サイト更新には乗らない短いSS置き場

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2011年12月

[三空]寒い朝

  • 2011/12/06 00:15
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「さーむーいー!!」




朝一番に響いた声に、三蔵は叩き起こされた。
折角のたまの休日だと言うのに。


姦しさに辟易しながら起き上って見れば、ベッドの下の床で座り込んでいる養い子がいる。
子供が座っているのは敷布団の上なのだが、底冷えがするのか、子供は鳥肌の立った腕を摩っていた。

――――取り敢えず。
朝っぱら騒ぐな、静かにしろ、まだ寝てろ、等々言いたい事はあるのだが、それよりも。




「…ンな薄着してりゃ、寒いに決まってんだろうが」




布団の上で凍えて縮こまる悟空は、タンクトップに短パンと言う出で立ちだ。
タンクトップは勿論の事、短パンも薄い絹で作られている夏の寝間着用なので、当然、防寒など考えられていない。

既に暦が12月に入ったと言うのに、悟空がこんな格好で寝ていたのは、昨晩までが例年に比べ酷く暖かかったからだ。
加えて夜はいつも熱めの風呂に入るので、熱が引く前に毛布に包まってしまえば、朝起きるまで寒さを感じる事もない。
結果、今しがた布団を出て初めて、悟空は本日未明からの冷え込みにやられた、と言う訳だ。


呆れた眼を向けられた悟空は、がたがた震えながら足元に広がっている毛布を手繰り寄せる。
それを上から被って布団の上で蓑虫になり、頭だけを出して、ベッド上の三蔵を見上げた。




「なんでこんな寒いの!?」
「冬なんだから当たり前だろうが」
「昨日は暖かかったじゃん!」
「知るか」




素っ気ない返答だけを返して、三蔵はもう一度ベッドに横になった。

仕事がないのに早起きする気などない三蔵は、今日は昼まで寝るつもりだった。
それを悟空の大音声に叩き起こされて邪魔された訳だが、寺の僧侶が仕事を持って駆け込んでくるよりは良い。
寒い寒いと喚く養い子は無視する事にして、もう暫く惰眠を貪る事にする。


――――が、もぞもぞと何かが毛布を引っ張るのを感じて、三蔵は閉じかけていた目を開ける。




「……何してやがる、このチビ猿」




肩越しに背中を見遣れば、毛布に侵入してくる不届き者の怖い物知らずが一名。


不自然に膨らんだ毛布は、しばらくうごうごと芋虫宜しく蠢いた後、三蔵の背中にぶつかった。
振り上げた腕をその塊に落としてやれば、いてっと短い悲鳴。
芋虫は団子状に蹲った後で、またうごうごと動き出し、三蔵の後ろでひょこっと顔を出した。

芋虫の正体は、無論、悟空である。

悟空はぴったりと保護者の背中にくっついて、三蔵の夜着に頬を摺り寄せる。
悟空と違い、既に冬用の物を使用していた三蔵だが、夜着である以上、やはり生地は薄めだ。
だからくっついた悟空には、布一枚越しでも三蔵の体温を感じる事が出来て。




「さんぞー、あったかい」
「うぜえ」
「いいじゃん、ちょっとだけ」




まるい頬を三蔵の背中に押しつけている悟空。

癖っ毛の大地色の髪の毛先が、三蔵の首の付け根をくすぐっていた。
それを鬱陶しいと思いつつ、背中に密着した子供の体温は、この冷え込みの朝には良い暖取りになる。




「……煩くしたら蹴り落とすぞ」




それだけ言って、三蔵は悟空を睨むのを止めた。
うん、と言う小さな声が背中から聞こえて、それから間もなく、寝息が聞こえてくるようになる。






―――――窓の向こうで朝を告げる鳥の声は、聞こえない。








……随分久々に最遊記のSS書きました。
なんか色々変わってね…?

変え時か……

  • 2011/12/04 16:12
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今使ってる携帯電話と、携帯音楽プレーヤーがそろそろ寿命っぽい。

携帯に関しては、特別気に入るデザインが今までなかったのと、やりたいアプリでスペック不足なものがなかったので、二年くらい機種変なしで使っていたのですが、電池の方がそろそろ限界のようです。電池パック買い換えれば済む話なんですが、それならいっそ機種変かなあと。
友人家族にスマートフォン利用者が増えて、携帯会社の方もそろそろスマートフォン一本押しになるんじゃないかとの見方が濃いらしい。実際、やれる事増えてますしね、スマートフォン。
だから機種変するならスマートフォンにした方が良いのかなあと思うのですが、私、タッチパネルてあんまり好きではない……画面汚れるの嫌だし。親父から「カバーや保護シールあるぞ」と言われましたが、いやそーゆーもんでもなくて。ボタンをカチカチするのが好きだし、タッチパネルの文字入力ってやり辛そうで。慣れたらそうでもないんだろうけど、親父のスマートフォン弄らせて貰って文字入力をやったら、物凄くやり難かったんで、やっぱりアカンわと。
でも今月7日にボタン付きのスマートフォンが発売されるようなので、それならいいかなー……と思ったら色がゴールドとシルバーしかねえorz ブラックでボタン付の出ないかな……基本的に携帯はいつもブラックカラーです。持ってて落ち着く。

音楽プレーヤーは2008年に買ったので、このまま行くと四年経ちます。iPodじゃないです、ソニーの方使ってます。操作は十字キーカチカチタイプです。最近の電子類って三年程度持ってれば物持ち良い方だと考えると、まあまあな方か。一回事故った時に画面にでっかいヒビが入りましたが、中身はなんら問題なかったので使い続けています。
でも最近は充電が減るのが早くて、四時間くらいの再生であっと言う間に電池がなくなる。なので家に帰ってパソコンつけたら、常時充電モードです。
音楽でも漫画でも、あまり新しいものにアンテナ立てない方なので、長いこと同じものを延々聞いています。だから容量一杯になっても気にしておらず、新しいの入れる時はあまり聞かないものを消して(音楽データはPCに入ってるし)ってやってたのですが、FFⅧⅨⅩとDd/DDのサントラ入れようと思ったら、流石に無理でした。全部で百曲近いんだから当たり前。最遊記関連と龍龍関連、あと個人的神曲の大神サントラは全部ぶっ込んでるんですが(この辺が容量の大部分を占めてると思われる)。
当時それなりに大きかった8GBを使用していますが、今は16GBに32GBと。一つだけ64GBの機種もあったような気がしますが、高かったのでそれは無理。
まあ親父に言わせると、スマートフォン持ってれば音楽プレーヤーもついてるモンだそうですが。携帯は携帯で写メやら何やら、資料系でデータ一杯にしてしまうので、音楽機種は別に確保しておきたい。

うーん、こうやって書くと、もうちょっと様子見しようかなあと言う気分。

[こどものじかん]理想と現実

  • 2011/12/03 19:47
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ずぶ濡れになった子供を前にして、遠野は判り易く深い溜息を吐いてやる。
それだけで、呆れられていると言う事が、この聡い子供には判ったようで。





「…なんだよ」
「なんだよじゃないッ!」
「いてッ!」





唇を尖らせて不貞腐れた顔を作る子供に、遠野は躊躇わず振り上げた手を落とす。
赤茶けた髪をぺしんと叩いてやれば、子供────京一は叩かれた場所を押さえながら蹲る。





「いってェな、なにしやがんだ!」
「それはこっちの台詞よ! なんであんたはいっつも手がかかるのよ~!」





最近、自分は京一専属の保育士になったのではないか、と遠野は思う。
手のかかる子供である事は重々理解しているつもりだが、保育園には他にも沢山の子供がいるのだ。
その一人一人に保育士がついていられる訳ではない────筈なのに、遠野は専ら、京一の面倒を見ている。

真神保育園にいる子供達は、皆一癖も二癖もある子供で、中には複雑な家庭事情を抱えている子もいる。
お泊りしている雨紋や亮一、壬生、マリィなどが特にそうで、彼らには他の子供達以上に注意を払わなければならない。
心に傷を抱えた子供は、放って置けば傷をどんどん広げてしまい、その上、それを隠す事が上手くなってしまう。
京一も、彼はお泊りの子ではないけれど、特殊な家庭事情を抱えているから、やはり注意しなければならない。


だが、だからと言って、ほぼ毎日のようにつきっきりで世話をしなければならないなんて。
他の子供達はこんなにも手がかからないのに────と、遠野は思ってしまう。



……愚痴ってばかりいても仕方がない。

遠野はもう一度溜息を吐いて、濡れ鼠の子供を抱き上げた。
途端に京一はじたばたと暴れ出す。





「おろせ、アン子!」
「下ろしたらあんた逃げるでしょ。お風呂行くんだから、大人しくしなさい」
「はーなーせーッ!」





暴れる京一から水滴が跳んで、遠野の髪や頬を濡らす。
エプロンが水分を吸って重くなり、眼鏡についた水滴の所為で視界が悪くなった。


真神保育園の子供達の多くは、大抵が素直な子供で、聞き分けも良い。
龍麻や葵や亮一、壬生などは聞き分けが良過ぎるくらいで、我儘も殆ど言わず、それはそれで要注意だと、遠野はチーフであるマリアから教わった。
特に亮一は判り易く、我儘を言わないのではなく言えない、相手に対し委縮し勝ちだった。

そんな中で、京一だけが酷く聞き分けが悪い。
我儘なら小蒔や雨紋や雪乃や、控えめだが如月、雛乃と言った面々にもあるが、京一のように毎日誰かと喧嘩する事はない。
増して、一人で池遊びをしていて落っこちてズブ濡れなんて有り得ない────いや、子供のやる事であるから、誰にでもそうした失敗はあるのだろうけれど、京一は特にその回数が多いのだ。



お風呂場に来ると、遠野は京一を下ろし、濡れたシャツに手をかける。
と、また京一がじたばたと暴れ出した。





「はなせよ!」
「お風呂入るんだから服脱がなきゃダメでしょ。はい、ばんざーい」
「じぶんでぬぐッ!」





遮二無二暴れる京一に、遠野は仕方なく手を離す。


京一は先ず袖から腕を引っ込めて、服の中でもぞもぞと動いた後、裾の下に手を出してシャツを摘まむ。
シャツを肩までたくし上ると、今度は襟周りを摘まんで、頭を襟の穴に引っ込めた。

濡れたシャツは身体に張り付いていて、酷く脱げ難いらしく、うーうー唸る声が聞こえた。
そのまま京一は、うごうごと、シャツのおばけのような状態がしばらく続く。
其処までやってなんで出来ないの、と思いつつ、遠野は襟穴を摘まんで上に持ち上げてやる。





「─────ぷは」
「はい、良く出来ました」





ぽんぽんと、ようやく出て来た京一の頭を撫でてやる。
京一はぶんぶんと頭を振ってそれを追い払う。

ほんっと可愛くない。
思いつつ、遠野はズボンを脱ぐ京一を見守る。



脱いだズボンとパンツを蹴り投げて、靴下を引っ張るようにして脱いで。
裸になった京一を促して浴槽に連れて行くと、京一は湯船の縁に上ろうとした。
危なっかしいその姿に、遠野は今日何度目かになる溜息を吐いて、京一の脇の下に手を差し込んで掬い上げる。

足元からゆっくりと湯船に浸からせてやる間、京一は大人しかった。
追い炊き機能のお陰で、真神保育園のお風呂はいつでも温かく、京一もこれに入るのは嫌いではないらしい。
少し熱めのお湯が好きで、いつも落ち着かない京一も、この時ばかりは静かに湯に浸かっている。


全身が湯船に浸かると、京一は一度、息を止めて頭まで湯の中に沈んだ。
三秒もしない内に出て来ると、子犬のようにぶんぶんと頭を振る。





「ちょッ、やだ。濡れるじゃないの!」
「いーだろ、これくらい。オレなんかズブぬれだったんだから」
「あんたのは自業自得でしょッ」
「今日はちげェ! カエルがいたから」
「そもそもあんな遊びしないのッ」
「いてッ」





あんな遊び、とは、池の中に浮いている石を浮島にして跳び渡る遊びの事だ。

京一が真神保育園に来てから、彼はしばらくの間、他の子供達と殆ど遊ぼうとしなかった。
龍麻が保育園に来るようになって、少しずつ変わって来たけれど、それまではいつも庭の片隅の池で飛び石遊びをしているか、保育園にある一等高い木の上に上って遠くを見ているか、どちらかだった。
最近は他の子供達と打ち解けて来たし、ケンカをする回数も減っていたので、池で遊ぶ事も減っていたのだが────……





「もうあんたは池で遊ぶの禁止!」
「なんでだよ」
「そうやって落っこちるからでしょ」
「ちょっとしっぱいしただけだ。もうおちねェ」
「前にもそう言ったじゃない。結局、それで何回落ちたと思ってんの」
「そんなの、いちいちかぞえてねェや」
「あたしだって数えてないわよ。数えられない位何度も落ちたって事!」





遠野の言葉に、京一は拗ねたように唇を尖らせる。
湯の所為とは別に、ほんのりと頬が赤いので、自分の失態は一応覚えているらしい。

それを誤魔化すように、京一は湯船から逃げ出した。





「あッ、コラ!」
「ふろあきた! おわり!」





湯船から飛び上がるようにして浴槽を逃げ出し、京一は一目散に脱衣所へ。
転ぶから走るな! と注意する遠野を無視して、無事に脱衣所に到着すると、用意してあったタオルを掴む。

京一は自立心が強いようで、着替えもそうだし、こうした時に世話を焼かれるのを嫌う。
自分の事は自分で、出来る事は全部自力で、と思っているようだった。
しかし、やはりまだ三つになったばかりの子供、どうにもその手つきは乱雑で。


─────はあ、と遠野は溜息一つ。
もう一つタオルを手に取って、しっとりと濡れた赤茶色の髪にそれを乗せた。





……此処に来たのは、沢山の子供達と触れ合いたかったから。
なのに、今は専ら、この手のかかる子供につきっきり。

けれどそれも悪くないと思うのは、手のかかる子ほどなんとやら、と言う奴なのだろうか。








子供達と絡め易いので、何かと登場するアン子。

基本的に彼女は京一の面倒見役になってます。
特別贔屓してると言う訳ではなくて、誰かが見ていないと危なっかしいのですね。で、アン子が見ている時に限って何かやらかす。

統合リニュはしたけれど

  • 2011/12/01 01:26
  • Posted by

ぶっちゃけまだ悩んでるコンテンツが一杯……

龍龍コンテンツのデザインは今の状態か気に入ってるので、しばらく弄る気はありません。
ネタ粒は思いの外増えたので分割しましたが、それ位ですね。絵もPC観覧ページと携帯用ページでリストを分けたいので、手が空いたらまたPHPいじります。
一番の悩みどころは裏……あれもう隠しの上で鍵つけた方が良いのかしら。鍵つけられないけど。

FFコンテンツには普通にレオンさんがいますが、D禁はやっぱり怖いです……
レオン関連を全部分けて鍵かけようかとも思ったんですが、やっぱり鍵のかけ方が判りませんorz フォームタグが訳判らない。タグサイトで勉強中です。
レオン単品・クラレオでもう少し作品が増えたら、鍵かけて放り込もうかと思っています。その頃にはパスワード設定できるようになっておきます。
レオスコとかなんでハマっちゃったんだ自分。物凄い扱い困る。自業自得。

最遊記に関しては、とにかく旧作を早く全て移動できるように頑張ります。

龍龍オンリーサイトの頃にやっていたネタ粒(短文放置置き場)はこれからもやります。これからは此方のブログにて、FFと最遊記も思いつき次第投げて行く予定です。


……って言うかそもそも、こんな僻地に来る人いるんだろうかと。
元が超マイナージャンルのドマイナーCP扱ってたサイトだからなぁ……

…良かったら拍手で「見てるぞサボんなゴルァ」って頭殴ってやって下さい。現金なので超やる気出ます。

リニュ完了

  • 2011/12/01 00:00
  • Posted by

ようやくサイトリニューアル&統合です。

龍龍オンリーの頃から携帯でお越しの方には、それほど差がないように見えるかも知れませんが、一応これでリニュ完了です。
リニュついでに今までネタ粒に放り投げていたSSもまとめました。
龍龍ページだけ背景真っ黒仕様なのは、私個人が龍龍にダーク系のイメージが強かったから。要は趣味です。気が変わったらいきなりcssいじくり出すかも知れません。

最遊記サイトからお越しの方、完全に倉庫化させてしまって申し訳ありません。
悟空の誕生日だけは毎年祝っていますが、他(オフラインも)がぱったり……日記も停止して完全に死亡状態…
Webでもオフラインでも書き途中の話があるし、頂いたリク(既に五年近く前…)も消化し切っていないし、書きたくない訳じゃないから閉鎖したくないしで、うだうだやっておりました。
ハマってから既に十年が経ちましたが、まだ止めません。しばらく手が離れていましたが、またぼちぼち書きたいです。…って前にも言ってる。ごめんなさい。
流石に書いていた時期が長かった所為か、思ってる以上に旧作が多く、此方の移転作業はまだ終わっておりません。削除も考えましたが、自分で気に入っているものも多く、貧乏性なもので……えっちらおっちら移動させて行こうと思います。

FFジャンルからお越しの方、まだ中身薄い状態で申し訳ない。
此方はpixivと併用と言うか、pixivに上げたものをこっちで収容、と言うつもりでジャンル部屋を作りました。その内、pixivにもあげるのどーよという俺得ブツが増えると思います。えろとかえろとかえろとか。


心機一転で頑張りたいと思いますので、気が向いた時にでも寄って行ってください。

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