで撮影とか、女性受けすると思うのよ」


あれやこれやと飛び交う空想企画の主役は、盛り上がる女性達を見てきょとんと首を傾げるだけ。
取り敢えずテーブルに置いていたジュースのストローに口を付けて、また仕事を続けている兄を見る。

レオンは、髪型を変えている所だった。
肩より少し下まで伸ばされた髪を、項の高さでゴムでまとめている。


「もうちょっと上に括れる?」
「多分。でもやった事がないので、あまり綺麗には」
「それじゃあこっちでやるよ。所で、この間渡した化粧水、どうだった?あれのレポをそろそろ載せようかと思ってるんだけど」
「あの化粧水ですか……どうにも、俺には合わないみたいで。何度か使ってはみたんですが、発疹が出来るんです」
「そうかぁ…そりゃ悪かったなあ。君が推してくれれば良い宣伝になると思ったんだが」
「髪型、こんな感じでどうですか?」
「おー、いいじゃない。これならイヤリングもちゃんと見えるな」
「本当はピアスにしたい所だけどねぇ」
「すみません…」
「いやいや。校則じゃしょうがないしね。学校側から訴えられたら、うちも色々痛いし。────よし、じゃこれで行こうか」


黒縁眼鏡の男性に促されて、レオンはカメラの前へ。
無精髭のカメラマンが角度や距離を測りながら、カシャカシャとカメラのシャッターを切る。
撮影スタッフは他にも沢山いて、照明の位置を直したり、大きな板(レフ版なのだがスコールにはその名前も、板の役目も判らない)を微妙に傾けさせている人がいたり。

そんな沢山の大人に囲まれて、レオンは黙々と仕事をこなしている。
物怖じせずに、堂々とした態度で仕事に臨む兄の姿は、スコールの胸を高鳴らせて止まない。

────ふ、とレオンの視線が動いた。
二対の蒼が重なり合って、スコールは一瞬ドキッとする。


(もうちょっと、な。良い子にしてろよ)


柔らかく微笑んだ兄の、そんな声が聞こえた気がした。
その時の兄は、凛として堂々として格好良くて、けれどやはり、スコールがよく知る優しい兄の顔をしていた。

スコールは、なんだか無性に嬉しくなった。
仕事をしていても、兄がきちんと自分のことを覚えていてくれたから、だろうか。
スコールは、膝の上に置いた両手をぎゅっと握りしめて、今直ぐレオンに抱き着きに行きたい衝動を一所懸命に堪えた。

幼い子供のそんな様子の、なんといじらしい事か。
撮影開始からそれなりに長い時間が経って、きっと退屈しているのだろうに、きっと甘えたくて仕方がないのだろうに。


「でも、本当に今日の撮影は長いわね」


年配の女性の言葉に、スタッフ達は揃って時計を見た。
いつもならそろそろ休憩時間を挟む頃合いだが、セット前ではまだ次の撮影準備が行われている。
レオンも着ていたジャケットを替え、照明合わせに応えていた。


「もうちょっと終わりそうにないわね~」
「スコールちゃん、退屈だねえ」
「……んーん」


気遣うように言ったスタッフに、スコールはジュースのストローに口を付けたまま、ふるふると首を横に振った。

しかし少しだけ、本当に少しだけ、退屈を感じているのは確かだ。
格好良い兄の姿を見るのもドキドキして楽しいけれど、何をするでもなく、じっと待っていると言うのが大変だ。
特に活発な性格ではないから、大人しくしている事自体は、それ程苦ではないのだけれど、


(お兄ちゃん、とおいなぁ)


レオンは、同じ空間にいる時は、必ずスコールの傍にいてくれる。
手を繋いだり、頭を撫でたり、抱っこしてくれたり。
その腕がないのが、少しだけ寂しい。


(でも、おしごと)


“お仕事”が大事だと言う事は、スコールも判っている。
父が“お仕事”をしているから、レオンもスコールも毎日温かいご飯が食べられるし、綺麗な服も着れる。
“お仕事”で家に帰れない父の代わりに、レオンが一所懸命、家事や買い物を頑張っている事も。

だから“お仕事”をしている人の邪魔をしていはいけない。
スコールはそう思っていた。

………でもやっぱり、ちょっとだけ退屈で、ちょっとだけ、寂しい。

ストローを食んだまま、小さく唇を尖らせるスコール。
兄との約束通り、良い子で待っていようと頑張る子供の本音が垣間見えて、女性スタッフ達は顔を見合わせて苦笑した。


「スコールちゃん、ちょっとお出かけしよっか」
「……お出かけ?」
「うん。このビルの中、色々なスタジオが入ってるから、見て回ったらきっと面白いよ」
「お兄ちゃん、もうちょっと忙しそうだけど、待ってばっかりで飽きちゃったでしょ」
「…んーん。だいじょうぶです」


ふるふるともう一度首を横に振るスコールに、スタッフの表情が緩む。


「良い子ね~。でも、流石にねえ……おもちゃでもあれば良いんだけど」
「何か暇潰しになるようなものってあったっけ?」


うーん、と考え込むスタッフ達に、スコールは自分が何か悩ませているのだろうか、と眉をハの字にする。
そんなスコールの傍らで、一人の女性スタッフが、スタジオの隅に置かれていた“ある物”を見付け、目を輝かせた。



アンフリー・フォトグラフィ 4

[レオン&子スコ]アンフリー・フォトグラフィ 4

  • 2012/10/30 00:54
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予定から30分押しで、ようやくの休憩時間。
レオンはほっと息を吐いて、結んでいた髪を解いた。
柔らかな濃褐色の髪が流れて落ちて、結んだ癖を直すように手櫛で簡単に梳いて置く。

撮影の間に着て脱いでを繰り返した服は、脱ぐ度に全てきちんと畳んでテーブルに戻している。
スタッフからは適当に置いてくれて良いと言われているのだが、これはレオンの癖だ。
潔癖症ではないけれど、だらしのない行動をして弟に悪い癖をつけてはいけない────父がズボラな所があるので、尚の事兄である自分がしっかりしなければ、とも思う。
そんな努力の甲斐あってか、スコールは今の所、兄に似て整理整頓をきちんとする癖を根付かせつつある。

そんな弟を、随分長い時間、待ち惚けにさせてしまった。
同じ空間にいるとは言え、仕事となるとまるで構ってやれない。
家に一人で残すよりはと思って連れて来たが、結局、寂しい想いをさせてしまったか。


(後半は早めに終わると良いんだが)


この空き時間は、撮影合間の一服であるから、まだ仕事は終わりではない。
夕飯の時間が遅くならない内に済んでくれるのが一番良いが、今日のこの調子ではどうなる事やら。

一先ず、この貴重な休憩時間を無駄にはするまい。
レオンは高価そうなアクセサリー類を手早く外すと、弟の待つスタジオ隅のテーブルに向かい、


「………スコール?」


そこにいた子供の姿に、レオンは目を丸くした。

濃褐色の髪、青灰色の瞳、何よりも見間違う事のない弟の顔。
スタジオ入りしたばかりの時の、怯えたような表情はなく、飴やクッキー、ジュースを貰ってすっかりリラックスしている様子。
それは良い、ずっと怯えて縮こまっているより、その方がレオンとしても安心できる。

────が。


「スコールちゃん、クッキーおいしい?」
「うん」
「こっちも美味しいよ~。あんこ好き?」
「すき」
「あーん」
「んぁ」
「もー可愛いなぁ」


沢山の女性スタッフに囲まれている子供は、すっかり可愛がられている。
お菓子やジュースも手ずから食べさせて貰っていて、完全に雛鳥状態だった。

それは良い。
スコールが可愛がられるのは、レオンも嬉しいと思う。
……だがしかし。

ふわふわ、ひらひら。
スコールが動く度に揺れる、薄いレースの飾り袖に、所々で小さくきらきらと光るラメ。
濃褐色の柔らかな髪は、常のように無造作に首下にかかってはおらず、頭の後ろで小さく結い上げられている。
結われた髪を結んでいるのは、先程レオンが撮影の時に使っていたような味気ないゴムではなく、淡い色の可愛らしいリボン。

ふわふわ、ひらひら。
淡色のリボン。
その姿は、レオンが連れて来た弟の格好とは、似ても似つかず、けれども間違いなく、其処にいるのは自分が大切にしている弟で。


「────お兄ちゃん!」


振り向いた蒼色が、嬉しそうに輝いた。
ぴょんっとパイプ椅子から飛び降りて、とてとてと駆け寄ってくる姿は、やはり紛れもない弟のもの。
ぎゅっと腰に抱き着いて来た子供の体温も、やはり、レオンの体に馴染んだ弟のもの。

だと言うのに、何故。
何故この子は沢山のレースがついた、可愛らしいスカートの服を着ているのだろう。
これはどう考えても、女の子が着るものだ。


「あのね、あのね、お兄ちゃん。僕、良い子してたよ」
「あ……ああ。うん。そうだな」


良い子で待ってたんだよ、と言うスコールに、レオンは半ば呆けながら頷いて、スコールの頭を撫でた。
そんなレオンの茫然とした様子に、スコールを囲んでいた女性スタッフ達が楽しそうに言った。


「可愛いでしょ?スコールちゃん」
「退屈しちゃってたからねー、ちょっと暇潰しにお着替えしてみたの。短パンでお膝見えてるのも可愛いけど、やっぱりこういう格好させてあげなくちゃ」
「あ、あの……」


楽しげに言う女性達に、レオンは狼狽した。
いや、あの、と何度も声をかけようとするが、彼女達はまるで聞いていない。
あっちの服の方が可愛かったんじゃない、あのカチューシャも、それよりもっと他の、と盛り上がっている。
男が割って入れるようなテンションではない。

どうしよう、と立ち尽くすレオンの手を、くいくいと小さな手が引っ張った。
視線を落せば、見上げて来る大きな蒼い瞳。


「あのね、お姉ちゃんたちに着せてもらったの。にあう?僕、ヘンじゃない?」
「あ…うん、いや……変じゃない、よ」


レオンの言葉に、スコールの表情がぱぁあ、と明るくなる。
嬉しさを表すように、スコールの白くて丸い頬がほんのりと赤らんだ。


(変じゃない。変じゃないが……)


この場合、変じゃないのが変、なのだろう。

恐らく、習い事の発表会の日などに着せて貰うような、子供向けのドレス服なのだろう。
多分、前の撮影で使われた服が、このスタジオの隅に預けられていて、女性スタッフ達はそれを使ってスコールを着替えさせたのだ。
淡い色の服とリボンは、濃褐色の髪と、白い肌のスコールによく似合っていて、流石ファッション雑誌の撮影スタッフと言った所だろうか。

しかし、彼女達は根本的な所を勘違いしている。
だって、スコールは弟だ。
男の子だ。
それなのに、レースやフリルのスカートの服。


「……スコール、その……スカート、嫌じゃないか?」
「ん、と……ちょっとスースーする」
「嫌じゃない?」
「うん。だってこれ、エルお姉ちゃんとおそろいだもん」


にこにこと嬉しそうに言ったスコールに、レオンは思い出した。
何度か仕事を終えて家に帰った時、エルオーネがスコールに自分の服を着せていた事を。


(そう言えば、あの時も嫌がったり恥ずかしがったりしてはいなかったな……)


寧ろ、何処か楽しそうだったような。
Tシャツにジーンズや短パンと言った格好ばかりが目立つの男の子の服に比べ、女の子の服はバリエーションが多い。
スコールにとっては、色んな服を着せて貰えて、純粋に楽しかったのかも知れない。
何より、エルオーネが楽しそうにしていたので、スコールにはそれが一番で、“男の子はスカートを履かない”と言う考えは浮かばなかったのだろう。

その結果が、これ。
お姉ちゃんとおそろい、と言って嬉しそうに笑う“弟”。
どうしよう、とレオンはしばらく考えていたが、


(……まあ、いいか)


まだ小学一年生だし、体格的にも男女の境はまだ曖昧な頃だし、本人も今の所は嫌がっていないし。
似合っていると言うのは、別に悪い事ではあるまい。
スタッフ達も、退屈だったスコールの気を紛らわせる為にしてくれた事だ。
仕事で弟に構ってやれなかったレオンがどうこう言える立場ではない。


「ふぁ」


レオンはスコールを抱き上げた。
成長期真っ最中とは言え、スコールはまだまだ小柄で、レオンは高校一年生。
体格の差ははっきりしていて、抱き上げるのも苦にはならない。

空いていたパイプ椅子に座って、膝の上にスコールを下ろす。
落ちないように背中や膝に手を添えてやれば、小さな手がレオンの腕に重ねられる。


「お兄ちゃん、お仕事おしまい?」
「いいや、ちょっと休むだけ。終わるのはもうちょっと後だよ。お腹空いたか?」
「ううん。あのね、このクッキーね、おいしいよ。お兄ちゃんにあげる」
「ああ、ありがとう。そうだ、半分こするか」
「うん」


スコールが渡してくれたクッキーを二つに割って、大きな方をスコールへ。
小さい方の欠片をレオンが齧ると、スコールは嬉しそうに笑った。

あっ、とスコールが何かを思いついたように声を上げる。
どうしたのかと見ていると、スコールはクッキーの欠片を更に二つに割って、


「お兄ちゃん、あーん」


小さな指にクッキーを持って差し出すスコールに、レオンは口を開けた。
はい、と言って、スコールがクッキーをレオンの口の中へ。

レオンもスコールと同じように、小さな欠片をまた二つに割って、大きな方をスコールに差し出した。


「お兄ちゃん、おいしい?」
「ああ。ほら、スコールも。あーん」
「あーん」


ぱく、とスコールがレオンの指ごとクッキーを食べる。


「美味しいか?」
「うん!」


もぐもぐとよく噛んで、きちんと飲み込んでから、スコールは頷いた。
頭の後ろで、淡い色のリボンがふわふわと揺れる。


「お兄ちゃん、おしごとしてるの、かっこいいね」
「そうか」
「おしごとしてるお兄ちゃん、好き。大好き」


真っ直ぐに見上げて来る弟の言葉が、レオンには嬉しくて堪らない。

構ってやれなくて寂しい想いをしていないか、家でも帰るのが遅くて寂しがっていないか、といつも気になっていた。
けれど、こんな風に思っていてくれたのかと知ると、胸の奥が温かくなる。


「夕飯、スコールの好きなものにしような」
「ほんと?」
「ああ。何か食べたいもの、あるか?」
「んとね、えっとね、えっとねー……」


無邪気に食べたい物について考えるスコール。
そんな弟を見つめるレオンの瞳は、何処までも優しく澄んでいる。
仕事をしている時、カメラに向かっている時の表情は其処にはない。




カメラのシャッターが落ちる音が鳴る。
そこに映っていたのは、唯一無二の大切な存在である弟にだけ向けられる、愛しい弟を想う、優しい兄の姿だった。






仕事用と平時で全然表情が違うレオン。
一番の優しい笑顔は、弟だけのものです。

この写真は幻の一枚となって、数年後、レオンが売れっ子俳優になった頃、デビュー当時のあの頃大暴露的な番組で初出しされる事となるのですw

日記ページのスマホ閲覧

  • 2012/10/27 01:27
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ずっと悩んでいた日記ページのスマホ対応が出来ました!手元のandroid4.0の環境では、スマホ用の閲覧ページになっています。皆さまのも…た、ぶん……(;´Д`) iPhoneも大体条件は同じだと(寧ろ基本がiPhoneでそれをandroid用に転用しただけ)思うのですが、此方は確認できておりません。iPhoneのビューワーってあったかな…
パソコン観覧の方には、何も変化はないと思います。お借りしたCGI(今のこれはPHPになったのですが)も以前の方のものと同じ仕様の次verのものですし、テンプレートも同じものを使わせて頂いております。今までの日記やSSのログも丸ごと引越しさせたので、パソコン閲覧の方は今まで通りのままになっていると思います。
ガラケから閲覧の方もまだいらっしゃるのではと思うので、此方はグーグルのサイトビューワーから確認した……のですが、あのビューワーは外部CSSを読み込まないタイプなので、外部CSSが読み込める携帯だとどうなっているのか(・ω・`)確認できておりません。携帯からはhtmlと最低限のスタイルしか設定していないので、背景などはないと思うのですが。

パソコン閲覧でのテンプレートはもう殆ど弄る事はないと思うのですが、スマホ閲覧のスタイルシートはちょいちょい弄る事があるかも知れません。最低限、自分の環境下で落ち着けるものにしたいので……って言って大体CSSタグ弄るの面倒で投げ出すけど……

自分で確認できる環境下では、一通り正常に動く事を確かめましたが、何か不具合や見辛い!などの意見や発見などがありましたら、拍手からご一報ください。素人なので何処まで対応できるか判りませんが、出来るだけの努力をしたいと思います。

……でもしばらくタグみたくない(;´ω`)チカレタ

[レオスコ]鼓動は本物

  • 2012/10/25 23:00
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現代パラレル。
モデル俳優レオンさんと、一般人な弟スコールでレオスコ。
兄弟だけどらぶらぶですよ。






夕飯を終えて片付けを済ませ、リビングに戻ると、兄がソファに座って厚めの本を読んでいた。
それは装丁などと言った小洒落たものは施されておらず、表紙は厚手の紙、中身はぺらぺらとしたコピー紙と言った味気のない代物。
しかし、その味気のない代物こそが、兄の大事な商売道具の一品であった。


「…随分、分厚いな」


遠目に見て判る分厚さのそれに、スコールは独り言気味に呟いた。
その声はしっかりと兄の耳に届いており、濃褐色が揺れて、柔らかな青灰色の瞳が此方へと振り返る。


「片付け、終わったのか?」
「ああ」
「悪いな、いつも任せて」
「…別に……」


眉尻を下げて頬を赤らめて素っ気ない呟きを返すスコールに、兄───レオンは柔らかな笑みを浮かべる。

スコールは兄の隣に腰を下ろすと、分厚い本をそっと覗き込んでみる。
其処には、びっしりと文字の羅列が敷き詰められていた。
しかし、其処に書いてあるのは人物の台詞らしきものばかりで、これが小説などの類でない事が判る。

スコールには、その本の正体が何であるのか、聞かなくても判っている。


「また随分と、長い台詞の多い役だな」
「この脚本家はそういう傾向があるんだ。お陰で覚えるのに苦労する」


弟の言葉に溜息交じりに応えたレオンは、今話題の超人気俳優であった。
彼は高校生の頃にメンズ雑誌のモデルとして芸能界入りし、あれよあれよと言う間に人気を博して、大学卒業前のドラマデビューを切っ掛けに、俳優業もこなすようになった。
最近は同世代の俳優達と共にバラエティ番組への出演も増え、多忙な日々を送っている。

今レオンが呼んでいる本は、来月から撮影に入る映画の台本だ。
二時間の長編映画で、人物同士の遣り取りが頻繁に行われる作品らしいので、台本も分厚くなろうと言うもの。
元来、レオンは記憶力が良い方ではあるが、この映画の撮影と並行して、次クールから放送が始まるテレビドラマの撮影も始まると言う。
レオンはその両方の主役級を任されている為、当然出番も台詞も多く、台詞の暗記は愚か、一連のストーリーをチェックする作業だけでもかなり大変な量になる。

レオンがぱらぱらとページを捲ると、赤い線が引かれた台詞文があった。
チェックを入れた、レオンの役の台詞である。


「スコール。悪いが、また練習に付き合ってくれるか?」


レオンは台本を差し出して、スコールに言った。

レオンの本読みや台詞のチェック等、ドラマの為の練習にスコールが付き合うのは、お決まりの事だった。
単に台詞を暗記するだけなら、レオンは読んでいるだけでそこそこ頭に入るのだが、感情を込めて演じろとなると、やはり相手がいた方がやり易い。

スコールは無言で台本を受け取った。
それが了承のポーズだ。


「……動き、つけるのか?読むだけ?」
「少し動いてみるか。お前はト書きの通りに頼む」
「ん」


レオンが俳優業をするようになってから、スコールはいつも練習相手をしているので、最初の頃は“ト書き”が何の事かも判らなかったが、今ではすっかり慣れたものだ。
スコールはぱらぱらと数ページを捲って、場面の流れと、レオンの相手役の登場人物の人となりを確認し、

「……これ……」


流れを読んだスコールが、眉間に皺を寄せる。
怒っているように見える表情だったが、そんな彼の白い頬は、ほんのりと赤らんでいた。


「駄目か?」


眉尻を下げ、柔らかに微笑んで問う兄に、スコールは赤い顔で唇を尖らせた。
うぅ、と唸るような声が聞こえて、レオンは無理なら良いんだが、と言った。

今から練習しようと言うその場面は、所謂、ラブシーンと言う類のものだった。
場所はリビング、登場人物は若い男女(レオンと相手役の女性)、時間は夕飯を終えた後で、明日の予定について語り合うと言う、何気ない日常のシーンなのだが、結婚間近の恋人同士と言う設定で、ト書きの中に“見詰め合いながら”“背中から抱き締めながら”等と言った恋人同士の触れ合いが多く記されている。
レオンの言った「ト書きの通りに」演技をするとなると、思春期真っ盛りでスキンシップや見詰め合うのが苦手な傾向のあるスコールには、非常に恥ずかしい台詞・行動が多く散りばめられている。

正直、やるのは恥ずかしい。
恥ずかしいが、眉尻を下げて微笑む兄を前にして、スコールが今更拒否を口に出来る訳もなく。


「……やる。問題ない」
「そうか。無理はしなくて良いからな」
「……ん」


ぽんぽんと頭を撫でられて、スコールの尖っていた唇が微かに緩んだ。

レオンがソファを立って、スコールが座っている位置の背中へと周る。
スコールは台本に目を落しながら、レオンが演技を始めるのを待った。


『───明日、挨拶に行くよ。随分遅くなったし、今更かも知れないけど、やっぱりきちんと話をしないといけないと思うんだ』


いつもの兄とは違う口調で、すらすらと流れ出てくる台詞。
スコールは兄の声を台本の文字で追って、終わったのを確認し、次の自分の台詞を読んだ。


『本当に良いのに。気持ちは嬉しいけど、お父さんはもう、判ってくれてるんだから。明後日には、レナちゃんの運動会があるんだし、お父さんもそれを見に行くって言ってたから、どうしても話をしたいのなら、その時でも良いんじゃない?此処から、私の家に行くのって、凄く時間がかかるし』


所々で詰まりつつ、呼吸の位置が判らない、と胸中で愚痴りながら、スコールは読み進めた。
殆ど棒読みであるが、素人で演技の経験などないスコールに、レオンが其処まで臨む事はない。
付き合ってくれているだけでも十分なのだ。


『明後日逢うのなら、尚更、明日の内に話をしなきゃいけない。お義父さんが分かっていてくれると言っても、やっぱり、あの時の事はきちんと俺の方から説明しなくちゃ駄目だと思うんだ。だから明日は、レナのお迎えに俺は行けないんだけど────頼んでも良いかな。確か明日の仕事は、夕方には終わるんだろ?』


ぎ、とソファにレオンが寄り掛かる。
スコールの手の台本に影が映って、スコールが顔を上げると、見下ろす兄の顔が間近にある。
傷のある、それでも整った顔が、吐息がかかる程近くにあるのを見て、スコールの心臓が一つ大きく跳ねた。

フリーズしたように動かなくなった弟に、「うん?」とレオンが小さな笑みを浮かべて首を傾げる。
それを見て、スコールは慌てて台本に視線を戻した。


「え……と、『うん、一応予定ではね。時間通りになるかは判らないけど。レナちゃんのお迎えに行くまでには、手が空く筈よ』
『じゃあ、頼むよ』
『いいけど。レナちゃんは寂しがるんじゃないかなぁ』
『寂しがる?どうして?レナちゃん、お前に逢いたがってたから、寧ろ喜ぶと思うんだけど』


不思議そうに尋ねるレオンの台詞の後、スコールは後ろを振り返り、レオンの顔を見る。
台本のト書きにそう書いてあるのだ───“彼氏の顔を見詰める”と言う指示が。
しかし、スコールは頭こそレオンの方を向いてはいるが、視線は微妙に彷徨ってしまっている。

青灰色の瞳は、あちらこちらに迷子になった後で、ちらり、と兄を見た。
蒼と蒼が重なって、レオンが小さく笑みを漏らして首を傾げる。


『なんだ?』


問い掛けるその声が、演技なのか、素なのか、スコールには判らない。
柔らかな眼差しだとか、微かに笑みを滲ませた口元だとか、そっとスコールの頬に触れる指先だとか────台本にこんな仕草の事は書いていなかった筈だけれど────、いつものレオンのようにも見えるし、そうでないのかも知れないとも思う。

再びフリーズしてしまったスコールに、レオンがくくっと喉を鳴らして笑った。
その声にスコールは我に返り、赤い顔を慌てて反らして、台本に視線を戻す。


「な……『なんでもない』
『なんでもない事ないだろ。何か隠してるな?』
「!!」


スコールの後ろから腕が伸びて来て、ぎゅ、と抱き締められる。
ばさっと音を立てて、台本が床に落ちた。


「落ちたぞ」
「あ、う、……すまない」
「いや」


抱き締める腕の力が緩んで、解放される。
しかし、スコールが台本を拾って元の姿勢に戻ると、また先程と同じように抱き締められてしまった。
台本を見ると、ト書きに“抱き締めてじゃれあう”と書いてあったので、演技としてはこれが正しいのである。

背中越しの体温と、耳にかかる微かな吐息。
スコールは顔が熱くなるのを感じながら、それを背後の存在にバレていないよな、と何度も胸中で繰り返した。
後ろにいるのだから見えない、見えていない、だから判らない筈だと。
……実際には、真っ赤になった耳と首のお陰で、モロバレ状態なのだが。

煩い心臓を必死に誤魔化しながら、スコールは続きを読んだ。


『隠してないよ』
『おい、隠し事はしないって約束だろ。ちゃんと言えよ』
『なんでもないったら』


恐らく、此処では二人とも笑い合っているのだろう。
じゃれ合う、と書いているのだから、レオンの方も本気で問い詰めようと言う雰囲気ではないし、きっと相手役の女性も場面を楽しんでいるに違いない。

しかし、スコールは完全に固まっていた。
演技云々、練習云々以前に、抱き締める腕の温もりや、耳にかかる吐息や髪の毛先の事で、頭の中が一杯になっている。

でも、続けないと。
シーンはまだ続いている。
スコールは台本の次のページを捲り、次の台詞を─────と思ったが、頬に添えられた手に促されて振り返って、


「………!?」


呼吸が出来ない。
息が、口が、塞がれている。
そして目の前には、柔らかく、熱の篭った色で見つめる蒼があって。


「ん、ん……っ」


ちゅ、と咥内で鳴る音に、スコールの顔が火が出る程に熱くなる。
違う、可笑しい、と抗議の声を上げようとしても、それはまともな音や言葉にはならず、滑り込んで来た舌に絡め取られて溶けて行く。

ぱさり、と台本が床に落ちても、レオンはスコールを離さなかった。
もがくように腕を掴んだり、長い髪を引っ張ったりと暴れていたスコールの体から、次第に力が抜けて行く。
逃げるように退いてばかりだった舌が、恐る恐る、応えるように差し出されてきた頃には、スコールはすっかり口付けの虜になっていた。


「ん……」
「ふぁ……」


ゆっくりと唇が離れると、何処か物足りなさそうな、甘えたような音がスコールの喉から漏れた。
レオンはそんなスコールに、もう一度キスをしようと顔を寄せ、────ぐっと掌で口元を押さえられる。


「んぐ」
「台本と違うっ…!」


真っ赤になって、蒼の瞳を薄らと潤ませて、スコールは抗議した。
台本では、じゃれ合う内に見詰め合った二人がキスをしようとした所で、玄関のチャイムが鳴ると言う流れだった。
記憶力の良いレオンがそれを忘れた訳もないだろうに、現実のこの流れは、一体。

レオンの手がスコールの腕を掴んで、口を離させる。
しかしレオンはそのままスコールの腕を解放しようとはせず、掴んだ手首を引き寄せると、ちゅ、と軽く口付けた。


「れお、れおん!違う!台本と…」
「ああ、知ってる」


平然と返って来た声に、やっぱり、とスコールは思った。

レオンはひょいっとソファを跨ぐと、スコールの隣に落ち付いた。
かと思うと、ぐっとスコールの腰を抱き寄せて、形の良い顎を捉えて上向かせた。
二人の体はぴったりと密着し、スコールの視界には熱を孕んだような蒼の瞳が一杯になって、スコールは胸の中の煩い音が目の前の人物に聞こえてしまうのではないかと思った。

ちゅ、と頬に口付けが落ちる。
スコールの体は緊張したように固くなり、それを訴えるかのように、彼の手は兄のシャツをぎゅっと掴んで離そうとしない。


「レ、オン……練習……っ」
「うん」


うんって。
何に対して、どういう意味の“うん”なのだろう。

そんなスコールの疑問は音にはさせて貰えず、レオンも答える気はなかったし、そもそも彼自身、既に練習の事など頭の中から抜け落ちていた。



重なる熱や、伝わる温もりや、鼓動の音は、演技などではなく、間違いなく本物。
それを知っているのが自分だけなのだと思うと、どうしようもなく、嬉しくなる自分がいた。





全く芸能界的な描写がなかった!まあいいか。

このレオンさんは超がつくブラコンとして芸能界で有名ですw
弟に手出してるとかは隠してるけど、ブラコンは全く隠してない。

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