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2013年12月

メリークリスマス!

  • 2013/12/25 23:20
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メリークリスマス!
と言う事で、[絆シリーズ]のレオン・エル・子スコ・子ティーダ・ジェクトでクリスマスSSです。

[今は見えない裏側で]
[真実はその手の中に]


相変わらず妙にノリの良いレオンとエルがいます。これは確実に父親の所為w
多分彼は、自分で衣装着て「メリークリスマース!」って窓から入ろうとして、足攣ったりしてたんじゃないでしょうか。
そして怒られていたんだと思います。そんな父の影響を完全に受け継いでいる二人でした。

そんな二人の父親に比べ、不器用で何かと失敗してしまうジェクトですが、彼も彼なりに一所懸命。
空回りしたり、なんで素直になれないんだと自問自答して凹む事もありますが、ティーダが喜んでくれるなら色々やってくれる筈。
そんな訳で↑の話が出来ました。

愛され子スコ&子ティーダはいつも通り、仲良しです。

[絆]まだ見えない裏側で

  • 2013/12/25 23:07
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サンタさんに逢うんだ、と言っていたティーダと、そんなティーダに付き合う形で起きていたスコール。
しかし、やはりと言うべきか、案の定と言うべきか、二人は日付が変わる前に、すっかり夢の住人となっていた。


クリスマスとなれば、豪華な外食でも、と思う人々は多いもので、飲食店は絶賛書入れ時である。
しかし、レオンはアルバイト先のカフェバーのマスターから、家族と一緒に過ごしなさい、と言う笑顔と共に、休みを貰った。
お陰で家族揃っての夕飯を過ごす事が出来、スコールは勿論、ティーダとエルオーネも喜んだから、レオンもとても嬉しかった。
レオンとエルオーネが手作りした豪華な夕飯とケーキを食べた後、スコールとティーダは風呂に入り、早く寝なさいとエルオーネに言われたのだが、此処でティーダが抵抗した。

ティーダは「サンタさんに逢う!」と言って、サンタクロースが来るまで絶対に寝ないと言うのだ。
随分ムキになるなと思ったら、ガーデンが冬休みに入る直前、クラスメイトとサンタクロースがいるかいないかと言う討論で白熱したらしい。
ティーダの意見は、意外にも「いない」側で、「いる」と言うスコールとも喧嘩寸前になった。
ティーダは今まで、クリスマスにサンタクロースが来てくれた事がないと言う。
エルオーネがジェクトに電話をしてそれとなく訊ねてみると、確かに、クリスマス・イブの夜、ティーダの枕元にプレゼントを置いた事はなかった────との事。
ザナルカンドのクリスマスには、ブリッツボールのエキシビジョンマッチが組まれる為、花形であるジェクトは当然呼ばれ、その後の打ち上げにも参加していた。
ジェクトとしては、妻が何か用意しているとばかり思っていたようだが、残念ながら、ティーダは今まで一度もクリスマスプレゼントを貰った事がなかったのだ。

「サンタがいない」と思っているティーダが、「サンタに逢う」と言い出したのは、サンタクロースの有無の真相を確かめる為だ。
スコールは「毎年来てくれるもん」と言うから、じゃあ逢える筈だから逢う、逢えたら信じる、と言う結論に至ったのである。

それを聞いて、エルオーネが黙っていられる筈もない。
エルオーネはもうサンタクロースを信じる年齢ではなかったが、スコールはまだ信じている。
だが、そんなスコールも、ティーダが余りにも「サンタなんかいない」と言っていた所為か、半信半疑になっていた。
可愛い弟達に夢を見せるべく、彼女は奮闘した。
「バラムではサンタさんにはお手紙を書くんだよ」と言って、信じていないティーダをなんとか説き伏せ、スコールと共に欲しいものを書いて貰い、それを準備できるように弟達の目を盗んで走り回った。
そんな妹から話を聞けば、レオンも傍観してはいられない。
弟達の夢を叶えるべく、妹ともに、時間の合間を見付けては準備に勤しんだ。

そしてクリスマス・イブ当日を迎えた訳だが──────


「寝ちゃったね」


リビングのソファで、二人仲良く寄り掛かってすやすやと寝息を立てているスコールとティーダを見て、エルオーネはくすりと笑った。
そうだな、とレオンは頷いて、窓辺のテーブルから席を立つと、眠る弟達にブランケットを用意してやる。
起こさないようにそっとブランケットで包んでやると、レオンはスコールとティーダを順番に二階の寝室へと運んだ。

レオンがリビングへと戻ると、エルオーネはテーブル横の窓から、外を見ていた。
夜空は澄んで沢山の星を散りばめている。
クリスマスに限らず、冬に雪が降るなんて事はバラムでは先ず有り得ないが、無数の星に彩られた聖夜も悪くない。

レオンはキッチンに入ると、二人分のコーヒーを淹れた。
一つにはミルクを少し、砂糖を2杯入れて、リビングへ運ぶ。


「ほら、エル」
「ありがとう」


兄が差し出したコーヒーカップを受け取って、エルオーネはふーっ、ふーっ、と吹きかけて冷ます。
レオンも湯気を立てるコーヒーを少し冷まして、口を付けた。

少しの間沈黙が流れて、どちらともなく、リビングの時計に目を向ける。
時刻は11時半─────日付が変わるまで、後幾許もない。


「遅いね、ジェクトさん」
「……そうだな」


コーヒーを傾けながら呟いたエルオーネに、レオンは眉尻を下げた。
テーブルの端に置いていた携帯電話を取って、メールか電話の着信がないか調べてみる。
が、あったのは数時間前に送られてきた一件だけだ。

ふう、と小さく溜息を吐いて、レオンは携帯電話を元の位置に戻した。


「そろそろ船は着いてる筈だが……」
「遅れてるのかな?」
「それだけなら良いんだけど」


万が一の事態を想像して、レオンは緩く首を横に振った。
考えてしまうと現実になってしまう気がして、浮かび掛けた情景を無理やり追い出す。

────その時だった。
ドンドン、と控えめではあるが重い音が、玄関から響く。
直ぐにレオンが玄関に向かって、ドアを開けた。


「お帰り。ギリギリセーフ、だな」
「……そうかい。そりゃ、良かった」


苦く笑みを浮かべて、レオンの言葉に答えたのは、ジェクトだった。

ジェクトは肩を揺らしながら、少し息が乱していた。
肺活量でも体力でも、並大抵ではない筈のジェクトが、呼吸が乱れる事など滅多にあるまい。
港からこの家までは、歩いても20分もかかるまいに、どれ程速く走って来たのか判ると言うものだろう。

ジェクトをリビングへと招き入れ、「お帰りなさい、ジェクトさん」と言うエルオーネの声を聞きながら、レオンはキッチンへ向かった。
レオンがジェクト用にとホットレモンのドリンクを作っていると、リビングから妹の声が届く。


「やだ、ジェクトさん。これ、そのまま持って帰ってたんですか?」
「ん?なんか不味かったか?」
「不味いって言う程じゃないです、けど……ジェクトさんがこれを持ってる所をティーダが見たら、『やっぱりサンタさんはいないんだ』って言い出すかも知れないですよ」
「いや、大丈夫だろ。アイツが見る事なんかねえって。寝てるアイツの枕元に置けば良いだけなんだし」
「さっきまでスコールと一緒に其処にいて、ずっと起きてたんですよ。『サンタさんに逢うんだ!』って意気込んで。良かった、寝てくれて……」
「あのガキ、こんな時間まで起きてやがったのか……」


マグカップに入れたホットレモンを手に、レオンがリビングに戻ると、エルオーネが直径30cm程のボールを持っていた。
ボールは青と白のカラーラインでデザインされており、真ん中には“Bliz ball Official Club”の文字。
ジェクトがザナルカンドで購入した、ブリッツボールのオフィシャルグッズとして売られているボール───-─ティーダがサンタクロースにお願いした、クリスマスプレゼントだ。


「ジェクト、これ」
「おお、サンキュ」
「ねえ、レオン。これ、このまま置いても大丈夫かな?」


ジェクトにホットレモンを渡したレオンに、エルオーネがボールを翳して見せる。
ボールは、ザナルカンドのブリッツボール協会のものと思われる、ロゴが印字された袋に入っていた。
袋に印刷されているロゴは、帯状になって袋を華やかにしていたが、これだけではプレゼントとして少々味気なく見えた。


「うーん……リボン位は結んだ方が良いか」
「ンな事したって、どうせ解いて捨てるだろ?」
「それは、そうだけど。やっぱりプレゼントらしくした方が、小さい子は喜びますよ」
「…そう言うモンかねぇ」


開ける手間は少ない方が良いだろ、と呟くジェクトに、レオンとエルオーネは顔を見合わせて眉尻を下げた。

リボンは、エルオーネが授業で使ったカラーテープが余っていたので、これを使った。
ラメ入りのテープがきらきらと光って、プレゼント感がぐっと増したように見える。


「これで良し。レオン、スコールのプレゼント────」
「持って来た。これだろう?」


これ、と言って見せるレオンの手には、手のひらサイズの四角いプレゼントボックス。
キッチンボードの高い位置に置いてあったそれは、まだ幼いスコールには、背伸びしても届かない位置に置かれていた。
サンタクロースの存在をを信じ切っている彼に、決して見付からないように。

綺麗なラッピングが施されているが、余りにも小さなクリスマスプレゼントに、「なんだ、そりゃ?」とジェクトが訊ねる。


「カードケースだ」
「…クリスマスにわざわざプレゼントする程のモンでもないと思うが…」
「良いんですよ。スコール、これが欲しいって、サンタさんにお願いしてたから。柄もこれが良いって言ってたし」


一点物のカードケース、と言う訳ではないが、スコールが悩みに悩んでお願いしたものだ。
大事に使ってくれたら良いな、とエルオーネが言って、大丈夫、とレオンが頷く。


「じゃあ、行こうか。ジェクトも一緒に」
「俺もかよ。……しゃーねぇなあ…」


促すレオンに、ジェクトが渋々と言う貌で重い腰を上げる。
息子には父から、とレオンがボールを差し出すと、また渋々と言う貌のまま、ジェクトはそれを受け取った。
赤い瞳がリボンを巻いたボールを見下ろして、ジェクトはむず痒さを誤魔化すように、がしがしと乱暴に頭を掻く。

そのまま二階へ向かおうとした二人だったが、


「ちょっと待って、二人とも。上がる前に、ちゃんとこれに着替えてね」


呼び止めるエルオーネに振り返ると、一体いつの間に持って来ていたのか、彼女の手には赤いものが入った袋が抱えられていた。

はいっ、と差し出されたそれを、二人は反射的に受け取る。
一体何を渡されたのかと、それぞれ袋を覗き込んでみると、ふわふわの白い綿毛が縫い付けられた、赤い服が入っていた。


「嬢ちゃん、こいつは……」
「サンタクロースの衣装です。スコールとティーダが起きちゃったら、ちゃんとサンタクロースになり切ってね」


にこやかな笑顔で言ったエルオーネに、ジェクトは数瞬、固まっていた。
その横で、レオンは心得たとばかりに、率先して赤い衣装を羽織っている。

起こさなければ良いだろう、とか、どうせ寝惚けてるだろ、とジェクトは思ったが、目の前でにこにこと笑う少女は勿論、傍らで着々と着替えを進める少年を見るに、「着替えない」と言う選択肢が許されない事は、直ぐに判った。
レオンに至っては白髭まできちんと蓄えて、太っていない事さえ除けば、すっかりサンタクロースの様相になっている。
此処までしっかり用意している兄妹を見たジェクトは、寧ろ二人を起こすつもりなのではないか、とさえ疑ってしまう。



全ては、子供達の純粋無垢な願いを叶える為に。

サンタクロースは、プレゼントと一緒に、夢を運んでくるものなのだ。




[真実はその手の中に]
つくづくこのシリーズのレオンとエルはノリが良い。
だって弟の喜ぶ顔が見たいから。
ジェクトも息子の笑った顔が見たいけど、何せ不器用ですから。

イヴの話なので、昨日中に書ければ良かったんですが、思い付いたのが今日だったもので……若干の遅刻感。

[絆]真実はその手の中に

  • 2013/12/25 23:04
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ちゅん、ちゅん、と言う鳥の鳴き声と、瞼の裏に透ける眩しい光。
部屋の外から微かに香る、トーストの香ばしい匂いに気付いて、朝なんだ、とスコールは知った。


「んぅ……」


こしこしと目を擦りながら、スコールは起き上がる。
その横で、ころん、とティーダが寝返りを打った。

朝に弱いスコールは、寝て起きてからしばらくの間、ぼんやりとしている事が多い。
今日も中々活動スイッチがオンに入らず、ベッドの上で転寝しながら座っていた。
頭を持ち上げては、首の坐らない赤ん坊のようにカクン、と落とす所作を繰り返していると、横でもう一度、ころん、と寝返りを打つ気配。
スコールはもう一度目を擦りながら、隣で眠るティーダを見遣り、


「……寝ちゃった…」


昨夜、ティーダが『サンタさんに逢うまで寝ない』と言っていた事を思い出す。

ティーダは、「サンタクロースはいない」と言っていた。
スコールは、「サンタクロースはいる」と思っている。
けれど、ティーダが「絶対いない」と言い切るものだから、スコールも段々と自信がなくなって行ってしまった。
其処で、サンタクロースに逢って真実を確かめると言うティーダと一緒に、サンタクロースが家に来るのを待つべく、起き続けていようと頑張っていた────のだが、いつの間にか寝落ちてしまっていたようだ。


(寝たら起こしてって言われてたのに…)


スコールが寝たらオレが起こすから、オレが寝たらスコールが起こして。
ティーダにそう頼まれて、スコールは頷いた。
が、結局、どちらが先に寝たのか判らない内に、二人とも眠ってしまっていたらしい。

もう朝になってしまったが、取り敢えず自分が先に起きたので、ティーダを起こさねばなるまい。
いつも一緒に寝ている筈のエルオーネもいないし、きっと彼女はもう一階に降りて、兄と一緒に朝食の準備をしているのだ。
二人で一緒に降りて、ご飯を食べて、兄と姉にサンタクロースが来てくれたか確かめないと。

そう思いながら、ティーダの方を振り返ったスコールの目に、見慣れないものが飛び込んできた。


「……?」


ティーダの枕元に、大きなリボン付のビニール袋が置かれている。
中に入っているのは青と白のラインが書かれたボールだった。

こんなものは、昨日はなかった。

ぱち、ぱち、と瞬きを繰り返した後、スコールははっと思い出す。
きょろきょろとベッドの周りを見渡すと、今度は自分が寝ていた枕の傍に、ラッピングされた小さな箱が置いてあった。
思わずドキドキと胸が高鳴るのを感じつつ、そっと手に取った箱には、『Happy Merry Xmas!』のシールが貼られている。


「……!」


思わず、胸からそのまま心臓が飛び出るかと思った。

震える手でリボンを解いて、包装紙を丁寧に丁寧に剥がす。
スコールの掌よりも少し大きい箱の蓋を開けると、中には青色の光沢を放ち、真ん中には“Triple Triad”の文字と共に、長い髭と美しい毛並を持った雄々しい魔獣の意匠が施されたケースが入っていた。


「……!…!!」


その興奮も冷めやらぬ内に、スコールは隣で寝ているティーダを揺さぶる。


「!…!……!!」
「んぁ……なに~…?」


ゆさゆさと体を激しく揺さぶられ、安眠を妨害されたティーダは、思い切り顔を顰めてのろのろと目を開けた。
寝惚けた色を残す青と、ぱっちりと興奮した蒼がぶつかる。


「…なに…すこーる……」
「……れ…これっ、これっ」


興奮の余り、声の出し方さえも忘れたスコールだったが、精一杯に音を吐き出しながら、青いケースと剥がしたラッピング紙を見せる。

ティーダはごしごしと目を擦りながら箱を見た。
それから、包装紙に貼られた『Happy Merry Xmas!』のシールに気付き、


「……それ」
「……」
「…プレゼント?」
「……!」
「…サンタの?」
「……!!」


一言一言を区切るティーダと、その一つ一つにこくこくと首を縦に振るスコール。

ティーダの目が、きょとん、とスコールを見詰める。
信じられない────と言うよりも何が起きているのか判らない、と言う表情だ。
そんなティーダの顔を掴んで、スコールはぐいぐいと彼の向きを変えさせる。


「痛い痛い!なんだよ、スコール!」
「それっ、そっちっ、ティーダのっ」


順序立てて説明する事は愚か、まだ声の出し方を忘れているスコールだったが、辛うじてそれだけは言う事が出来た。

言葉よりも先に、強引に首を捩じられたティーダは、少しの間顔を顰めていたが、自分の枕元に置かれているものを見付けると、青い瞳を零さんばかりに大きく見開いた。


「……これ」
「……」
「…プレゼント?」
「……!」
「…オレの?」
「……!!」


一言一言を区切りながら問うティーダに、スコールはこくこくと首を縦に振った。

恐る恐る伸ばされたティーダの手が、袋に包まれたボールに触れる。
ボールには“Bliz ball Official Club”と書かれていた。
それの意味する所を、ティーダはよく知っている。

二人は同時にベッドを飛び出して、ばたばたと転がる勢いで階段を下りた。


「お兄ちゃん、お姉ちゃーん!」
「レオンー!エル姉ー!」


短い距離を走っただけなのに、すっかり興奮した所為だろうか。
はあはあと息を上げながらリビングにやって来た二人を出迎えたのは、並べられた朝食と、レオンとエルオーネ、そしてジェクトだった。

ジェクトがいる事に、スコールとティーダは顔を見合わせる。
彼は時々、息子の様子を見る為に帰って来るが、その時は必ずレオンかエルオーネに連絡がある。
今回は何も聞いていなかったので、不思議に思ったのだ。

────が、


「おはよう、スコール、ティーダ」
「おはよう、二人とも。サンタクロースはどうだった?逢えたか?」


朝の挨拶と共に、サンタクロースの事を聞かれて、はっと子供達は我に変える。


「サンタ!サンタ、逢えなかった!」
「でも来てくれたよ、サンタさん!」
「これ、ほら、プレゼント!サンタさん、持って来てくれた!」
「僕のも!これ、これっ!」


顔を真っ赤にして興奮し切り、見て見て、とカードケースとボールを差し出して見せるスコールとティーダ。
レオンとエルオーネは、そんな二人の頭を撫でて興奮を宥め、


「スコールはカードケースか」
「これ、欲しいって言ってた奴だね。良かったね」
「うん!」
「ティーダは、これは────ブリッツに使うボールか?」
「うん!ザナルカンドにある、こーしきの奴!ザナルカンドじゃないと買えない奴!」
「ザナルカンドじゃないと手に入らないの?凄ーい。やっぱりサンタさんは凄いねえ」


兄と姉の言葉に、弟達の弾む声がより高く響く。

きらきらと輝く蒼と青が、まるで夢の宝物を見付けたかのように、じっとプレゼントを見詰める。
スコールは、まだ何も入っていないカードケースの蓋を、開けては閉めてと繰り返す。
ティーダはボールを袋から出し、感触を確かめるように、両手でもってくるくると回し見ていた。

プレゼントにはしゃぐ二人の子供達は、昨晩、サンタクロースが来てくれるかと不安になっていた事など忘れていた。
彼等の真実は、彼等の手の中にあるものが、全てを物語っている。
スコールは信じた通りにサンタクロースがいた事、ティーダは生まれて初めてのクリスマスプレゼントに、すっかり夢中になっていた。


そんな子供達を、赤い瞳がじっと見詰めている。



眩しげに細められる赤い瞳が、柔らかな光を浮かべている事に気付いて、レオンとエルオーネは顔を見合わせて笑みを零した。





子供達の喜ぶ顔って、良いですね。
これが見たいから、叶えてあげたくてお兄ちゃんお姉ちゃんは一所懸命。
親父も一所懸命なんです。でも不器用だから。ちゃんと喜んでる顔が見れて、ちょっとホッとした。

[サイスコ]びっくりさせる筈だった

  • 2013/12/22 20:52
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サイファー誕生日でサイスコ!





三日前に入った緊急の任務は、大した内容ではなかった。
ドール郊外に巣を作り、最寄駅で列車を襲う魔物を退治してくれ、と言うもので、わざわざサイファーが出張らねばならない物でもない。
慢性的な人手不足にも関わらず、時間を持て余していたサイファーに、キスティスが「暇なら行って来て頂戴」と寄越しただけの事。
自分がデスクワークに向く性質ではない事を自覚しているサイファーは、これ幸いにと机から逃げ出し、早朝から大陸横断鉄道に乗ってドールへと出発した。
魔物は少々数が多かったが、サイファーの手を煩わせる程の事ではない。
面倒だったことと言えば、コロニー的な巣があちこちに分散していた事で、後でこれを再利用されない為に全て燃やし潰さねばならなかった事だ。
経費で借りたレンタカーを走らせ、あちらこちらへ走り回り、それで丸一日を使ってようやく全ての巣を駆除する事が出来た。

夕焼けの沈むドールを後にすれば、バラムに帰った時にはすっかり夜。
適度な運動をこなしたお陰か、ガーデン校門を潜る頃、サイファーの口からは欠伸が漏れていた。
報告書は明日書いて提出するとして、今日はさっさと風呂に入って寝ちまおう、と思いつつ、寮へと向かう。
そして辿り着いた我が家───寮部屋───に、明かりが灯っている事に気付いた。
サイファーの部屋に、彼のテリトリーだと判っていて入って来る人間はごく少数で、更に滞在しているとなると、一人しかいない。


(また俺の部屋で寝てんのか)


サイファーの部屋が、自分の部屋よりも指揮官室から近い距離にあるからと、彼はしょっちゅうサイファーの部屋に寝泊まりする。
その時、部屋の持主の都合は全く考慮されておらず、正しく勝手知ったる何とやらだ。
傍迷惑と言えば傍迷惑なのだが、早朝に会議を予定している筈なのに、昏々と自室で眠り続けていた(日頃の疲れもあるので仕方がないとは思うが、それで回らないのが世の中だ)彼を、指揮官室から寮の奥にある部屋へと呼び付けに行く回数が増えた頃、サイファーは彼を好きにさせる事にした。
自分が目が覚めた時、彼がまだ横で眠りこけていれば、その場で起こしてやる事が出来る。
───そんな経緯で、彼の行動を容認してしまう位に、サイファーが彼の世話を焼くのは当たり前の事となっていた。

部屋の扉には、ロックがかかっていない。
相変わらずの不用心さに呆れるものの、彼と幼馴染以外の人間がサイファーの部屋を訪れる事はない。
仮に泥棒でも入ろうものなら、どんな目に遭うか、知らない者はバラムガーデンにはいるまい。
だが、習慣として、鍵をかける癖はつけろと言っているのに、彼は今日もアンロック状態で寝ているようだ。

やれやれ、と思いながらドアを開けようとして、サイファーはパネルスイッチを押す手を止める。
部屋の中で、ごそごそと人が動いている気配があった。


(起きてんのか)


寝ているものとばかり思っていたので、少々虚を突かれた。
が、彼が起きているからと言って如何する訳でもない。
サイファーは改めてパネルスイッチを押して、自分の部屋へと入室した。


「おーい。帰ったぞー」


活動している筈の彼に声をかけるが、返事はなかった。
入って直ぐに目につくベッドにも、彼の姿はなく、珍しい事に、使った形跡さえも残っていなかった。

妙だな、と思っていると、キッチンの方からガシャガシャと言う音がする。
なんとなく嫌な予感を感じて、サイファーの眉間に深い皺が寄せられた。
恋人のそれと酷似した皺をそのままに、何してやがるんだ、とキッチンを覗き込む。

─────其処にあった光景を見て、サイファーは深々と溜息を吐いた。


「……おかえり」


キッチン台の前に立っていた恋人────スコールが此方を見て言った。

スコールの眉間には、今のサイファーよりも更に深い皺が寄せられている。
如何にも不機嫌ですと言わんばかりの表情は、幸か不幸か、サイファーに向けられたものではない事が判る。
スコールを不機嫌にさせているのは、多分、恐らく、十中八九、彼の前髪や横髪、頬にぺったりとくっついている、白い液体の所為だろう。


「……お前、何してんだ」


サイファーが胡乱な目で問うと、スコールは無言で自分の腕に抱えているものを見下ろした。
其処には銀色のボウルがあり、中には白い液体がなみなみと揺れており、泡立て器が入っている。
泡立て器があると言う事は、あの白い液体を掻き混ぜていたのだろうと推察されるが、それにしても一体どうやって掻き混ぜていたのだろうか。
スコールの周囲には、彼を中心に半径一メートル前後、白い液体があっちへこっちへと散らかっていた。

スコールは唇を尖らせて、ボウルをキッチン台に置いた。
来ているTシャツの裾を引っ張って、ごしごしと顔を拭くスコールを見て、サイファーは眉根を寄せる。
ずかずかと彼に近付くと、サイファーはスコールの腕を掴んで、顔を拭く手を止めさせた。


「拭くなら、ちゃんとタオル使え。つか、そのシャツも汚れてんじゃねえか」
「………」


白いシャツを着ていたので、遠目には判らなかったが、スコールの服にも白い液体は付着していた。
スコールも言われてようやく気付いたのか、摘まんでいたシャツを見下ろして、「本当だ」と言いたげな雰囲気を滲ませる。

ああ、もう。
サイファーはこれみよがしに溜息を吐いてやると、掴んでいたスコールの腕を引っ張った。
スコールは特に抵抗する事もなく、サイファーの後ろをついて来る。


一体何をしたんだ、とぶつぶつと愚痴を零しながら、サイファーは洗面所に入ると、タオルを取り出した。
スコールの顔や髪に付着している白い液体を、ごしごしと乱暴に拭ってやると、スコールは「…痛い」と呟いたが、されるがままに大人しくしている。


「で、お前は一体、何をしようとしてたんだ?」


髪にこびり付いている白い液体を拭いながら訊ねるサイファーに、スコールは唇を尖らせる。
何を拗ねてるんだ、拗ねたいのはこっちだ、と思ったサイファーだが、ふと、スコールの白い頬がほんのりと赤らんでいる事に気付いた。

じい、と青灰色の瞳がサイファーを見詰める。
何かを言いたげな、しかし中々それを口に出そうとしないスコールに、サイファーは今日何度目か知れない溜息を吐く。
こういう時、のんびりと待ってやるのも良いが、それでは明日の朝日が昇ってしまう。
少し突いてやると、余程意固地になっている時でもなければ、スコールはなんとか言葉を絞り出せる。


「何だよ?」
「………」
「あ?」
「…………」


傍目に聞いていると、サイファーは完全に喧嘩腰だったが、此処にいるのはスコールのみ。
スコールはしばらくサイファーの顔を見詰め返した後、ぼそぼそと、小さな声で呟く。


「……あんた…」
「ん?」
「………あんたの……」
「俺の?」
「………誕生日……」


聞こえるか聞こえないか。
正しく、蚊の泣くような声で、スコールは言った。

直後、スコールはサイファーの手からタオルを引っ手繰り、サイファーの顔面に投げつけた。
然程湿気を含んでいる訳でもないタオルは、ふわりとサイファーの顔を襲っただけで、ダメージにはならない。

どたどたと騒がしい足音が遠退いて、サイファーがタオルを取ると、既にスコールは其処にいなかった。
洗面所を出てベッドを見れば、丸くなっている猫がいる。
此処を出て行こうとはしないんだな、と思いつつ、サイファーはキッチンへ入った。
キッチンは相変わらず、あちこちに白い液体を飛び散らせており、キッチン台周りは特に悲惨な状態だ。
そんな中、ぽつんと忘れ去られているボウルを覗き込むと、先刻と同じ、真っ白な液体がたっぷりと入っている。
流し台の三角コーナーを見ると、ホイップクリームの200mlパックが捨てられていた。


(俺の、誕生日、ね)


成程、と。
スコールが何をしようとしていたのか判って、サイファーの唇に笑みが浮かぶ。

サイファーはがしがしと頭を掻いた。


(普段からまともに飯も作れねえ癖に)


スコールは普段、日常生活に必要なる物事の殆どを、サイファーに任せきりにしている。
寮部屋を出ると(嫌々やらされているとは言え)指揮官としての見栄と言うか、人目が気になるのか、如何にも何でも完璧にこなして見せるが、その実、かなりの物臭である。
サイファーが面倒を見る事が当たり前になってからは、それも日々根深くなっているように見受けられる。

料理に関しては、全く駄目だ。
調理実習やサバイバル訓練で必要な技能は持っているが、それ以外の知識はからっきし。
その上、人目が気にならないと、張り詰めている糸が切れるのか、焼けば焦がすし、刻めば手を切るし、煮詰めていると熱くなった鍋に触って火傷をする。

そんな彼が、バースディケーキなど、まともに作れる訳もない。


(どーせ、固まらねえからって滅茶苦茶に掻き混ぜたんだろうな…)


無表情のまま、ムキになってホイップを掻き混ぜ続ける姿が浮かんで、サイファーは笑った。

やれやれ、と思いつつ、サイファーは雑巾を手に取った。
あちこちに飛び散ったホイップの掃除が終わったら、ボウルに入っているクリームを完成させよう。
それからスポンジを作って、これでもかと豪勢なデコレーションをしてやろう。
「嫌味か」と言う姿が想像できたが、その後、黙々とケーキを頬張る恋人が見れるに違いない。



ロマンティックとは程遠い、誕生日プレゼント未満。
自分の手で完成させて、恋人に食べさせてやるのも、まあまあ悪くないのではないだろうか。





サイファー誕生日おめでとう!

いつもサイファーが全部やってるから、たまにはびっくりさせてやろう(と言う体で)と思って誕生日ケーキ作ろうとしたけど、結局出来なかったスコールでした。
何故かサイスコになると、うちのスコールは本当に駄目な子になるようだ。
でもそんなスコールも可愛いじゃないか。サイファーに世話焼かれてると良いよ。

[クラスコ]放課後は俺のもの

  • 2013/12/10 00:37
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着地点を見ないで見切り発車で書いた現代クラスコ。




一日の就学時間を終えて、帰宅しようと校門に向かったスコールは、その五メートル手前で足を止めた。
不意に立ち止まったスコールを、数歩先に進んだティーダとヴァンが振り返る。
どうした、と問うヴァンに、スコールは答えなかった。
進む先、一点のみを凝視して固まったスコールに、ティーダとヴァンは首を傾げ、前へ向き直る。

三対の瞳が捉えたのは、校門横に佇む金色だった。
空から落ちる太陽の光を受けて煌めく金糸は、まるで鶏冠のように逆立っている。
それを見たヴァンが「ヒヨコみたいだ」と言った時、その持ち主は怒鳴りこそしなかったものの、一日不機嫌であった。
ヴァンがそれを知る由はないが、不機嫌に当てられたスコールにとっては、溜まったものではなかった。

金色の持主の名は、クラウドと言う。
スコールとは幼少時から近所付き合いが深く、スコールが中学生になるまでは兄貴分を自称していた。
現在は社会人となり、運送業者で働く傍ら、弟のように思っていたスコールに、いつしか抱いていた恋心を告白し、晴れて恋人となった仲である。


「クラウド、また来てるんスね」
「よく来るなー。暇なのかな。師走なのに」


ティーダとヴァンが呟くと、その横をスコールが早足で通り過ぎた。

つかつかつかつかと近付いて来るスコールに気付いて、クラウドが顔を挙げる。
ジャケットのポケットに突っ込んでいた右手を挙げ、ひら、と手を振る。
柔らかな虹彩を宿した瞳と、小さな口が笑みの形を作っていたが、スコールはそれを見ていなかった。


「遅かったな、スコール。少し心配したぞ」
「あんた、なんでまた此処にいる!?」


労いの言葉をかけるクラウドを無視して、スコールは小声で叫んだ。
それを受けたクラウドは、きょとんとした貌をして、何を言っているんだ、と首を傾げ、


「お前の迎えに来ただけだが」
「止めろって言っただろう!」


さも不思議そうな顔をして返答をしたクラウドに、スコールは顔を顰めて言った。


「もう子供じゃないんだ。あんたの迎えなんかなくても、一人で帰れる」


幼い頃、引っ込み思案で泣き虫だったスコールは、何処に行くにもクラウドがいなければ駄目だった。
一人でお使いなんて出来た事もなく、常にクラウドの傍にいて、「くらうどお兄ちゃん」と呼んで懐いていた。
クラウドもどちらかと言えば人見知りの気があったのだが、スコールの前では兄らしくなろうと振る舞い、少しずつ人見知りも克服した。
だが、スコールの引っ込み思案は長い間続き、小学校の六年間など、クラウドが毎日登下校に付き添わなければならなかった。

しかし、中学生になった頃、スコールは一念発起して自分を変えた。
一人で学校に通えるようになり、泣き虫も形を潜め、新しい友達も出来た。
苦手だった体育の授業でも好成績を残し、高校生になった今では、クラス委員に選出される程の優秀な生徒と言われている。
もう、クラウドがいなければ何も出来なかった小さな子供ではないのだ。

────だと言うのに、クラウドは未だに、暇さえあればスコールの登下校の送り迎えをしに来る。
それがスコールには、自分が子供扱いされているように思えて、酷く腹立たしかった。

睨むスコールの視線と、噛み付くような表情で告げられた言葉を聞いて、クラウドは首を傾げる。
うーん、と考えるように唸って、クラウドは鶏冠頭をがしがしと掻いた。


「別に、子供扱いしているつもりはないぞ?迎えに来るのは、単に俺がお前に逢いたいからだ」
「……っ!」


クラウドの言葉に、スコールの頬に朱色が上る。

言い返す言葉を探すように、はくはくと口を開閉させるスコール。
クラウドは其処から音が出てくるのを待たずに、スコールの手を握って、ティーダとヴァンを見る。


「そう言う訳だから、悪いな」
「了解っス」
「じゃーな、スコール」


何がどういう訳で、何が了解で、何がじゃあななんだ。
スコールの胸中の疑問は、何一つ音にされる事なく、引っ張る手に掻き消された。
また明日なー、と言う友人達の暢気な声が、無性に腹立たしい。

颯爽とした足取りの男の手は、スコールの手をしっかりと握り、どんなに力を込めても振り払えない。
くそ、とスコールが口の中で苦味を潰していた事を、目の前の男は知っているだろうか。
知っていたとしても、きっと彼は繋いだ手を離そうとはするまい。
それが判り切っている事が、またスコールには腹立たしい。

せめて、これ以上同じ轍は踏むまいと心に決めて、スコールは鶏冠頭を睨んで言った。


「あんた、もう学校に来るな。明日から絶対に来るな」
「何故だ?」


念を押して言うスコールに、クラウドは至極不思議そうに問い返した。


「昨日も言った。あんたの所為で、周りで妙な噂が立ってるんだ」
「妙な噂って?」
「……あんた、いつもでかいバイクで迎えに来るだろう。その所為で、俺が暴走族だか何だかと付き合いがあるんじゃないかって話になって、職員会議になったって」


クラウドはいつも、愛用の大型バイクに乗って迎えに来る。
バイク通学禁止の学校にあって、あの大型バイクは目立ち過ぎる。
最近はスコールに注意されて、最寄の駐車場に停めて来るようになったが、それまでは校門の真横に乗り付けていた。
あのバイクを見た学校の教員達は、優等生で知られているスコールが、良からぬ事に巻き込まれているのではないかと戦々恐々としているらしい────と言うのは、職員会議前に呼び出しを食らったティーダが偶々耳にした話だが、強ち嘘ではあるまい。

人目を気にするスコールにとって、自分を中心に立つ噂は、早急に消えて貰いたい。
それなのに、クラウドがこうして迎えに来ていては、噂は尾鰭背鰭と共に広まる一方だ。
ついでに、クラウドの方は、自分達が周りからどう見られようと気にしていないらしく、


「良いじゃないか。言いたい奴には好きに言わせて置け」
「あんたはそれで良くても、俺は困るんだ。変な噂の所為で、教師が変な目で見て来る」
「そうか。じゃあ、尚更、今のままで良いな」
「……あんた、俺の言ってる言葉の意味、判ってるのか?」


何故そんな結論に行き着くんだ、と睨むスコール。
クラウドは、そんなスコールの手をぐっと強く引っ張った。

蹈鞴を踏んだスコールと、立ち止まって振り返ったクラウドの距離が近付く。


「良いから、送り迎え位させてくれ。お前と二人きりで話せる時間は、これ位しかないんだから」


家では、良くも悪くも過保護な父と、弟の恋路を心配して止まない義理の姉。
学校にいる時は、その時間は学友たちと過ごす者で、部外者のクラウドは其処に加わる事は出来ない。
だから、学校でもない、家でもない、登下校の時間だけでも、恋人を独り占めしていたい。

虚を突かれたように頬を赤らめ、蒼灰色の瞳を瞬かせるスコールを見て、クラウドは小さく笑う。
くしゃりと濃茶色の髪を撫でて、クラウドはまた歩き出した。



繋いだ手は、もう振り払おうと暴れる事はなかった。





なんか大人風吹かせたクラウドと、青臭いスコールが浮かんだので。
クラウド、噂に便乗して周りを牽制してます。

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