サイト更新には乗らない短いSS置き場

Entry

2011年12月15日

設置ミスと、通販の発送完了

  • 2011/12/15 00:27
  • Posted by

メールボックスのCGIの設定を一部ミスしていました。
改装後(12月1日)より本日までにメールにてメッセージを下さった方、いらっしゃいましたら申し訳ございません。先程CGIを設置し直し、動作確認を済ませました。ついでメールアドレスの記入なしでも送信可の設定になりました。メールアドレス記入なしで送って頂いたメッセージの返事は、此方のブログに書かせて頂きます。
リクエスト関連・他連絡事項などでメッセージを送って下さった方がおられましたら、お手数ですがもう一度送って頂けると助かります。本当に申し訳ございません。

拍手CGI、通販CGIの方は問題なく稼働しております。拍手・通販注文して下さった方、ありがとうございました!
12月1日~12月10日までに通販で申込みいただきました本は、今週月曜日に発送いたしました。二週間が経ってもお手元に届かないようでしたら、郵便事故の可能性がありますので、お手数ですが、メール・拍手どちらかにてお知らせ下さい。直ぐに確認します。

[589]好きじゃない≠嫌い

  • 2011/12/15 00:06
  • Posted by





早く大人になりたかった。
そうすれば、一人で生きていけるようになると思ったから。

けれど。








「どりゃー!」
「うりゃー!」




雄叫びの如く響いた声。
スコールはそれに眉根を寄せる暇もなく、背中に覆い被さる重みによって押し倒された。

わははは、と暢気な笑い声が木霊して、スコールは潰されたカエルの如く地面に俯せにされて動けない。
それをあらん限りの腕の力をフル活用させ、上半身を跳ね起こす事で、背に乗った重量物を振り落とす。
それすら楽しげな笑い声が重なるものだから、スコールの案外と低い沸点はあっと言う間に上り詰め、



「あんた達、いい加減にしろ!」
「スコール大明神様のお怒りだー!」
「逃っげろー!」



けらけら笑いながら、右へ左へ散るのは、バッツとジタンのお調子者二人組。

どういう理由か知らないが、彼らは何かにつけてスコールに構いつけてくる。
遊び相手が欲しいのなら、同じように騒げるティーダなり、付き合いの良いフリオニールやクラウドなりいる筈なのに、彼らの標的は決まってスコールだった。
騒がしいのが嫌いなスコールにしてみれば、全く迷惑極まりない。


左右に散った二人のどちらかを追い駆ける────等と言う労力の無駄遣いを、スコールはしなかった。
追えば追うだけ彼らは調子に乗って逃げ回り、捕まえて苦言を呈した所で大した効果はない。
一つ二つ苦情を言って改善するのなら、あるならとっくの昔にこの関係は終わっている筈だ。



(なんなんだ。どうして俺の周りはいつも……)



逃げて行く賑やかな二人を見送る形で立ち尽くし、スコールは胸中で呟いた。
呟いてから、思考が宙を舞う。



(……いつも、)



いつもって、いつの事で、なんの事だろう。
記憶の欠損が激しいこの世界では、度々こうした感覚に見舞われる。


記憶は、自分自身の欠片。
それが不確かなままで、スコールはこの世界で戦い続けている。
それはスコールに限った話ではない。

けれど、そんな仲間達の中で、スコールの記憶の欠損は著しいものがあった。
最初は誰でも(個人差はあるようだが)そうだと言うが、それでも皆、大なり小なり記憶の破片を取り戻していると言う。
スコールも一番最初───それが何時であったかは判然としないのだが───に比べれば、記憶は戻っていると言える。
しかし、身近に誰がいたとか、どんな生活を送っていたとか、元の世界がどんな風景であったのかとか、そう言う事はからきし思い出せないままだった。

それなのに頻繁に思考の中に現れる、“いつも”と言う言葉。
何を示して、何と比べてそう思うのかも判らないのに、当たり前に出てくる、この感覚。



(煩かった。静かな方が好きなのに。いつも俺の回りは騒がしい)



いつも騒がしくて、いつも忙しなくて。
ゆっくり考える時間も与えられないまま、周りの勢いにどんどん飲まれて押し流される。
流されている内に、知らない間に、沢山の荷物が増えて行く。

他人の荷物を持つのは嫌だった。
自分の事で精一杯だったから、自分一人で生きて行こうと決めたから、人の荷物は重いだけのものだったから。


────それなのに、何故だろう。



(いつも騒がしくて、それが鬱陶しいと思ってたのに)




ぽつんと立ちつくし、俯いたスコールを、離れた場所で合流したバッツとジタンが見つけた。
二人は顔を合わせて、踵を返す。

とんと二人同時に地面を蹴って、立ち尽くす大人びた顔の少年に跳び付いた。




「何ぼーっとしてんだぁ、スコール!」
「悩み事ならおにーさんに相談しろよっ」
「……あんたにだけは絶対御免だ」




素っ気ない言葉を返すスコールに、バッツがひでえと笑いながら言った。
バッツが駄目でも、オレには言えよ!と胸を張るジタンに、気が向いたらな、とだけ返す。





早く大人になりたかった。
一人で生きていけるようになりたくて。

けれど、何故だろう。


いつも周りは煩くて、それを決して、嫌いだとは思えないんだ。







仲良し589。
この三人のイメージは、59が8を一方的に振り回してるようで、8が59に精神的に甘えてる感じ。

Pagination

  • Newer
  • Older
  • Page
  • 1

Utility

Calendar

11 2011.12 01
S M T W T F S
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

Entry Search

Archive

Feed