サイト更新には乗らない短いSS置き場

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2012年01月

拍手お返事(1月25日)

  • 2012/01/26 14:01
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[レオン/謎パラレル]氾濫せよ、0と1の海

  • 2012/01/22 00:06
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レオン・クラウド・スコールで電子妖精的なパロ。
情報学の勉強なんぞ何もしたことがないので、全部ただのイメージと妄想。
尻切れトンボ。今の所、続ける気はない。




電源を入れて、起動した機械の中に入る。
ゴーグルを嵌めれば世界は黒に閉ざされるが、スイッチを入れれば0と1の数字で埋め尽くされる。

いいか、と言う声がして、右手を挙げた。
それを合図に、カチ、と音が鳴って、耳の奥でヴ……と軌道音が響く。
0と1が頭の中へと潜り込み、急激な速さで侵攻し、頭の中を塗り替える。


耳障りな軌道音が消え、0と1の波が落ち着いて、目を開ければ────其処は無数の情報で溢れた、電子の世界。


ひゅう、と言う、無風無重力の世界でありながら、落ちて行く感覚に襲われる。
インプットし、学習された重力演算情報に倣っての表現のだろう、それに従うようにして後ろ髪が流れて行く。

それがしばらく続き、ようやく落ちる感覚が緩んで来ると、程なく、足が地面に辿り着く。
いや、実際は其処には“地面”と呼べるものもないので、単純に“落ちて行く”感覚が終わっただけと言うのが正しいか。
……言葉の表現については、この電子世界ではなんと説明しても当て嵌まりそうにないので、レオンは考えるのを止めた。



ピ、ガ、ザ、と耳元で不快な雑音が鳴る。




『どうだ、レオン』



聞こえた声は現実世界からのもの。

ゴーグルに取り付けられたインカムは、この電子世界内では視覚として再現されていない。
だからレオンを覆っていたあったごちゃごちゃとした機械は、この世界にはないのだが、現実の躯はそれらに縫い止められている。


レオンは辺りを見渡して、溜息を吐いた。



「酷い有様だな。ウィルスだらけだ」
『あんたの視覚情報をモニタに映していいか』
「ああ」



しばらくの沈黙の後、「映った」と言う声が聞こえた。



『……なんだ、これ』
「見たままだ」



レオンを囲っている風景は、嘗ての煌びやかで、けれど落ち着いた電子世界とは似ても似つかない。
規律正しく並んでいる筈の0と1の数字があちこちに飛び散り、配列の隙間には意味不明な数字の羅列が敷き詰められている。

この電子世界は、本来ならば0と1だけで構成されている世界だ。
其処に別の数字が入り込むなど、本来ならあってはならない出来事なのである。
一つでも潜り込めば、其処から様々な所に不具合が起きると言うのに、こんなにも沢山の誤情報が紛れ込むなど、有り得ない。


この風景も異常なものだが、この光景よりもレオンが異常に思うのは、



「此処までウィルスが広がっているのに、外には何も影響がないとは……」



0と1の世界を歩き出し、レオンは辺りを見回しながら呟いた。



『だから気付かなかったんだろ、そっちの世界がこんなになってるなんて』



聞こえてくる声には、溜息が混じっている。

今回の電子世界の異常に気付くのが遅れたのは、外の世界に全くの異常情報が出て来なかったからだ。
管理システムからの警告も、ウィルスチェッカーにも反応がなく、外の世界は平穏無事に過ごしている。
こうして異常状態を確認している今も、現実世界にいるパートナーは、何処かのんびりとしたものであった。


レオンも彼と共に外の世界だけを見ていた時は、それ程大きな異常はないだろうと思っていた。
しかし、現状を目の前にすると、悠長にしてはいられない事を実感させられる。



レオンは、0と1と、意味不明の数値の羅列が並んだ、情報の壁に近付いた。
手を伸ばして誤情報の塊に触れてみると、其処から小さな波紋が広がる。
すると、レオンの脚元ががくんと落ちて、レオンはその場に片足を揺らして座り込む羽目になる。



「……驚いた」
『なんだ?どうかしたか?』
「いや、なんでもない。大丈夫だ」



息を吐いて零した声にパートナーが問うてきたが、レオンは自分自身には問題ないと返す。
問題があるのは、この世界の方だ。



「ウィルスの所為だと思うが、あちこち可笑しなバグが起き易くなっている。ウィルスがデータを食い散らかしている所もあるし、除去プログラムだけだと追い付きそうにないな…」
『一応プログラムの注入だけ済ませて置くぞ。効果は期待できないと思うけど』
「ああ」



返事をすると、外の世界からの声はそれきり途絶えた。
プログラムの準備をしているのだろう。

レオンは外での対処はパートナーに任せる事にして、電子世界をしばらく歩き回る事にする。



一般人は中々入る事が出来ない電子世界であるが、レオンにとっては幼い頃から慣れ親しんだ場所だった。
閉ざされた空間で育たざるを得なかったレオンにしてみれば、情報が氾濫せんばかりに溢れている電子世界は、無限の遊び場のようなものだったのだ。

大人になるにつれて、電子世界は遊び場以上の意味を持つようになったが、愛着があるのは変わらない。
寧ろ、行った事のない、見た事のない外の世界よりも、レオンにとっては此方の方が故郷のように思える。
だから、こんなにも大量のウィルスに侵食されるまで、電子世界の異常に気付く事が出来なかった事が、レオンにとって悔しくてならない。


この世界は、レオンの遊び場であり、沢山の思い出が眠る場所だった。
そして、自分だけが知る“彼”に出逢える、唯一の世界でもあった。



────その“彼”の姿が、見当たらない。
レオンが電子世界にダイブすると、必ず“彼”は姿を見せてくれたのに。



早く、“彼”に逢いたい。

何かあったのかも知れない。
こんなウィルスに汚染された世界だ、“彼”も侵食されているかも知れない。


そう考えて、ひやりとしたものが背中を辿った直後、




「…れ、おん……」




呼ぶ声がして前方を見て、レオンは目を見開いた。




「スコール!」




0と1の粒子の中で、細い腕を伸ばす少年に、レオンは駆け寄った。






テクノ系でダークな音楽を聞いてたらふわ~っと浮かんできた話。
多分、レオスコでクラレオでクラスコな話。続かないけど。

通販の発送完了

  • 2012/01/20 21:21
  • Posted by

2011年1月10日にご注文を頂きました、通販の発送を完了いたしました。
発送宛の方には、メールにて発送完了のお知らせを送信しております。
二週間が経ってもお手元に届かないようでしたら、郵便事故の可能性がありますので、お手数ですが、メール・拍手どちらかにてお知らせ下さい。直ぐに確認します。

携帯電話のメールを使用している方は、迷惑メール防止を設定されていると、此方からの返信メールが拒否されてしまう可能性があります。
kryuto*hotmail.co.jp(*を@に変換して下さい)を受信可能に設定するよう、お願いします。

脱稿しました!

  • 2012/01/19 23:37
  • Posted by

来月(2月5日)開催のFFオンリーに委託参加します。其処で発行予定の新刊の執筆が終わりましたー!やほーい!
……ってはしゃいでテンション上げた後で、何かやり残しがないかビビってます。既に入稿したんですけど。散々確認したつもりで、完成本を見てから気付くミスとかいつもあるのです。何回もチェックしてるのに、なんでだろう……

新刊は『Lion that returns to crowd』の第二弾で、クラウドとスコールメインの話になっています。
『Lion that returns to crowd』は、仲間に対してずっと距離を置いているスコールと、そんなスコールを遠巻きにしていた仲間達が、どういう経緯で距離を縮めて行くかを書くシリーズものです。なので、前回が589&8親子の話になっていました。
シリーズなので話は連結しているのですが、オムニバスを意識しているので、単品でも読めます。……多分。うん。

まだ当落通知が来ていないので、本当に参加できるかは判ってない(汗)のですが、落ちても新刊は発行します。通販カタログには完成品が届き次第追加、通販受注はイベント後の予定です。


(一応)脱稿したので、サイトの小説をぼちぼち書き溜めとこうかな。

FFでセシル&スコールを書こうとしたら、自分の中で陛下像がちゃんと固まってなかった…!クラウドとは違った意味で大人な人、なんか色々書き難いです。大丈夫かな。
龍龍…しばらくエロネタが続きそうな予感です。飢えてんだろうな、私。その前に京一の誕生日が…!
最遊記はもうちょっと移転作業が続きます。裏の移転がまだ終わってないので……

拍手も押して下さってありがとうございます!
通販の諸連絡に関しましては、明日ご連絡出来るかと思います。お待たせして申し訳ございません。

[三蔵&悟空]世界のヒビを直す方法

  • 2012/01/19 18:25
  • Posted by


雨が降ると、三蔵の機嫌が悪くなる。

────いや、あれは悪くなるのとは少し違う。
周りに在るものの一切を遮断するのだ。


悟空にとって、寺院で自分の味方と言えば三蔵だけだった。
自分を拾い、連れ帰った保護者であるし、他の修行僧のように悟空を“妖怪”であるからと忌避する事もない。

だから三蔵が世界を閉ざしてしまったら、悟空を受け入れてくれる人は、誰もいなくなってしまう。



音一つしない部屋のから、悟空はこっそりと三蔵を見た。
執務用の椅子に腰かけた三蔵は、悟空の視線に気付く事なく、じっと窓の外を眺めている。
一枚ガラスの向こうは天雫で煙り、雲に覆われた空は愚か、いつも窓向こうで揺れている草木の影すら見えない。

太陽の光を思わせる金色の隙間、微かに覗く紫電は、常の冷たい閃きすらない。
多分、外も見ていない────彼の瞳は今、今此処に在る現実さえも拒絶しているのだ。




(三蔵、)




悟空は彼の名を呼ぼうとして、出来なかった。


いつもなら名前を呼べば、彼は不機嫌な顔で振り向いてくれた。
仕事中は無視される事もあるけれど、紫電が一瞬だけ向けられたり、サインの筆が止まったりうするから、聞こえているのは判った。

でも、今は振り向いてくれない気がする。
試した事はなかったけれど、何も見ていない紫電を見ると、悟空は期待する事が出来なかった。
ひょっとしたら、と思う気持ちもあるけれど、それ以上に彼の世界に拒絶された時の事を考えると、怖くて堪らなかった。

─────だから、雨の日、悟空は彼の名前を呼ぶ事が出来ない。




(三蔵)




だから心の中で呼び続ける。
暗く閉ざされた世界で、“誰か”を呼び続けていた時のように。




(遠いよ、三蔵)




同じ場所にいる筈なのに、手が届く場所にいるのに、遠い。
見えない壁があるようで、悟空は彼に近付く事が出来なかった。
その壁を越えて尚、彼に存在を拒否されるのが怖くて。

悟空の世界の多くは三蔵で占められていたから、彼に拒否されると言う事は、自分を否定されるのと同じ事だ。
あの紫電が自分を見てくれるから、悟空は自分が“此処にいる”と知る事が出来る。


三蔵。
三蔵。

心の中で呼び続けて、彼が振り返ってくれる事を願う。
何も映さない、此処にある現実すらも拒絶する彼が、帰って来てくれる事を、ずっと。
膝を抱えて蹲る振りをして、抱えた膝の陰から、動かない金色を見詰めていた。




(三蔵………)




じわりと視界が滲んで揺れて、其処にいる筈の人の姿が歪んでいく。
そのまま金糸も見えなくなってしまう前に、悟空はごしごしと乱暴に目を擦る。

そうして、擦る手を離したら、




「……何泣いてんだ、バカ猿」




聞こえた声に顔を上げると、紫電が此方を見ていて、




「煩ぇんだよ、お前は」




呆れたように溜息を吐く姿に、我慢が出来なくなって、抱き着いた。

お帰りなさい、僕の太陽。
お帰りなさい、僕の世界。





寺院時代の悟空と三蔵の関係は、“二人ぼっち”のつもりで書いてる事が多いです。
でもって自分の所為で悟空に寂しい思いさせてる癖に、第一声が「煩ぇよ」なうちの三蔵。偉そう。それでこそ三蔵か。

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