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2025年02月08日

[フリスコ]熱の続きに溺れていたい

  • 2025/02/08 21:00
  • Posted by k_ryuto
  • Category:FF

※R15





滑る布の感触と、触れ擦れあう肌の感触と。
種類の違う心地良さの中で、段々と後者の感覚だけが鋭敏になって行き、次第に其処に、濡れた吐息や水音が混じって行く。
絡めあった足がもどかしげに腿を擦るのが、どちらの身動ぎの所為なのかは判らなかった。
皮膚一枚すら邪魔に思う程に、体を密着させ合っているのだから、無理もない。

は、は、と耳元にかかる吐息が、フリオニールの熱を更に煽る。
スコールの中に収められた熱の塊が、より一層大きく膨らんで、彼の中を染めようと懸命だった。
攻め立てられているスコールの意識は途切れ途切れになっていて、開きっぱなしの口端から、飲み込むことを忘れた唾液が零れている。
それを掬うようにフリオニールの舌が辿り、唇が重なり合えば、お互いのすべてを貪ろうとして、何度も何度もキスをする。

スコールの身体の中で、どくんどくんと脈を打つものがあって、フリオニールが息を詰めた。
う、と眉根を寄せて歯を噛んだ後、フリオニールは愛おしい恋人の中に、己の熱を注ぎ込む。
熱い迸りが内臓まで染めて行く感触に、スコールは首筋を反らしながら絶頂した。

白い喉を戦慄かせながら、スコールは熱の余韻に溺れている。
震えるその喉をぼんやりと見つめていたフリオニールは、白魚の腹に似たその首筋に歯を立てた。
噛みつくほどに顎に力を入れてはいないが、鍛えるには難しい喉仏に犬歯が当たると、ヒクッ、とスコールの身体が竦む。
それと連動して、フリオニールを受け入れたままの場所がきゅうと締まった。


「っは……は……はぁ……っ!」
「あ……ん、ぁ……っ!」


まだ肩で弾む息を零しながら、喉元を喰らうフリオニールに、スコールの背筋にぞくぞくとしたものが走る。
充足感と飢餓感が同時に訪れて、スコールは堪らず銀色の髪に腕を寄せた。
頭を抱き込むように甘えるスコールの仕草に、フリオニールの赤い瞳が薄らと笑みを浮かべる。


「スコール……」
「あ……っ、フリ、オ……」


名前を呼び合い、キスをする。
スコールの下唇が吸われ、肉厚の舌が其処を辿り、薄く開いた隙間に入り込む。
フリオニールの手がスコールの後頭部に添えられて、逃がしたくないと言わんばかりに柔い力で押さえ付ければ、スコールは逆らわずに応えた。
口の中でぴちゃぴちゃと水音が鳴り、スコールは溺れるような感覚に陥りながら、うっとりとした表情を浮かべる。

丹念にスコールの咥内を味わい尽くして、ようやくフリオニールの唇が離れた。
後頭部に添えられたフリオニールの指が、スコールの後れ毛を愛でるようにすりすりと摩っている。
それが猫をあやしているように心地良くて、スコールは緩やかな気怠さの中、その感触に身を任せていた。

スコールの身体がすっかり弛緩しているのを確認して、フリオニールはゆっくりと腰を引く。
中にあったものが擦れて行くのを感じて、スコールは甘やかな声を漏らした。


「ん、あ……っ、あ……っ」
「は……ふ、……ん……っ!」


名残を逃がしたくなくて、スコールがきゅうっとフリオニールを締め付ける。
存外と甘えたがりな恋人の我儘に、フリオニールの熱はまた頭を持ち上げようとするが、もう随分と遅い時間になっている。
今日はもうそろそろ休まないと、明日に響いてしまうからと、フリオニールは理性を総動員して、スコールの中から自身を抜いた。


「あう……んっ、出て、る……」


どろりとしたものが内側から溢れ出すのを感じて、スコールは腰を捩った。
折角フリオニールがくれたのに、と下腹部に力を入れて、それを逃すまいと試みる。
栓をしていてくれたままが良かった、と見下ろす男を見つめる蒼灰色の瞳は、判り易く熱に蕩けていた。

フリオニールはそんなスコールの頬をゆったりと撫でて、目尻にキスをする。


「体、大丈夫か?」
「……ん……」


労わる言葉に、スコールは小さく頷く。
その声が掠れ気味であることに気付いたフリオニールは、「水でも持ってこようか」と言った。
しかしスコールはゆるゆると首を横に振り、フリオニールをベッドから逃がしたくないとばかりに、厚みのある体に腕を回す。

半端に身を起こしていたフリオニールの体に、ぴったりと身を寄せているスコール。
一番熱の高い瞬間を越えて、段々と汗が熱を吸収していくフリオニールの体が、冷えて夢から覚めないように、スコールは自身の中でまだ燻ぶっているものを分け与えていた。
しかしフリオニールから見ると、スコールが寒さを嫌って甘えてきたように見える。
フリオニールは毛布を手繰り寄せながら、スコールの身体を覆うように抱いて、温かな布地の中に包まった。


「寒い?」
「……別に」
「そっか」


寒くないなら良かった、とフリオニールは笑う。

フリオニールの笑顔は柔らかく、純朴で人の好い青年であることがよく判る。
スコールもそんなフリオニールの笑顔が好きだ。
しかし、まぐわっている時の彼は、まるで獲物を前に血を滾らせた獣のようで、スコールはいつも骨まで喰い尽くされそうだと思う。
腰を掴む手や、良質で引き締まった筋肉に覆われた重みのある体が、獲物を逃がさないとばかりに身体をベッドに縫い付ける感触に、スコールは得も言われぬ興奮を覚える。
それは、戦う時に敵に見せる精悍な顔とも違い、手に入れた獲物の全てを独占せんと言う、自己中心的な欲を露わにされていることへの喜びであった。

そして熱の交わりが終われば、またフリオニールは穏やかな表情で笑いかけてくれる。
スコールがこの温度差に戸惑っていたのは、二人の関係が今のものになって間もない頃のことだ。
今ではスイッチの切り替えのような表情の変化にも慣れ、フリオニールの目を見て、今が熱の最中かそうでないかと言うのが判る。

判るので、今日のスコールはまだ少しばかり不満だった。


「フリオ……」
「あ、こら」


スコールの手がするりと下半身に下りて行くのを感じて、フリオニールが咎める声を出す。
際どい所をくすぐるスコールの手に、フリオニールは顔を赤らめながら、


「明日、探索に行くって言ってただろ」
「……出るのは昼だから、良い」
「駄目だ、体に響くぞ」


やんわりとした声でスコールを宥めながら、フリオニールは寝に入るようにと促した。
下半身を悪戯しているスコールの手を取って、こっちに、と自分の首へと回す。
スコールは素直にそれに従いながら、フリオニールの下半身に、自分自身を押し当てた。


「ん……」
「うあ」
「……あんたもまだ……」


お互いに触れ合うシンボルが、まだ硬さを持っていることに気付いて、スコールはくすりと笑う。
フリオニールは顔を赤くして、恥ずかしそうに顔を背けた。


「そんなに密着されたら……仕方ないだろ……」
「……じゃあ、此処から先も、仕方ないだろ?」


生理反応だと言うフリオニールに、スコールは笑みを浮かべて誘うが、


「それとこれとは別だよ。ほら、もう遅いから……」


寝なさい、とまるで兄か保護者のように言うフリオニール。
スコールはむぅと唇を尖らせて、押し付けた下肢をゆっくりと揺らした。
触れ合ったままの場所で、主張しているお互いの熱がゆるゆると擦り合って、フリオニールが息を詰まらせる。


「っ……スコー、ル……っ」
「は……あ、ふ……っ、ん……っ!」


熱の余韻はまだ二人の体に十分に残っていて、煽れば簡単に火が付いてしまう。
休まないといけないのに、とフリオニールは眉根を寄せていたが、恋人が与える刺激は、若い性を再び擡げさせるのに大した時間もいらなかった。
すっかり起立した感触を、スコールは密着させた下腹部から感じて、うっそりと笑みを浮かべる。


「なあ、フリオニール。もう一回」
「うぅ……」
「あんたもこれじゃ寝れないだろ」


揶揄うように言ったスコールを、紅い瞳が恨めし気に見る。
スコールはそんなフリオニールの口端にキスをしながら、


「一人で済ませたりするなよ。俺も勃ってるんだから」
「いや、うん、それは……判ってる」
「じゃあ、ほら」


スコールはもう一度、ゆるりと腰を揺らした。
お互いの熱が、また擦り合って、蜜に濡れたままの其処が濡れた感触を与え合う。

フリオニールは苦い表情を浮かべていたが、彼の手はゆっくりと、スコールの体を辿って下りて行く。
引き締まった細い腰を、無骨な剣胼胝のある手が撫でて、小ぶりな肉がついた臀部を撫でた。
やがてフリオニールの手は、ついさっきまで熱を咥え込んでいたスコールの秘部に触れる。


「……っ……」


はあっ、とスコールの唇から、期待の吐息が漏れた。
それがフリオニールの耳朶をくすぐって、雄のスイッチを入れる。

フリオニールはスコールの身体をしかりと捕まえて、毛布の中へと引っ張り込んだ。
毛布が小山のテントを作った閉鎖空間の中に閉じ込められるスコール。
その上にフリオニールの体が馬乗りに覆いかぶさり、まるで外の世界全てからスコールを隠そうとしているようだ。
其処で暗闇の中でぎらつく紅に見詰められ、スコールはどうしようもなく興奮するのを自覚する。


「……一回だけだぞ、スコール」
「ああ。判ってる」


釘を差すフリオニールに、スコールは笑みを浮かべて言った。
何処か悔しそうな顔をした青年が、噛みつくようにキスをするのを、スコールは嬉しそうに受け止める。

結局の所、一回は一回ではあったのだが、それはとても長い“一回”だった。
そう仕向けたのか、そうなってしまったのか、経緯は曖昧だ。
何せ、もっともっと交わりたいと思っていたのはどちらも同じ事だったから、フリオニールもどうせ“一回”ならばと開き直ったのは確かだった。

恋人がそうならば、スコールにとっては嬉しいことばかりだから、不満も何もない。
敢えて言うなら───フリオニールが満足しきるまで、中に貰うのをお預けされることが、焦らされているようでもどかしかった、と言う点だろう。
それでも最後に、今夜一番に濃くて沢山の熱を貰ったから、スコールは十分に満足して意識を飛ばしたのだった。





2月8日と言う事でフリスコ!
なんかとてもやらしい二人が見たくなったので、ずっとやらしくいちゃいちゃさせてみた。
スコールは羞恥心が飛んだ後なら、遠慮なくお誘いおねだりしてくれると思う。
フリオニールはスコールが大事なので無理させたくないと言うか、自分が本気になるとブレーキが壊れるのを多少自覚しているので、出来れば自制できるレベルで止めておきたい。でも恋人が自分でそれを突破して来るのでどうしようもない。

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