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[バツスコ]オプス・ムシウム

  • 2026/08/08 22:20
  • Posted by k_ryuto
  • Category:FF

R15
スコールがふたなり(基本男性体)




バッツがスコールと思いを遂げてから、それなりに時間が経っている。
その間、バッツはいつからとは言わないが、悶々とした日々を過ごしていた。

愛し合うなら然るべき行為があって然るべき、とは言わないが、やはりバッツも男だ。
そう言う欲はやはり抱いているもので、それは明確にスコールに向かっていた。

彼が触れあうことを苦手としているのは知っているが、しかし、だからと言って完全に拒絶される様子もない。
バッツがそう言う匂いを醸し出せば、スコールは赤い顔をして、「もうちょっと待ってくれ」と言った。
ここで重要なのは、スコールは「待って」と言ったのであって、「嫌だ」とは言っていないことだ。
つまりはバッツにそう見られていることを、彼自身は受け入れているのである。

だからバッツも待った。
スコールの性格もよく判っていたし、無理にことを押し進めて、彼を傷付けては意味がない。
冷静な振る舞いをするけれど、スコールはこと人との触れ合いに置いては、恐怖症の節がある。
焦らなくて良い、ゆっくりで良い、スコールが良いと思った時で───バッツもそう思ったからこそ、待つことに厭は言わなかった。

……しかし、一月、二月、三月と時間が経って行くと、さすがにバッツも不安になって来る。


(ひょっとして、本当は嫌なのか?)


それもあり得ない話ではない。

スコールは、嫌なら嫌とはっきりと口にする性格だが、懐に入れた者には弱い。
自分の発言が、返答が、相手にどんな思いをさせてしまうかを想像して、急に線引きが弱くなってしまう。
バッツから見て、スコールの愛らしい部分でもあるが、こういう問題については、反って悩ましい。
スコールが「バッツに嫌われたくないから、嫌だと思ってもそれを言わない」と言う可能性もあるからだ。

こういう時に、遠回しに聞いてみよう、等とは思わないのがバッツである。
何度目になるか、誘った際に返って来た「もうちょっと」の言葉に、バッツはついに切り込んだ。


「なあ、スコール。ひょっとしておれとセックスするの、嫌か?」


秩序の聖域のバッツの部屋で、二人でベッドの上にいる。
傍から見るものがあれば、今から正に、と言うシチュエーションだ。
故にバッツもスコールの体に触れ、ささやかなスキンシップから流れを作ろうとしていたのだが、其処へきていつもの「待ってくれ」である。

眉尻を下げるバッツの問いに、スコールはぐっと黙り込んだ。
蒼の瞳が泣き出しそうに歪むのを見て、バッツの表情も悲嘆が浮かぶ。
やっぱり嫌だったのか、とバッツが受け取るのも無理はなく。


「嫌なら嫌って言ってくれよ」
「……そ、れは……」
「おれがしたいのは確かだけど、スコールが嫌なことは、したくないしさ」


下手に気遣うよりも、正直に言ってくれた方が、バッツも切り替えられる。
確かに欲はあるが、愛し合う為の手段は、何もそれに限ったことではないのだ。
一番判りやすい方法をやめて、他を探せば良いことだ。

バッツはそう思っているのだが、スコールはまた首を横に振った。


「そう、じゃ、ない……」
「ほんと?」
「……ああ」


重ねて確かめるバッツに、スコールはちゃんと目を見て答えた。
嘘ならその目が判り易く彷徨う。
それは見付からなかったから、スコールが本心を言っていることが読み取れた。

バッツを見つめていた瞳が、気まずい様子で俯いた。
もぞ、とスコールが身動ぎをする。


「ただ、その……」
「うん」
「……俺は、……あんたに、」
「うん」
「……言ってない、ことが……ある、から……」


その唇は、酷く重いものを抱えていた。
蒼灰色は泣き出しそうに歪んでいて、恐怖に似たものも混じっている。

バッツが顔を覗き込むと、スコールは眼を逸らそうとして、留まった。
恐々とした様子に、バッツがそっと白い頬に触れると、スコールは強く唇を噤む。
言いたいけれど言えない、言うのが怖い───そんな顔だ。

ここでバッツが引き下がるのは簡単だった。
我慢しきれなくて拒否する理由を聞いたのはバッツの方だが、それでスコールに負荷をかけるのも望まない。
スコールが望まぬことをするのはバッツの本意ではないし、もしもトラウマのようなものを抱えているなら、焦らず時間をかけるべきだ。
スコールは、「待って」と言っているのだから。

ただ、長引かせる程、スコールが貝になるのも知っている。
逡巡を繰り返している今が、スコールにとって境界線の狭間だ。
ここを彼が、前に行くのか、後ろに下がるのか、それをバッツが急いて決めてはいけない。


「……バッツ……」
「うん」


名前を呼ばれて、バッツは返事をした。
スコールはベッドシーツの端を強く握っている。


「……誰にも、言ってないことが、ある」
「うん」
「あんたにそれを……見せる、から。見たものの、ことは、誰にも、言わないで……欲しい」
「うん。言わない」


バッツがすかさずそう答えると、スコールは目を丸くして顔を上げる。
まだ何も言ってないのに、と表情に浮かべるスコールに、バッツは歯を見せて笑った。
彼が胸に抱く不安が、少しでも薄らいでくれるように。

スコールはじっとバッツの顔を見つめた後、もう一度唇を噛んだ。
意を決した表情になって、ベッド端から腰を上げる。

何をするのか、バッツがじっと見つめる前で、スコールはジャケットに手をかけた。


「へ?」


今度はバッツが目を丸くする番だ。

スコールはジャケットを脱ぐと、その下に来ていたシャツも捲り上げた。
脱いだ上衣は床に放り捨てて、次に腰のベルトに手をかける。

突然始まった恋人の、前触れもないストリップショーに、バッツは思わず固まって、


(あ。そうだ。傭兵だから、傷とか、何か、そういう───)


スコールは、SeeDと言う特殊な名のついた傭兵だと言っていた。
となれば、額の傷と同様に、その身体にも様々な痕跡があっても可笑しくない。
その“痕跡”あるいは“傷”とは、男でありながら屈辱を飲んだ残滓が刻まれている可能性はある。
少なくとも、バッツの感覚では、そう言う出来事は多かれ少なかれ聞く話だった。

スコールはベルトを緩めたズボンを下ろした。
靴と一緒に足元にまとわりついたそれを蹴って、仕草だけ見れば自棄を起こしたように見える。
しかし、恐らくは、そうしないとスコール自身が止まってしまうからだろう。
ブレーキがかかってしまう前に、行くべきところまで行ってしまおうと、引き結んだ唇がその決意の象徴だ。

最後に下着に手をかけて、スコールは一瞬止まった。


「……っ」


息を詰めて、スコールは逡巡する。
それはバッツから見ればほんの数秒のことだったが、きっとスコールには長い時間だった。

下着が下ろされ、足元を潜って、遂にスコールは一糸まとわぬ形になった。
まだ薄い色をした中心部が晒されて、ごくりとバッツの喉が鳴る。
彼の裸身は、風呂で見た事がある筈だが、そこが隠されていないのは初めてだ。
彼は必ず、そこを他人に見せないように、タオルで覆うようにしていたから。

だがそこに、バッツが想像していたような“痕”はない。
一瞬頭を過った、象徴が削ぎ落されているようなこともなかった。


「えっと……スコール……?」
「……」


スコールはまだ口を噤んでいる。
何がどういうことなのか、訊いても良いのだろうか、とバッツはまだ判じかねていた。

裸になったスコールがベッドに乗る。
きし、と音がして、裸身の恋人が自分のベッドにいると言うことに、バッツはどうしようもなく昂った。
逸る心臓が、据え膳宜しく飛び出しそうになっているのを、微かな理性を抑えている。
今はまだ飛び出すな、と。

スコールはベッドの奥に身を寄せるように近付くと、壁を背に向き直った。


「……どう、言えば良いのか判らない。だから……見せ、る」
「何を?」
「……」


首を傾げるバッツに、スコールは答えなかった。
どうしても口が重い。
言えない、と、言いたくない、が混ざっていた。

スコールは、壁に寄り掛かって、ゆっくりと膝を開いた。
これもまた、当然ながらバッツには予想外の行動だ。
ことにガードの固いスコールが、相手が恋人とは言え、自らそんなことをするなど思ってもいなかった。

その理由を、バッツはそこにひた隠しにされていたものを見付けて、悟る。


「え?」
「……」
「スコールって───」


そこから先の言葉を、バッツは口に出来なかった。
そんな筈はない、と言うことは、晒された場所にあるものを見れば明らかだ。
だが、またそれを否定するものも見えていて、益々バッツを混乱させる。

スコールの顔と、晒された場所を、バッツは交互に見比べた。
そこにあるのは自分がよく知る少年の顔で、その体つきは間違いなく、風呂場で何度も見ていたもの。
少し華奢な印象すら与えるが、それは無駄な肉がなく引き締まっているからだ。
決してか弱いものではないし、何より、自分と同じものがあるのだから、そう言う意味ではこれまでの認識は何も間違ってはいない。

だが、同じ性ならない筈のものが、ある。
すっきりとした筋になったそれが意味するものを、バッツは困惑の中で辛うじて理解まで行き付いた。


「スコールって───両方、あったのか?」
「………」


スコールはやはり答えない。
言葉の変わりに、その顔は明らかな羞恥で真っ赤に染まる。

開いた口が塞がらない状態のバッツに、スコールは開いていた膝を寄せる。
足を閉じてしまえば、もうそこに筋があることは判らない。
バッツと同じ性のシンボルもあるから、こうしてみる分には全く“男”である。


「……気持ち、悪い…だろ……」


俯いたスコールの声は、酷く震えていた。
彼自身は平静を装っているつもりだろうが、内々の心が隠せていない。

だからスコールのその言葉を聞いた瞬間、バッツはすぐに言った。


「そんなことない!」
「……」
「本当だって!」


バッツは言い募ったが、蒼の瞳はこちらを見ない。
信じていない、信じられない、と言うスコールの心がありありと表れていた。

ならば、とバッツはスコールの閉じた膝を掴む。
は、とスコールが目を瞠る隙に、バッツは彼の足を左右に大きく割った。
スコールは蒼褪めた真っ赤になって、腰が逃げを打ったが後ろは壁に阻まれる。


「ちょ、バッツ……!?」
「スコールの体、もっと見たい。ちゃんと見せてくれよ」
「馬鹿、ふざけるな!俺は真面目に」
「おれもずっと真面目だよ」


スコールの足がバッツの肩を蹴った。
ようやく決断できたのに、と子供のようにスコールの声に泣きが混じる。

じたばたと暴れるスコールの足を掴んで、少し強引に押さえつける。
彼の意思を封じるようなやり方は好きではないが、今だけは他に方法がない。
言葉で何を言ってもスコールには信じられないのだから。


「やめろ、バッツ!こんなの、見たって面白くもないだろ!」
「そんなことないって。これがスコールなんだろ」
「や、あ、どこ触って……!」


バッツは開かせた足の間に体を入れて、その中心に指を添わせた。
自分と同じ象徴があって、そのすぐ下にある、綺麗な溝。
傷付けないように、溝そのものではなく、土手の膨らみを指の腹でなぞると、スコールの体が仰け反った。


「んぁ……っ!」


零れたスコールの声には、甘露が滲んでいる。
その音を聞いた瞬間、バッツはぞくぞくとした高揚が背中を駆け抜けるのを感じた。

すり、すり、と指で土手を撫で続けると、スコールはいやいやと頭を振る。
助けを求めるように彷徨ったスコールの手が、恥部を見つめるバッツの肩を掴んだ。
バッツが顔を上げれば、大粒の雫を浮かべた真っ赤な顔が、今にも泣き出しそうにこちらを見ている。


「バッツ……!」
「大丈夫だよ、スコール。嫌いになったりなんてしないよ」
「……っ!」
「びっくりしたけど。それだけだ。ここが“こう”だったからって、おれがスコールを嫌いになるわけない」


言ってバッツは、スコールの唇に自分のそれを押し付けた。
近い距離でブルーアイズが見開いて、まるで信じられないものを見ているかのようだ。
実際にスコールにとっては、そう言う気持ちなのだろう。

バッツはスコールに深く口付けながら、指先は彼の秘部を撫で続けた。
その手付きは優しく丁寧で、決して彼を弄ぶのが目的ではない。
時折手を動かして、もうひとつの性の象徴へと触れれば、これにもスコールは困惑した様子で息を喘がせた。


「ん、む……っ、は……っ、あぁ……!」


バッツはその声を耳元に聞きながら、興奮を高めていく。


(ここに、おれが、入る。おれが入るところを、スコールが持ってる)


ここは鞘だ。
剣を納める為の場所だ。

今はまだその口は堅い様子だが、こうして触れて行けば、徐々に解れていくだろう。
その時のことを考えると、バッツはどうしようもなく興奮した。
勿論、それがなくても彼と交わる方法があるのは知っているし、どちらでもバッツは構わない。
けれど“バッツを受け入れる為だけの場所”がある事実は、得も言われぬ歓びをバッツに齎す。

濡れたスコールの唇を解放して、バッツは赤い顔で喘ぐ恋人を見つめながら囁く。


「どっちだって良いんだ。どうだって良いんだ。それがスコールなら」
「は……あ、バッツ……っふぅ……!」
「急かしてごめん。勇気出してくれて、ありがとな」
「ん、んぁ……あ……っ!」


どうしてスコールが、頑なにバッツの誘いに頷けなかったのか。
全てを見せると決めた時、彼にとってはどんなに怖い賭けだったのか。
それでも受け入れて欲しいと、そこまで望んでくれる程に焦がれてくれたことが、バッツはどうしようもなく嬉しかった。

だから今度は、目いっぱいにスコールに伝えなくてはいけない。
自分がどれだけ、スコールのことを愛しているのか。



確かな安心を求めて恋人の名を呼ぶ声は、いつしか喜びに濡れていた。





『バツスコかフリスコでふたなりネタ』のリクエストを頂きました。
どちらのCPでも美味しかったのですが、今回はバツスコにさせて頂きました。

人と一緒に風呂に入ってるのは中々無防備ですが、一見すると男だし、下手に隠す方が不自然だと思ってたスコールです。
念の為にタオル一枚巻いてるくらいは、スコールだったらそう言うこともするよな、と言う印象で誰も気にせず。
それだけに、恋人になってからバッツに求められて、余計に言い出しにくかった様子。
スコールからすると「嫌われるかも知れない」ことだった訳ですが、バッツは寧ろ興奮しています。思い切り不安を吹き飛ばして貰うと良い。

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