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[レオン♀]花園の歌

  • 2021/08/08 22:20
  • Posted by k_ryuto
  • Category:FF


待ち続けていた“勇者”は、随分と頼りなさそうな少年だった。
それに溜息が漏れないレオンではなかったが、勝手に色々と期待を膨らませていたのは此方であり、少年に非がある訳ではない。
邂逅に少々痛い目を見せる事になったのは、どうやらまだ彼自身が何も知らない事、判っていない事がありありと感じられた事と、口で説明する暇がなかったからだ。
子供相手に可哀想、と言う仲間達の言うことも判らないではなかったが、止むを得ないものであった事は理解して欲しい。

キーブレードの勇者として選ばれた少年の名は、ソラと言う。
彼も嘗てのレオン達と同様に、突然現れた闇に自分の故郷を奪われて、常夜の街トラヴァーズタウンへと流れ着いた。
どうやら彼には程無く次の行先が示され、鍵の力を使って外の世界へ向かう事が可能であると言う。
成り行きの中で道中を共にする事になった二人の仲間を連れて、ソラは行方の知れない友達を探すと言う目的も共に、世界へと旅立つ事になった。

────が、旅立った先で色々な出来事に巻き込まれる事もあり、また最初に彷徨っていたソラを保護して道を示した縁か、ソラは度々トラヴァーズタウンを訪れる。
旅に必要となる物や、シドを頼ってグミシップの素材類を調達する目的もあり、存外と頻繁に彼はレオン達の下へやって来た。
レオン達もそんなソラを支援するのは吝かではないので、街に滞在している間に宿泊場所を貸したり、まだまだ形に決まりきらないソラに戦い方を教えたりしている。
また、街に現れるハートレスの被害を抑える為に行っているパトロールにソラも参加してくれるようになり、鍵の力が影響しているのか、以前よりもハートレスが増える速度が遅くなっており、トラヴァーズタウンの人々の生活にも安心感が生まれるようになっていた。

二週間ぶりに街にやって来たソラが、新しく覚えた魔法の練習をしたいと言うので、レオンは彼と共にパトロールに出た。
雷の魔法をハートレスに当てながら、コントロール方法を体で覚えようとしているソラ。
どうにも理屈を頭に入れるよりも、実践で体感する事の方が彼には向いているらしい。
まだまだ扱い慣れない魔法である為、度々的を外してしまうのは、ご愛敬と言うことにして置こう。
ソラが撃ち漏らしてしまった敵が逃げ出すのを、レオンが追って切り捨てる、と言うコンビネーションでパトロールは続いた。

三番街を一通り周り、ソラの魔力も尽きて来た。
奥まった通路に屯していたハートレスの群れを片付けて最後にしようと、二人で路地に飛び込む。
一匹、二匹、三匹と、着実のその数を屠って行く最中────それは起こった。


「あ!レオン、そっち!」


ソラの頭上を飛び越えて、青年へと襲い掛かるハートレス。
ソラが声を上げたのにレオンは直ぐに反応し、ガンブレードを返す刀で振り薙いだ。
───ばちんっ!と言う音が響いたのは、その瞬間だ。


「!?」


何事、と目を瞠ったレオンの胸元に、ハートレスが飛び付いた。
温かくも冷たくもない黒い影だけで構成された物体が、レオンの胸にしがみ付いている。
虫が掴まっているような余り宜しくない感覚に、レオンは顔を顰めて腕を振るった。
払われたハートレスは呆気なく飛び逃げて行き、レオンは直ぐに追い駆けようとしたが、胸元にあるものが流動性を持って重石になったのを感じて姿勢を崩してしまう。

うりゃあ、と言う一声を上げて、ソラがキーブレードを振り下ろす。
ぱかぁん、と叩かれたハートレスの頭がスライムのように潰れた後、影はすっかり消えてしまった。
最後の一匹を倒したソラは、直ぐに踵を返して、立ち尽くしているレオンの下へ駆け寄る。


「レオン、大丈夫!?」
「……ああ。すまなかったな、ミスをした」
「良いよ、別に。……胸、どうかした?怪我した?」


胸元を片腕で抱えるように庇っているレオンを、ソラが心配そうに見つめる。
レオンは少年の瞳に見詰められ、少々苦い表情を浮かべると、


「怪我はない、だが、……ブラが壊れたみたいなんだ。悪いが、今日は此処までで良いか?」


そう言ってレオンは、胸元を隠していた腕を下ろす。
其処には、白いシャツを押し上げる豊乳が、彼女の仕草に合わせてたぷたぷと弾んでいた。



一番街にあるシドの店に戻った二人は、労いにエアリスが淹れた茶を貰った。
ソラは店の一角にあるソファに座って、グラスをちびちびと傾けている。
レオンはと言うと、二口程度で茶を飲み干してしまうと、店番をしていたエアリスとユフィを伴って、店舗の一階フロアにある道具屋に下りていた。

まだ幼い兄弟が三人で営んでいるこの道具屋は、傷薬から日用品まで、様々な商品が並べられる。
三番街に並んでいたブティック程ではないが、被服類も少ないながら仕入れられ、兄弟の商人としての逞しさが垣間見えるようだった。
トラヴァーズタウンは元々、二番街を宿場町、三番街を広場と商業施設が多く占めていたのだが、ハートレスが現れるようになった今では、店の多くが閉店休業状態である事もあって、余り利用する事が出来ない。
そんな中で日用雑貨類を幅広く揃えてくれるこの道具屋は、レオン達にとっても助かるものであった。

その道具屋の奥に、服の試着を求める客の為にと、手作りの小さなフィッティングルームがある。
天井から釘止めで吊るしたカーテンで仕切っただけの簡素なものだが、幼い店長兄弟が精一杯の努力で客の要望に応えようと手作りしたものだ。
等身大の姿見も傍に備えられているし、大人の手を借りない中で作ったことを思えば、上等なものだろう。
レオンは其処に入って上着とシャツを脱ぎ、ホックの壊れたブラジャーを外した。


「うーん……これを直すのは無理だな……」
「レオン、それ、壊れたんでしょう。前にしていたのも壊れちゃったって言ってたし、ひょっとして、サイズが合ってないんじゃないのかな」


カーテンの向こうから聞こえたエアリスの声に、ふむ、とレオンは外したブラジャーを眺める。


「……サイズか。確かに、少し窮屈な気はしていたが、洗濯の所為かと…」
「大きくなってるんじゃない?サイズ測ってみようか」
「えっ、レオンのおっぱい、また大きくなってんの?」


ばさっ、とカーテンの併せが捲られて、レオンは思わず「うわっ」と声を上げてしまう。
此処は幼馴染の面々と暮らす家ではなく、道具屋の中なのだ。
自分達の他にも客が来る事もあろうに、全く気にしない様子で試着室の仕切りを外されるなんて、事故でも起きたらどうするのかと、レオンは眦を吊り上げる。


「ユフィ、急に開けるな。人がいたらどうする気だ」
「ごめんごめん。それより、胸、また大きくなったって?」
「かも知れないという話だ」
「んん~……」


ユフィの視線がレオンの胸をじいっと見詰める。
女同士なので恥ずかしい事もないが、あまりじろじろと見つめられると、少々落ち着かない気分になってきて、レオンは体ごと明後日の方向へと胸を隠す。


「あっ。良いじゃん、見せてよ~」
「見てどうする気なんだ……」
「どうって事もないけど。あ、でもちょっと分けて欲しいのはある」
「……分けれるのなら分けたいけどな。重いし、肩が凝るし、邪魔になるし……」
「何それェ、厭味じゃん。あたしだってコレ欲しいのにー!」


呆れた様子のレオンの台詞に、ユフィは判り易く唇を尖らせると、がばっと勢いよくレオンの背中に飛び付いた。
そのままレオンの前側へと回した両手で、レオンの乳房を持ち上げる。
思いも寄らぬ年下の少女の行動に、レオンは目を白黒とさせた。


「おい、ユフィ!何をして、ちょ、あっ」
「ふあ~、柔らかい。良いなあ、このサイズ感」
「ん、こら、揉むな!」
「やっぱ結構重い。はー、こりゃ筋トレみたいなもんだね。大変そう」
「……判ったなら離してくれ」
「やだ。もうちょっと~」


レオンの下乳を支えるように掬うユフィの手が、むにむにと脂肪の膨らみを揉んでいる。
掴むように強い訳でもないので痛くないのはレオンにとって幸いだが、悪戯っ子はあまり好きにさせると調子に乗ってしまうのがパターンだ。
余計な事をしない内にと剥がしたいのだが、背中にぴったりとくっつかれていては、流石にレオンも難しい。
汗も掻いているから匂うだろうに、と思うと恥ずかしくなって来るのだが、ユフィはまるで気にする様子もなく、ほうほう、ふむふむ、と何かを確かめるような呟きを零しながら、丹念にレオンの胸を揉み続けた。


「ねー、どうやったらこんなに大きくなるの」
「…そう言われてもな。いつの間にか……」
「あー、いいなーいいなー!ねえ、分けてよぉ」


甘えるように言うユフィに、無茶を言うな、とレオンは呆れる。
中々離れないくっつき虫に、いつになったら満足してくれるかなと、最早諦念でされるがままになっていると、


「カーテン開けるよ、レオン」
「ああ」
「お邪魔します。ほら、ユフィ、ちょっと離れて。胸のサイズ、ちゃんと測らなくちゃ」


エアリスがカーテンを捲り、狭いフィッティングルームに入る。
下より一人ずつの試着が前提であるから、服の脱着に必要な最低限の面積しか確保されていないので、其処に三人も入れば窮屈だ。
しかしユフィはレオンから離れはしても、また此処から出る気にはならないらしい。
もうレオンもエアリスも気にする事はなく、バストサイズを測る準備を始める。

エアリスが巻き尺を伸ばして、レオンの胸のトップをアンダーを計測する。
それを終えると、エアリスは嫋やかな手でレオンの乳房を揉み、その感触を確かめながら言った。


「やっぱり、大きくなってるよ。成長期、かな?」
「もう25だぞ……」
「ソラが来たからとか」
「へえ~、母性に目覚めたみたいな?」
「馬鹿な事を言うなよ、ユフィ」
「冗談だよ。でも、やっぱ大きくなってんだねえ」
「そうだね。重さも前よりあるし、これじゃブラも合わなくなってる筈だよ」


エアリスの手がレオンの乳房を掬うように持ち上げる。
エアリス手に支えられた乳房に、ユフィの手が重ねられる。


「なんかちょっと張ってない?気の所為?」
「ん~……?」
「む、ん……?」


ユフィの指摘に、エアリスが真剣な面持ちを浮かべる。
エアリスは触れる肌の感触を確かめるように、両手でレオンの乳房を丹念に撫でたり、揉んでみたりと繰り返す。

むにゅ、もにゅ、とエアリスの指の動きに合わせ、形を変える柔らかな肉。
あまりにじっくりと揉まれて、レオンはむずむずとした感覚を覚えて来た。
乳の下にじんわりと汗がに滲むのを感じて、それそろ解放して欲しい、と切に思う。


「ん……、エアリス、まだか?」
「うーん……何処か悪いんだったら、お医者さんに行かなきゃだけど…」
「余りそう言う感覚はないな」
「じゃあ、平気かな。取り敢えず、一個上のサイズのブラ、探してくるね」
「ああ、頼む」
「いいなーいいなーー。あたしも成長期来ないかなー。分けてよレオン~」
「またそれか」


エアリスがフィッティングルームを出ると、残ったユフィがまたじゃれついて来た。
ユフィはレオンの胸の谷間に鼻頭を埋めながら、左右から挟むように胸に触れている。
自分の顔を挟み込む要領で胸を寄せ、滑らかな肌に頬を擦り合わせられて、レオンはくすぐったさに眉尻を下げる。

「開けるよー」と言う声がカーテンの向こうから聞こえ、併せが捲られる。
戻って来たエアリスの手には、これまでレオンが使っていたものと比べ、ワンサイズ上になったものが握られていた。
レオンがブラジャーを受け取ると、エアリスは「出て待ってようね」とユフィをレオンの胸から剥がしてフィッティングルームから連れ出す。

やっと落ち着いた、とレオンは一つ息を吐いて、ブラジャーを身に付ける。
サイズを一つ大きくしたお陰で、最近何かと感じていた、胸元の苦しさがない。


「どう?」
「ああ、良さそうだ。もう一つ持って来ておいて貰えるか、まとめて買うから」
「はーい」
「レオン、ちょっと見せてー。おっ、結構カワイイ」
「ユフィ、せめて俺が良いと言ってからそこを開けてくれ」


エアリスの返事と重ねるタイミングで声をかけながら、カーテンを捲るユフィ。
あはは、と笑って誤魔化すユフィに、レオンはやれれと溜息を一つ。

正しいサイズのブラジャーを身に付けたレオンを、ユフィはまた眺める。
綺麗にブラジャーに包まれ、支えられながら寄せられた胸は、真ん中に綺麗な谷間を作っていた。
その上にレオンがいつもの白いシャツを着込むと、胸に持ち上げられた布地が突っ張って横皺が浮かぶ。
首からかけたネックレスの銀色が、丁度その谷間の皺がある場所に乗っていた。

ブラジャーを持ってきたエアリスが、そのまま会計へと行こうとするレオンを引き留める。


「レオン、下着も買って置いた方が良いんじゃないかな」
「別にそっちは困ってないし、必要は……」
「揃えておいた方が可愛いよ。ユフィもそう思わない?」
「そりゃね~。困んなくても、やっぱりちょっとカッコ悪いよ。あたしだって一応合わせたの持ってるよ」
「……そう言うものか。まあ、こっちも消耗品だしな……」


どうせ遠かれ早かれ買うだろうと思うと、今の内にまとめて、と言う気にもなる。
その方がセットにして少しお得にもなる、と言うのもあって、レオンはエアリスに手を引かれて、もう一度下着売り場へと向かった。

────その頃、店舗二階では、未だに麦茶をちびちびと飲んでいるソラがいる。
来客が一服できるようにと備えられた椅子に座っている少年を、シドはカウンターの中から眺めていた。

シドの店とその階下にある三兄弟の道具屋は、階段一つで行き来が出来る。
日用雑貨の店と、細々とした生活用品の修理の両方を利用する客は多く、その往来の邪魔にならないようにと、階段元は封鎖しないように開けっ放しになっていた。
この為、上下のフロアで交わされる人々の会話は、意外と筒抜けになっていたりする。
それを知らないレオン達ではないのだが、人目を気にしなくてはならないような会話をする事もないし、特に気にせず話をしていた。
……初めてこの場に居合わせてしまった少年が、意識するしないに関わらず、耳を大きくしてしまう事など知りもせず。

ソラはようやく中身が半分以下まで減ったグラスを口から離して、煙草をく燻らせているシドを見る。


「……なあ、シド」
「なんだよ?」
「……レオン達、いつもあんななの?」
「まあな」


シドの返答に、ソラは「うあ~……」と鳴き声を上げて天井を仰ぐ。
シドは彼女達を育て、共に生活する過程ですっかり慣れてしまったが、まだまだ幼い少年にとって、階下で交わされた女性陣の会話は、存外と刺激が強いものだったらしい。

買い物を終えた三人が上階へと戻って来た時、ソラはソファにぐったりと突っ伏していた。
どうかしたのかと経緯を訪ねようとする女性三人に、シドは肩を竦めるに留めるのだった。





『何故かおっぱいを揉まれるレオンさん♀』のリクエストを頂きました。
あまりエッチな雰囲気ではなく、との事でしたので、健全に。健全?健全。

レオンさんのたわわなおっぱい揉みたい。
12歳のソラには、少々刺激が強かったようです。ブラが外れたってレオンが言った時から、つい意識してしまう位にはインパクトのある出来事だったんじゃないだろうか。
しかしレオン達にとっては、この頃のソラはまだまだ子供扱いな頃なので、その辺をあまり意識して注してはなかったんですなぁ。ガンバレソラ。

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